過去10回の試験に出題された中央教育審議会答申の5つの問題を分析します。
今回で最後です。

平成27試験問題

平成27年の試験は「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」からの出題で、3箇所の穴埋め問題でした。
今まで分析した5問の出題の中で最も難しく、内容を知っていなければ間違えてしまうような問題でした。

① 幼児期の教育から高等教育まで体系的にキャリア教育を進めること。その中心として、基礎的・( A )能力を確実に育成するとともに、社会・職業との関連を重視し、実践的・体験的な活動を充実すること。

② 学校における職業教育は、基礎的な知識・技能やそれらを活用する能力、仕事に向かう意欲や( B )等を育成し、専門分野と隣接する分野や関連する分野に応用・発展可能な広がりを持つものであること。職業教育においては実践性をより重視すること、また、職業教育の意義を再評価する必要があること。

③ 学校は、生涯にわたり社会人・職業人としての( C )を支援していく機能の充実を図ること。

Aの選択肢は、実用的汎用的の2つ
Bの選択肢は、態度関心の2つ
Cの選択肢は、職業観育成キャリア形成の2つ

それぞれの選択肢は全て2つずつと少ないのですが、よく似た言葉が並んでおり、前後の言葉から推測して正しい選択肢を選ぶことが難しいです。

Aは、一つのことをさまざまな分野や用途に用いることができるということを意味する「汎用的」が入ります。
答申の本文の中では、「基礎的・汎用的能力」と2つをセットにしてあらわしています。
これについては、
「基礎的・汎用的能力」の名称については、「基礎的能力」とその基礎的能力を広く活用していく「汎用的能力」の双方が必要と考え、両者を一体的なものとして整理する。
と説明されています。

事前に答申を読んで、これを知っていなければよく分かりません。
もう一つの選択肢である「実用的」の方が何となくそれらしいので、間違えやすいと言えます。

Bは、「態度」が入ります。
「仕事に向かう意欲」と並ぶものですので「態度」と分かりますが、「関心」でも文章は通じるため内容を知らなければ間違えてしまいます。

Cは、「キャリア形成」が入ります。
もう一つの選択肢である「職業観育成」とは、何のために働くかといった価値観の育成であり、文章としてはこちらの言葉でも通じます。
しかしこの答申では、生涯にわたるキャリア形成が主な内容となっており、ここには「キャリア形成」が入ります。
キャリア形成という言葉は定義付けられていませんが、仕事におけるさまざまな能力を身につけていくということです。
 
また、この答申でおさえておきたいキーワードは「キャリア」「キャリア教育」「職業教育」です。
それぞれ以下のように説明されています。

▪️キャリア
人が生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ね

▪️キャリア教育
一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育

▪️職業教育
一定または特定の職業に従事するために、必要な知識、技能、能力や態度を育てる教育

 
さて、この「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」は非常に長く、序章と第1から第6章で構成されています。
今回の問題は、第1章「キャリア教育・職業教育の課題と基本的方向性」の1番最初のまとめから出題されています。
本文を全部読むのは大変なので、各章のまとめだけでも読んでおきたいところです。
また「答申概要」も重要なキーワードが載っているので、「答申概要」がある場合は先に読んだ方がわかりやすいかもしれません。

また、答申の名称に入っている言葉=その答申のポイントです。
名称を見て「キャリア教育って何?」「職業教育って何?」と疑問を持ち、答えを答申の本文や概要から見つけていくという学習もおすすめです。


答申の勉強方法まとめ

▪️答申が多い(100以上)ので、学校や子どもの教育がイメージできるものに絞る。

▪️答申のボリュームが多い場合はポイントや概要が示されているので、先にそちらに目を通す。

▪️内容を読み込むよりも、「この答申はこういうことが述べられている」ということが自分の言葉で言えるようにする。

▪️本文に何度も出てくる言葉や、答申の名称に入っている言葉がキーワードになるので、意味を答申本文から見つける。

▪️幼児期について述べられている部分が出題される可能性が高い。


これで「中央教育審議会答申」の問題分析は終了です。
出題されそうな答申は、「教育原理」に出題される「中央教育審議会答申」について①にいくつかあげていますが、具体的なことについては今後また書いていきたいと思います。

これからは「教育原理」に出題される人物をまとめていく予定です。