過去10回の試験に出題された教育原理の人物問題を分析します。

平成31年前期試験問題

平成31年前期試験は、人物問題が3問出題されました。
そのうち2問(問4、問5)は平成25年の教育原理と重なっているため、平成25年の過去問をやっておくと2問は答えられました。
また問6は全員正解となったので、きちんと過去問をおさえていけば3問ともとれていたことになります。

では、順番に見ていきます。




問4

問4は理論の人物を答える問題でした。
教育原理で最も出題される問題形式です。

正統的周辺参加は、それ自体は教育形態ではないし、まして教授技術的方略でも教えるテクニック
でもないことを強調しておくべきである。それは学習を分析的にみる一つの見方であり、学習という
ものを理解する一つの方法である。

1 デューイ(Dewey, J.)
2 ピアジェ(Piaget, J.)
3 レイヴとウェンガー(Lave, J. & Wenger, E.)
4 ブルーナー(Bruner, J.S.)
5 ブルーム(Bloom, B.S.)

キーワードは「正統的周辺参加」で、答えはレイヴとウェンガーとなります。

正しい答えを導くには3パターンあります。

①教科書で知る
教科書に載っていれば、他の人物と同様に覚えていけばよいだけです。
人物はとても多いので、文章で覚えず、2つ3つほどのキーワード暗記がおすすめです。

②過去問で知る
平成25年の「教育原理」にて「正統的周辺参加」が選択肢に並びました。

また、平成30年後期の「保育の心理学」問1にも、「正統的周辺参加」「レイヴとウェンガー」が出てきました。
つまり過去問をチェックしていれば、正統的周辺参加=レイヴとウェンガーであることが分かります。

③消去法
レイヴとウェンガーを知らなくても、他の選択肢のデューイ、ピアジェ、ブルーナー、ブルームは「ほぼ毎回出る人物」なので、この4人がどんな人物かは勉強できると思います。
その4人は「正統的周辺参加」が結びつかないので、消去法でレイヴとウェンガーを答えることができます。

毎回出題される人物ではないものの、何度か繰り返し出題されていますので、今後も出題される可能性があります。
また正統的周辺参加とは、簡単に言うと教えない教育です。
一般的には教師と生徒は、教える⇔教わって学ぶという関係ですが、正統的周辺参加は学習者は見て(参加して)学ぶということになります。
ドラゴンボールの亀仙人と悟空やクリリンの関係ですね。
亀仙人は具体的な戦い方を教えることはなく、悟空やクリリンは見て学んでいきます。
このように考えると、正統的周辺参加をイメージしやすいですね。

問5

問5はI群の記述とII群の人物を組み合わせる問題でした。

【I群】 
A 子育てについて具体的なたとえ話をまじえながら、庶民にもわかりやすく説いた。また、「知行合一説」を唱え、陽明学の普及に努めた。

B 階級や僧俗を問わず、一般庶民の子弟にも門戸を開いた「綜芸種智院」を創設した。 

C 「人の性は本善」であるという性善説の立場であった。「和俗童子訓」を著した。

【II群】
 ア 貝原益軒
 イ 中江藤樹
 ウ 空海
 エ 聖徳太子
 オ 大原幽学


キーワード学習で日本の人物をおさえていれば、

A 「知行合一説」は中江藤樹
B 「綜芸種智院」は空海
C 「和俗童子訓」は貝原益軒

と結びつきます。

また、この問題は平成25年教育原理の問5と似ています
【I群】 のA、Bは同じ内容で、【II群】に並んでいる人物も4人共通しています。
もう1人は林羅山が大原幽学になっただけです。
この過去問を見ていればばっちりですね。

ちなみに大原幽学とは、農民を導いた農村の指導者です。
先祖株組合という村ぐるみの組織を結成しました。

問6

問6は、19 世紀後半から 20 世紀初頭にかけての新教育運動に関する記述問題の◯×組み合わせでした。

A コメニウス(Comenius, J.A.)は、事物による教育を提唱し、絵入教科書「世界図絵」を作成した。

B デューイ(Dewey, J.)は、「為すことによって学ぶ(learning by doing)」ことの重要性を説き、子どもたちが経験を通して学習することを提唱した。

C ドルトン・プランは、パーカースト(Parkhurst, H.)によって開発されたプランである。

D キルパトリック(Kilpatrick, W.H.)は、自主的な問題解決に取り組ませるプロジェクト・メソッドを確立した。

(組み合わせ)  
  A B C D
1 ○ ○ ○ ○
2 ○ × × ○
3 × ○ ○ ○
4 × ○ × ○
5 × ○ × ×

◯×組み合わせ問題の解き方として、×の文章は全く異なるキーワードが入っていることがほとんどです。
例えばコメニウスの文章であれば、コメニウスではなく他の人物のキーワードが入るなどです。
もしキーワード以外の部分(言い回しなど)で引っかかる部分があっても、あまり気にしなくて大丈夫のようです。

この問題のキーワードを抜き出します。

「世界図絵」
「為すことによって学ぶ(learning by doing)」
「子どもたちが経験を通して学習する」
「ドルトン・プラン」
「プロジェクト・メソッド」

素直に読んでみると全て◯ですので、全て◯の選択肢である1を選びます。
デューイのキーワードが分かりにくいため、Bだけが◯か×か悩みます。
ただ、Bだけが×という選択肢がないため、Bは◯であると分かります。

今回この問題は「問題文に明確さを欠いた表現があるため」として、全員正解となりました。
これは、問題文にある「19 世紀後半から 20 世紀初頭にかけての新教育運動に関する」と書かれた部分が原因です。
このように書かれていると、A〜Dは全て同じ時代の人物と考えられます。
しかしコメニウスは17世紀の人物であるため、A自体の文章は正しくても、この時代にあてはまらないことになりAが×と判断される可能性があります。
ただ、◯×問題でこのような出題はありえませんので、その結果、全員正解という形になっています。
本来は全て◯の問題を作ったつもりだと思います。


次回は平成30年後期試験の人物問題の分析です。