(2022.8.5更新)
中央教育審議会答申の過去問を分析します。

平成31年前期試験問題

平成31年前期(問9)は「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)」からの出題で、2箇所の穴埋め問題でした。
学習指導要領の次期改訂が目指す理念を実現するためには、教育課程全体を通した取組を通じて、教科横断的な視点から教育活動の改善を行っていくことや、学校全体としての取組を通じて、教科等や学年を超えた組織運営の改善を行っていくことが求められているとしており、教育活動や組織運営など、学校全体の在り方の改善において核となる教育課程の編成、実施、評価及び改善という「( A )」の確立が必要であることが示されている。
こうした( A )は、次のような側面から捉えることができる。
・ 各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校の教育目標を踏まえた教科横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと。
・ 教育内容の質の向上に向けて、子供たちの姿や地域の現状等に関する調査や各種データ等に基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連の( B )を確立すること。
・ 教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること。

(組み合わせ)
        A                B   
1 クオリティ・マネジメント    インテリジェンス・サイクル
2 クオリティ・マネジメント    PDCAサイクル
3 リスク・マネジメント       PDCAサイクル
4 カリキュラム・マネジメント   PDCAサイクル
5 カリキュラム・マネジメント   インテリジェンス・サイクル

まず、用語が2つしかないBの方から考えます。
Bの前に「教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連の」とありますので、いわゆるPDCAサイクルということに気づくことができます。
PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善) を繰り返して、業務改善や品質向上を図るという一般的な言葉です。

もう一つの用語「インテリジェンス・サイクル」とは、意思決定をする際に必要な情報を集めて整理することです。
例えば保育士試験に向けて勉強する際に、ネットの様々な情報(私が書いているこの保育士試験合格応援ブログなど)の中から情報を取捨選択し、有効かどうかを考えるといった行動をとることです。

次にAを考えます。
全て「〇〇マネジメント」という言葉が共通しているため、ここには何らかの手法が入ることになります。
Aの前に「核となる教育課程の編成、実施、評価及び改善」とあり、BのPDCAサイクルと同様のことが書かれています。
つまり、Aに当てはまる言葉=「PDCAサイクルを回すという手法」ということになります。
そして「教育課程」という言葉がありますので、教育課程を意味するカリキュラムに結びつけますと「カリキュラム・マネジメント」が答えとなります。

このようにして、A=カリキュラム・マネジメント、B=PDCAサイクルを前後の文章から予想することができます。
しかし、確実に答えるためには、やはり答申の内容を知っておく必要があります。

勉強方法

この「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)」には、「カリキュラム・マネジメント」「PDCAサイクル」という言葉が何度も出てきます。
そのため、一度この答申を読んでおくだけでも、何となく頭に残る言葉なのではないかなと思います。
何度も出てくる言葉は資料のキーワードになるので、そこで「カリキュラム・マネジメントって具体的にどういうことだろう?と疑問に思い、勉強することが大事です。
カリキュラム・マネジメントについては、この答申の中で説明されています。
新しい時代に必要となる資質・能力を子供たちに身に付けさせるためには,それぞれの学校において,子供や地域の実態に基づき,カリキュラムを自分たちで作りだし,PDCAサイクルをまわしていくというカリキュラム・マネジメントに取り組むことが必要である。
カリキュラム・マネジメントを推進していくためには,カリキュラムは与えられるものであるという意識を改革し,カリキュラムを作り出し,評価・改善するという取組が求められる。
ここが最も分かりやすい部分です。
カリキュラムは与えられるものではなく作り出すものであること、評価、改善する取り組み(=カリキュラムをマネジメントすること)が必要ということですね。
ここまで勉強ができていれば、この問題に対して迷わず解くことができますね。