様々な法令・条約の中でも「児童の権利に関する条約」は、保育士試験に良く出るので必ずおさえておきたいところです。

主に出題される科目は「児童家庭福祉」「社会的養護」「保育原理」です。(他の科目にも出ることがあるかもしれません)

この条約の最低限の知識としては、

・1989年に国連総会で採択された国際条約
・子どもが権利行使の主体となった
・日本は1994年に批准(=ルールを導入)
・アメリカは現在も批准していない

などがあります。

では、保育士試験においてはどのような勉強をすれば良いのでしょうか。

条文の穴埋め問題が良く出るからといって、前文と54条の条文を全て丸暗記するという学習は得策ではありません。

そこで

1.何故保育士試験に出題されるのか
2.条約のどの部分が出題されやすいのか

という部分を説明します。






1.何故保育士試験に出題されるのか


日本では「児童の権利に関する条約」が批准された後、子どもに関する法令が整っていきました。
特に「児童福祉法」は、「児童の権利に関する条約」の精神に寄りそうようにして改正しているのです。

「児童福祉法」自体は1947年に制定されたものですが、その後50年近く後に批准した「児童の権利に関する条約」に基づいて改正しているということですね。

2016年に改正された「児童福祉法」第1条では、「全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり(略)等しく保障される権利を有する。」としており、「児童の権利に関する条約」という言葉が新しく含まれました。

「児童福祉法」が保育士試験に重要なことは言うまでもありませんが、その「児童福祉法」が近づこうとしているのが「児童の権利に関する条約」の精神なので、保育士試験によく出題されるということです。


2.条約のどの部分が出題されやすいのか


実際に「児童の権利に関する条約」が過去9回分の保育士試験にて、どの条文が出題されたかをまとめました。


科目

出題条文

問題形式

平成31年前期

児童家庭福祉

12

語句穴埋め

平成30年後期

社会的養護

11243

×組み合わせ

平成30年前期

児童家庭福祉

27

語句穴埋め

平成29年後期

社会的養護

20

語句穴埋め

平成29年前期

児童家庭福祉

12

語句穴埋め

平成28年後期

児童家庭福祉

18

語句穴埋め

平成28年前期

児童家庭福祉

前文、第1318

誤った文を選ぶ


保育原理

12

語句穴埋め

平成27年地域限定

児童家庭福祉

14

誤った文を選ぶ


児童家庭福祉

前文、第1318

×組み合わせ


保育原理

7

語句穴埋め

平成27

児童家庭福祉

12131418

誤った文を選ぶ




この結果からわかることとして、毎年必ず出題されており、語句の穴埋め問題も多いということです。

ここで3回以上繰り返し出題されているのが、第1条、12条、18条です。

これらは今後も出題される可能性がとても高いので、この3つは丸暗記するのが良いですね。

第1条
「この条約の適用上、児童とは、18歳未満のすべての者をいう。ただし、当該児童で、その者に適用される法律によりより早く成年に達したものを除く。」

これは児童の定義で、児童を18歳未満のものとしています。
「ただし〜」の意味としは、日本の場合は未成年者が結婚すると成年となることを民法で定めていますので、16歳で結婚した女性は成年に達したということになり、児童ではなくなるということです。


第12条
「 1 締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。

2 このため、児童は、特に、自己に影響を及ぼすあらゆる司法上及び行政上の手続において、国内法の手続規則に合致する方法により直接に又は代理人若しくは適当な団体を通じて聴取される機会を与えられる。」

一見難しい文章ですが、児童が自由に意見を表明できることや、その意見については児童の年齢や成熟度に応じて考慮するということが書かれています。

平成31年前期試験では青字、平成29年前期試験では赤字の部分が穴埋めとなっています。


第18条

「1 締約国は、児童の養育及び発達について父母が共同の責任を有するという原則についての認識を確保するために最善の努力を払う。父母又は場合により法定保護者は、児童の養育及び発達についての第一義的な責任を有する。児童の最善の利益は、これらの者の基本的な関心事項となるものとする。

2 締約国は、この条約に定める権利を保障し及び促進するため、父母及び法定保護者が児童の養育についての責任を遂行するに当たりこれらの者に対して適当な援助を与えるものとし、また、児童の養護のための施設、設備及び役務の提供の発展を確保する。

3 締約国は、父母が働いている児童が利用する資格を有する児童の養護のための役務の提供及び設備からその児童が便益を受ける権利を有することを確保するためのすべての適当な措置をとる。」


ここでは子どもの養育はまず父母に責任があること、そして国が援助を行うことが書かれています。

平成28年後期試験では赤字の部分が穴埋めになっています。



学習の進め方としては、まず第1条、12条、18条は内容も理解して条文を暗記し、それ以外の条文の優先順位については過去問に出題されている部分から理解していくと良いですね。
単純に最初から読んでいくのではなく、過去問でよく出題されている部分から学習を始めるがコツです。

特に社会的養護で出題された場合、全部で10問しかない科目なので「児童の権利に関する条約」の穴埋め問題が出題されたら確実に点をとりたいですね。


以上、
「児童の権利に関する条約」の学習についてでした。
今年の後期試験も必ず出題されると予想され、個人的には久しぶりに第18条が出るのではないかと考えています。