①〜③では、「教育基本法」「学校教育法」「日本国憲法」「幼稚園教育要領」の出題傾向について分析しました。

教育原理にはそれ以外にも法律が出題されているので、1問でも多く正解するために出てきた法律を分析し、今後出題される可能性のある法律もまとめていきたいと思います。

「教育基本法」「学校教育法」「日本国憲法」「幼稚園教育要領」は条文の穴埋めも多いですが、それ以外の法律は法律の概要を知っていれば解けるような問題も多いです。

細かく暗記をしなくても答えを導くことができるので、まず出題された法律がどんな内容かということを復習していきます。

平成31年前期試験
「障害者差別解消法」(正式名称「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)

平成25年に制定し、平成28年4月施行の比較的新しい法律です。

「障害者差別解消法」という名称から、保育士試験とあまり関わりのない法律にも見えますが、何故保育士試験で出題されたかを分析します。

実はこの法律は平成29年後期試験「社会福祉」の問1にも正式名称の方で出題されていますので、過去問をしっかり解いて、この法律は何だろう?と調べた方は平成31年の問題が解けたのではないかと思います。

まずこの法律は障害を理由とした差別の解消を推進することが目的で、大きく二つの柱があります。

・不当な差別的取り扱いの禁止
国や自治体、事業所が、障害を理由として不当に差別することを禁止すること

・合理的配慮の提供

国や自治体、事業所が障害を持つ人の状態に応じて、社会のバリアを取り除く取り組みをすること

今回の試験で出題されたのは、二つ目の合理的配慮の提供です。
難しい名称ではありますが、バリアフリーと考えると分かりやすくなります。

内閣府ホームページでは、法律の条文だけでなく、「合理的配慮の提供等事例集」がありますので、実際にどのような時にどのような対応をすると合理的配慮の提供となるかという事例があります。

試験では、この事例集から出題され、なんらかの障害のある子どもが「困っていること」に対して「対応したこと」が適切かどうかという問題でした。

この事例集にそのまま載っている内容ですが、ここまで確認していなくても、どのようにしたらその子どものバリアが取り除かれるかという視点で見ると解くことができます。

例えば設問Aは、このような事例と対応です。

「言葉だけでの指示だと、内容を十分に理解できないで混乱してしまうことがある。」
  ↓
「小学校へ入学してから苦労しないように、言葉だけで指示を聞けるよう指導を続けた。」

文章から、幼稚園や保育所において、困っている子どもに対する保育士等の対応と考えます。
バリアを取り除くという合理的配慮といった視点で見ると、これでは現状のバリアは取り除けていないので、この設問Aは×ということになります。

適切な対応(事例集の記載)は、「身振り手振りやコミュニケーションボードなども用いて内容を伝えるようにした。」でした。

他の設問B〜Eも同様に、幼稚園や保育所でのワンシーンであることが問題から分かります。

このように「障害者差別解消法」が教育、保育の現場で関わってくることから、保育士試験に出題されたということになります。
そして今回の問題は、法律の概要を知っていれば解けるような問題だったということです。

平成29年後期「社会福祉」、平成31年前期「教育原理」に出題されていることから、今後も出題される可能性がありますね。

「障害者差別解消法」ポイントまとめ

・合理的配慮の提供=社会のバリアを取り除くこと
・教育、保育の現場で関わることから出題されている


平成30年後期試験
「幼保連携型認定子ども園教育・保育要領」


「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」は勉強していても、「幼保連携型認定子ども園教育・保育要領」は聞いたこともなかったという方も多いと思います。

教材に載っていないこともあるため、そんなものもあったのねという感想をお持ちの方も少なくないと思います。

平成26年告示、平成27年施行の新しいもので、「保育所保育指針」の改定と「幼稚園教育要領」の改訂と同時に、平成29年3月に改訂されました、

改訂理由としては、「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」と整合性を図るためです。

平成30年後期試験での出題は穴埋め問題でしたが、内容を知らなくても幼保連携型認定子ども園のことを学んでいれば解ける問題でした。

・集団生活の経験年数が異なる子どもが一緒に生活をしていること
・満3歳以上の子どもは学級を編成して教育を行うこと
・子ども一人一人の発達のために適切な環境を構成し、工夫をすること

このようなことを知っていれば、答えを導くことができます。

「幼保連携型認定子ども園教育・保育要領」は内閣府ホームページで確認することができます。

細かく出題されることはあまり考えられないので、第1章の総則の部分と、「幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説」の2〜6ページ目の改訂の要点を確認する程度で十分だと思います。


「幼保連携型認定子ども園教育・保育要領」ポイントまとめ

・今後の試験に出題される可能性は低い
・解説の「改訂の要点」を確認する