(2022.8.5更新)
平成26年の試験は私も受験したのですが、台風の影響で多くの地域で試験が延期となりました。
その当時は今と違って一年に一回(8月)実施されていました。

地域によって対応が異なっていたのが印象的でした。
・2日間とも延期(三重、奈良、和歌山、鳥取、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、熊本、大分、宮崎、鹿児島)
・2日目のみ延期(富山、石川、福井、岐阜、静岡、愛知、滋賀、京都、大阪、兵庫、島根)

延期された試験日は約2ヶ月後の10月だったので、「もう一度覚えなおさなければいけない」「また仕事の休みを調整しなければならない」などの声があがっていたことを覚えています。

全国保育士養成協議会では、自然災害等で中止になった場合は再試験を行わないとしていますが、多くの地域で実施できなかったので、延期として再試験を行ったということでしょうか。
自然災害での中止は安全面から考えてやむを得ないと思いますが、できれば延期などの措置をとっていただけると良いですね。



平成26年再試験

平成26年再試験は、人物問題が2問(問4、問5)出題されました。
8月に行われた平成26年試験も2問の出題だったので、再試験はレベルが同じになるように合わせたのかもしれません。
順番に見ていきます。

問4

問4は、著書の一部から著者を選ぶ問題です。
重要な要素は、発見をうながす興奮の感覚であるように思われる。ここで発見というのは、以前には気づかれなかった諸関係のもつ規則正しさと、諸観念の間の類似性を発見するということであり、その結果、自分の能力に自信をもつにいたるのである。科学や数学の教育課程を研究してきたいろいろなひとびとは、生徒が独力で発見する力がつくように導いてゆく胸をわくわくさせる順序で教えることによって、学問の基本的構造を生徒に提示することが可能であると主張している。


1 デューイ(Dewey, J.)
2 キルパトリック(Kilpatrick, W.H.)  
3 ブルーナー(Bruner, J.S.)
4 オーズベル(Ausubel, D.P.)
5 スキナー(Skinner, B.F.)

「発見」というキーワードがあれば、迷わずブルーナーです。
文章内に3ヶ所も出てきていますね。
こちらは、平成29年前期問8の解説もご覧ください。
ミッフィー(絵本作家ブルーナのキャラクター) が虫眼鏡で何かを発見しているところをイメージして覚えるといいですね。

また、この文章はブルーナーの『教育の過程』の一部です。
平成30年前期問3にも、この『教育の過程』の一部が出題されています。
どちらにも「教育課程」という言葉が出てくることもポイントです。
ブルーナーが学問中心の教育課程を提唱した人物であることもおさえます。

問5

問5はI群の人物とII群の人物説明を組み合わせる問題でした。
【I群】
A ラングラン(Lengrand, P.)
B フレイレ(Freire, P.)
C ニイル(Neill, A.S.)

【II群】
ア イギリスにサマーヒル・スクールを創設し、子どもの自由を尊重した教育実践を行った。  
イ ユネスコの成人教育推進国際委員会において、「生涯にわたって統合された教育」(lifelong integrated education)を提唱した。 
ウ ブラジルで土地をもたない貧農に対して識字教育を展開し、『被抑圧者の教育学』を著した。
 
 (組み合わせ)
     A B C
1 ア イ ウ
2 ア ウ イ
3 イ ア ウ
4 イ ウ ア
5 ウ ア イ

この問題の答えは4です。

A ラングラン(イ)
生涯学習を提唱した人物ですね。

B フレイレ(ウ)
問題文にあるように識字教育を行った人物で、ただ丸暗記するような教育(=銀行型教育)ではなく、学習者が主体となるような教育を提唱しています。
教師が知識の詰め込みを行うことを銀行の預金、学習者を金庫と例えて批判したということです。

C ニイル(ア)
フリースクールのもととなったサマーヒルスクールは記憶にも残りやすいのではないでしょうか。