(2022.12.20更新)
保育士試験に興味があり、これから受けてみたいと考えているかた向けの内容です。
そもそも保育士試験とはどういうものかを紹介します。

保育士試験は国家試験

まず、保育士資格は国家資格ですから、保育士試験は国家試験となります。
国家試験とは、国や、国から委託を受けた自治体などが実施するものです。

保育士試験は各都道府県が実施しています。
「児童福祉法」第18条の8第2項「保育士試験は、毎年一回以上、都道府県知事が行う」とあるように都道府県知事が行うことになっています。
そうすると「各都道府県で保育士試験の内容が違うのか?」と考えますよね。

しかし、第18条の9第1項では、「都道府県知事は保育士試験の事務の全部または一部を行わせることができる」としており、実際には一般社団法人 全国保育士養成協議会が47都道府県知事から委託されて保育士試験を実施しています。
よって、どこの都道府県でもこの全国保育士養成協議会が作成した共通の試験問題が出されています。

そして、試験に合格したあと保育士として働くためには、各都道府県の保育士名簿に登録をする必要があります。
登録すると都道府県知事が保育士証を交付することになっています。
実技試験の合格通知が到着してから自分で登録申請を行い、2ヶ月 〜3ヶ月で保育士証が届きます。
こちらは私の保育士証です。
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試験の方法

保育士試験は筆記試験の一次試験、実技試験の二次試験という構成です。
筆記試験に合格すると実技試験を受けることができます。
実技試験は造形(絵)、音楽(弾き歌い)、言語(素話)の3つから2つを選択します。

筆記試験はマークシート方式で記述問題はありません。
各教科20問(教育原理、社会的養護は10問ずつ)で、6割正解すると合格です。
9つの科目があり、全ての科目で6割以上点をとらなければなりません。

9科目を同時に合格する必要はなく、落とした科目のみを次回再受験することができます。
合格した科目は免除され3年間有効になるので、3年間ですべての科目を合格することが受験生の目標と言えます。
ただ、教育原理、社会的養護はセット科目なので、どちらかが合格点に達しても次回の試験で免除にはなりません。
同一試験でこの2科目の両方を合格しなければならないのが難しいところです。


保育士試験の日程

平成27年までは年に1回の試験で、8月筆記試験、10月実技試験という日程でした。
平成28年から年に2回の試験となり、前期・後期という名称で行われています。

前期試験は4月筆記試験、6〜7月実技試験
後期試験は10月筆記試験、12月実技試験
となっています。
筆記試験は2日間、実技試験は1日で行われます。

また自治体によっては「地域限定保育士試験」というものを設定しています。


地域限定保育士試験とは

「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律」が平成27年に成立し、平成27年から地域限定保育士試験が始まりました。
保育士不足解消と自治体における人材確保が目的です。

受験資格は通常の保育士試験と同じで、その自治体に住んでいなくても受験が可能です。
また通常の保育士試験で合格している科目は免除されるので、まだ合格していない科目のみの受験でOKです。

メリット
・実技試験がなく、代わりに実技講習会を受けることで合格となる


デメリット
・受験し合格すると3年間はその自治体でしか働けないという縛りがある(3年経つと全国で働けるようになる)
・神奈川県の試験においては独自で作成しているので対策を考えなければならない



神奈川県独自地域限定保育士試験

大阪府などが実施している地域限定保育士試験も一般社団法人 全国保育士養成協議会が実施しており、筆記試験は通常の保育士試験(後期試験)と同じ問題です。

しかし、神奈川県独自地域限定保育士試験とは、その名の通り神奈川県が独自に実施していている保育士試験です。
つまり、全国保育士養成協議会が作成している問題ではなく、神奈川県が独自に問題を作成しているということです。
このブログでも神奈川県独自地域限定保育士試験対策をしていきますので、解答解説を作っていきます。


以上、保育士試験概要でした。
今後は受験資格、科目の内容や難易度、合格率などを書いていきます。