過去10回の試験に出題された教育原理の人物問題を分析します。

平成30年後期試験問題

平成30年後期試験は、人物問題が2問出題されました。
問題数は少ないですが、問3に人物がかなり詰め込まれています。

では、順番に見ていきます。




問3

問3は正しいものを1つ選ぶ問題です。

1 ピアジェ(Piaget, J.)は、恩物によって子どもの活動を引き出すことを提唱した。
2 ロック(Locke, J.)は、子どもには生得的な観念があるとして、白紙説を否定した。
3 エレン・ケイ(Key, E.)は、世界で最初の幼稚園を創設した。
4 カイヨワ(Caillois, R.)は、遊びを4つの項目(競争、偶然、模擬、眩暈)に区分した。
5 オーエン(Owen, R.)は、シュタンツで孤児のための学校を経営した。

頭の中の記憶を整理しながら1つ1つ確かめます。

1 恩物といえばフレーベルですので×です。
2 ロックは白紙説を説いているので×です。
3 世界で最初の幼稚園を創設したのはフレーベルですので×です。
4 ?
5 シュタンツで孤児のための学校を経営したのはペスタロッチですので×です。

消去法で4を選び、この4が正しいものとなります。

平成31年前期試験の問4(レイヴとウェンガー)同様に「あまり聞き慣れない人物」であるカイヨワが答えとなりました。
カイヨワについては私が持っている参考書にも過去問をさかのぼっても出てこず、はっきり言って知らない人物です。
思うに、出題する側としては人物の出題がマンネリ化して、過去問と同じにならないように工夫した結果、こういった人物を取り入れたのかなと思います。
見たことがない人物が出てもおそらく一問につき1人だと思うので、消去法で解くことができますね。
今後も、レイヴとウェンガー、カイヨワ同様に、見慣れない人物の出題は続きそうです。(しかもそれが答えになる可能性大)

カイヨワについては、以下のようなキーワードをおさえます。

・著書『遊びと人間』
・遊びを6つに定義づけした
・遊びの内容ごとに4つの項目に区分した
    競争(アゴン)かけっこなど
    偶然(アレア)じゃんけんなど
    模擬(ミミクリ)ごっこ遊び
    眩暈(イリンクス)ブランコ、ジェットコースターなど

Eテレに自然界の似た者探しをテーマとした「ミミクリーズ」という、私の子どもが好きな番組があります。
番組のタイトルであるミミクリは、カイヨワのいうミミクリと同じで、模擬、模倣という意味です。
学習中に初めて見る言葉でも他の形で聞いたことがある場合があり、それと関連づけると覚えやすいです。

また、カイヨワと同様に「遊び」を研究した人物として、ホイジンガエリスチクセントミハイ等がいます。
著書まで読んでおくと記憶に残りやすいのですが、とりあえずキーワードだけでもおさえたいところです。


▪️ホイジンガ
ホモ・ルーデンス (中公文庫プレミアム)
ホイジンガ
中央公論新社
2019-01-22


・著書『ホモ・ルーデンス』
・「遊びは文化に先行する」と述べた
・遊びの形式特徴は大きく3つ
    自由な行為であること
    独立した行為であり、目的が必要のためではないこと
    日常生活から区別されるもの
    (この3つ以外にも、緊張、ルールなどが挙げられています)



▪️エリス


・著書『人間はなぜ遊ぶか』
・最適覚醒理論(遊びとは覚醒水準を最適状態に向けて高めようとしていくこと)




▪️チクセントミハイ

フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)
M. チクセントミハイ
世界思想社
1996-08-01


大人の遊びを研究
・時間も忘れるほど没頭する体験をフローと呼ぶ
・フロー体験の構成要素は8つ


最近の教育原理の人物問題は「今までほとんど出てきていない人物」を出題している傾向があるので、遊びに関した他の人物も押さえておくのがおすすめです。

問4

問4はI群の記述とII群の人物を組み合わせる問題でした。

【I群】
A 自宅の書斎の鈴の屋で、古典研究を行い、日本人らしさの探求をした。
B 松下村塾をひらき、儒学・史学・兵学を総合した人間教育を行った。
 
【II群】
 ア 伊藤仁斎
 イ 荻生徂徠
 ウ 本居宣長
 エ 吉田松陰
 オ 緒方洪庵

キーワード学習で日本の人物をおさえていれば、

A 「鈴の屋」は本居宣長
B 「松下村塾」は吉田松陰

と結びつきます。
本居宣長は平成27年、吉田松陰は平成29年前期と平成27年地域限定に出題されていますので、その過去問をおさえておくだけでも解くことができます。
 問題文に地名が出ることもあるので、松下村塾は山口県萩市、鈴の屋(鈴屋)は三重県松阪市と、それぞれ場所まで知っておくと確実です。

教育原理における日本の人物はそこまで多くないので、必ず正解したいですね。

次回は平成30年前期試験の人物問題の分析です。