平成23年試験問題

平成23年試験は人物問題が4問出題されました。
では、順番に見ていきます。


問4

問4は人物と人物説明を組み合わせる問題です。

【I群】
A ルソー(Rousseau, J.-J.)
B カント(Kant, I.)
C ロック(Locke, J.)
 
【II群】
ア 人間とは教育されなければならない唯一の被造物であります。
 
イ 万物をつくる者の手をはなれるときすべてはよいものであるが、人間の手にうつるとすべてが悪くなる。
 
ウ 健全な身体に宿る健全な精神、これはこの世における幸福な状態というものを、簡潔ではあるが十分に言い表わしている。
 
(組み合わせ)
   ABC
1アイウ
2アウイ
3イアウ
4イウア
5ウアイ

どれも教科書で見たことがあるキーワードだと思いますが、人物が混乱しないように注意します。
答えは3です。

A ルソーはイとなります。
エミール』の一部です。
知識を教え込まない方がいいという消極教育を提唱しています。

B カントはアとなります。
教育論』の一部です。
ルソーとは対照的に、人間は教育されなければならないと述べています。

Cロックはウとなります。
教育に関する若干の考察』の一部です。
健全な身体に宿る健全な精神」ということより、身体の教育を述べています。

混乱して分からなくなってきたら、解答テクニックを使って消去法で選択肢を消すのもおすすめです。
選択肢から一つしかないものを探すと、Aのウ、Bのイ、Cのアです。
そうすると、選択肢の1、4、5を消すことができ、残った2と3で考えることができます。


問5

問5は、ペスタロッチに関する記述のうち、誤っているものを1つ選ぶ問題です。

1初期の著作『隠者の夕暮』の冒頭で、「人間、玉座に坐っている人も、あばら家に住んでいる人も、同じであるといわれるときの人間、つまり人間の本質、それはいったい 何であろうか」と述べている。彼は、すべての人間は、その本質においてなんら変わることなく平等であり、尊ばれる存在であると考えた。

 2彼は、人間に本来備わっている根本的な能力を、精神力(頭)、心情力(心)、技術力 (手)の3つに分け、この3つの要素を調和的に発展させる教育を理想とした。

3彼は、教育の基礎を子どもの直観に置くことを提唱するとともに、それを実践した。 彼は、直観を構成する要素として、「数」、「形」、「語」をあげ、この直観の三要素に着目した教授法を考案したが、それは直観教授と呼ばれる。

4彼は、教授とは、新しい概念を子どもに確実に伝え、子どもがすでに内面化している概念と結びつけることであると述べ、学習者に即してその過程をみれば、明瞭−連合− 系統−方法という4段階になるとした。
 
5彼は、「生活が陶冶する」という有名な言葉を残した。

しっかり教科書学習ができていれば、4の4段階教授がヘルバルトであることがすぐに分かりますね。
5つの文章の内容は繰り返し出題されているものなので必ず覚えたいところです。

問6

問6は人物と教育思想を組み合わせる問題です。

【I群】
A ベル(Bell, A.)
B ソクラテス(Sōkratēs)
C デューイ(Dewey, J.)

【II群】
ア 助教法
イ 産婆術(助産術)
ウ 問題解決学習
エ 有意味受容学習
 
(組み合わせ)
  ABC
1アイウ
2アイエ
3イアエ
4ウエア
5エアウ

I群に比べて、II群が一つ多いという特徴がありますが、教科書学習で簡単に解けると思います。

Aベルはアの助教法、Bソクラテスはイの産婆術、Cデューイはウの問題解決学習ですので、答えは1ですね。
残った有意味受容学習はオーズベルです。
オーズベルの暗記方法については、平成28年前期問7の解説もご覧ください。

問7

問7は、倉橋惣三に関する記述のうち、誤ったものを選ぶ問題です。

1東京女子高等師範学校教授となり、附属幼稚園主事として活躍した。
 
2幼児の自発性を尊重した保育理論を展開し、「生活を、生活で、生活へ」という有名な言葉を残した。
 
3彼の幼児教育の方法は誘導保育と呼ばれる。
 
4彼は、子どもをおとなが導く必要性を主張し、「社会協力の訓練」を保育の目的、指導原理として明示した。
 
5代表的著作には、『幼稚園雑草』、『育ての心』、『幼稚園真諦』、『子供讃歌』などがある。

1から5を読むと、4の「子どもが大人を導く必要性を主張」「社会協力の訓練」という言葉が浮いていますね。
「導く」という言葉から誘導保育を連想しないように注意します。
これは社会中心主義を提唱した城戸幡太郎の説明です。

児童中心主義の倉橋惣三、社会中心主義の城戸幡太郎として覚えます。
城戸幡太郎は、児童の保護者にも教育を行うことを述べていることがポイントです。


これで過去問分析は終了です。
次回は出題回数ランキング順に、それぞれの人物の出るポイントをまとめたいと思います。