神奈川県独自の地域限定保育士試験についても分析します。

平成29年神奈川県独自試験

平成29年神奈川県独自試験の問題はこちらにあります。
「教育原理」は人物問題が4問出題されました。
教科書や過去問を学習していれば、4問とも簡単に答えを選ぶことができます。
翌年の平成30年の人物問題は難しかったので、レベルをあげたのかもしれません。

では、順番に見ていきます。




問4

問4は、著書の一部から著者と著書名を選ぶ問題です。

「それで、ソクラテス、あなたはどんなふうに、それが何であるか自分でもまったく知らないような『当のもの』を探求するのでしょうか。というのもあなたは、自分が知らないもののなかで、どんなところに目標をおいて、探求するつもりでしょうか?あるいはまた、たとえその当のものに、望みどおり、ずばり行き当たったとして、どのようにしてあなたは、これこそ自分がこれまで知らなかった『あの当のもの』であると、知ることができるでしょうか?」

1 プラトン    『メノン』
2 アリストテレス    『政治学』
3 セネカ     『人生の短さについて』
4 ロック      『人間知性論』
5 ルソー     『エミール』


これはプラトンの著書『メノン』の一部です。

メノン (岩波文庫)
プラトン
岩波書店
1994-10-17



問題文に「ソクラテス」とあり、ソクラテスと関係があるのはプラトンなので一発で答えが分かりますね。
ソクラテスの弟子がプラトンという関係です。
選択肢にアリストテレスがありますが、プラトンが開校した「アカデメイア」の生徒がアリストテレスという関係です。
「ソクラテスとプラトン」「プラトンとアリストテレス」とそれぞれセットで覚えます。

また、著書名のメノンとは人物名です。
メノンがソクラテスに対して、「徳(道徳のようなもの)は人に教えられるものか」など様々な疑問を投げかけて対話している構成となっています。

ちなみにソクラテスは著書を残していません
このようなプラトンの著書などから、ソクラテスの思想が分かるということになります。

問5

問5は、ヴィゴツキーに関する記述のうち、誤っているものを選ぶ問題でした。

1 主著に『思考と言語』がある。

2 発達の最近接領域の概念の提唱者である。

3 子どもの文化的発達は社会的局面から心理的局面へと移行していくと考えた。

4 ピアジェの自己中心的ことばに関する学説を批判し、これを内言の発達における過渡的段階と位置づけた。

5 教科の構造に着目し、どの教科でも知的性格をそのままに保って、発達のどの段階のどの子どもにも効果的に教えることができるという仮説を提示した。

出ましたヴィゴツキー !!
この人物は「保育の心理学」の範囲の人物ですが、ちらほら「教育原理」にも出題されている要注意人物です。
平成27年試験問4の解説もご覧ください。

「教育原理」の範囲のみを勉強していれば、ヴィゴツキーなんて全く勉強してないよ?と焦ってしまいます。
ですが、誤っているものを選ぶという出題形式ですので、他の人物のことが1つ書かれているということになります。
そこで「教育原理で学習した覚えのある内容はないか」ということを考えます。
そうすると意外と簡単に見つかるのではないでしょうか。

答えは5で、これはブルーナーの思想です。
平成30年前期試験問3の解説もご覧ください。

また、こちらの解答テクニックにも説明していますが、「学習範囲外」の問題の解答は4か5であることが多いです。
もちろん全てではないのですが、全く知らないものが出た!分からないから適当にマークしよう!という時に4か5作戦は使えると思います。


問6

問6は、著書の一部から著者を選ぶ問題です。

 そこで、心は、言ってみれば文字をまったく欠いた白紙で、概念はすこしもないと想定しよう。どのようにして心は概念を備えるようになるか。(中略)これに対して、私は一語で経験からと答える。この経験に私たちのいっさいの知識は根底をもち、この経験からいっさいの知識は究極的に由来する。

1 プラトン
2 カント
3 スキナー
4 エリクソン
5 ロック


「白紙」というキーワードばあれば、迷わずロックです。
 
これはロックの著書『人間知性論』の一部です。
人間の精神はもともと白紙で、そこに経験や知識を与える教育によって観念(=物事に関する考え方)を構成していくとしました。

こんな簡単な問題でいいのか!?と文章をよく読んでしまうと不安になるので、キーワードに気づいたらその答えは変えないようにするのがポイントです。
問4の選択肢にもロックの『人間知性論』が出てきていますが、気にしないようにします。

問7

問7は、貝原益軒に関する記述を1つ選ぶ問題でした。

1 児童雑誌『赤い鳥』を創刊した。

2 東京女子高等師範学校付属幼稚園の主事を務め、『育ての心』を著した。

3 『和俗童子訓』を著し、年齢段階に応じた子どもの学習方法を示した。

4 石門心学の創始者とされ、『都鄙問答』を著した。

5 第1次伊藤内閣の下で、初代文部大臣に就任した。

貝原益軒は日本の人物に中で最も多く出題されています
ですので、どんなことをした人物かしっかりとおさえておく必要があります。

1 『赤い鳥』は鈴木三重吉ですので、×です。
    平成28年後期問6の解説もご覧ください。

2 これは倉橋惣三についての説明ですので、×です。
   倉橋惣三は著書『幼稚園真諦』からの出題が多いです。
   平成29年後期問4の解説もご覧ください。

3 ◯です。
『和俗童子訓』については、平成27年地域限定問7の解説もご覧ください。

4 石門心学は石田梅岩ですので×です。
   『都鄙問答(とひもんどう)』は松下幸之助が読んで人にすすめていたという本で、現代のビジネスマンも必読の内容だそうです。




5 初代文部大臣は森有礼ですので、×です。
   森有礼は「初代文部大臣」「小学校令、 中学校令、師範学校令、帝国大学令の公布」がキーワードとなります。


次回は、平成26年の再試験についての人物問題を分析します。