今回は出題回数第2位のルソー、第3位のロック、ペスタロッチ、フレーベルについての問題まとめです。
4人とも出題回数は多いのですが、出題のされ方はそれぞれに特徴があります。

■ルソー、ロック
選択肢に並ぶことが多いですが、ルソー・ロック自体の問題はあまり出てきていません。
ですので、例えば人物説明から人物を選ぶ場合、選択肢のルソーやロックは誤りであることが多いということです。

■ペスタロッチ
ペスタロッチ自体が問題となっていることが多く、特に著書からの出題がほどんどです。

■フレーベル
人物説明重視で、著書の一部からの出題はまだありません。

つまり、この中ではペスタロッチの著書を重点的に学習するのがよさそうです。
では、順番に見ていきます。





第2位(12回)ルソー

調べた16回の試験のうち12回出題されたのはルソーです。
しかし、ルソーは選択肢に並ぶことが多いだけで、ルソーの問題自体はほとんど出てきていません

ルソーに関する問題は3回のみで、全て著書『エミール』からの出題です。
よって、ルソーについては『エミール』の内容を学習しておくといいですね。


『エミール』のポイント
・エミールという少年が成長していく物語風の教育書
・教育を3種類(自然の教育、人間の教育、事物の教育)に分けている
・子どもは自ら学び成長する力がある
・知識を教え込まない方がいいという消極教育を提唱
・教育の男女平等ということは書かれておらず、女性は読み書きよりも実用的なことを重視するとしている(男女で異なる教育を行うということ)


出題された『エミール』の一部 です。

この教育は、自然か人間か事物によってあたえられる。わたしたちの能力と器官の内部的発展は自然の教育である。この発展をいかに利用すべきかを教えるのは人間の教育である。わたしたちを刺激する事物についてわたしたち自身の経験が獲得するのは事物の教育である。


万物をつくる者の手をはなれるときすべてはよいものであるが、人間の手にうつるとすべてが悪くなる。



第3位(9回)ロック

ルソー同様、ロックに関する問題もあまり出題されていません。
そのほとんどが「白紙」というキーワードがあり、迷わずロックと分かる問題でした。
「白紙」については著書『人間知性論』で述べられています。

『人間知性論』のポイント
・人間の精神は本来白紙(タブラ・ラサ tabula rasa)のようなものであるとした
・人間の精神はもともと白紙で、そこに経験や知識を与える教育によって観念(=物事に関する考え方)を構成していく


出題された『人間知性論』の一部 です。


そこで、心は、言ってみれば文字をまったく欠いた白紙で、概念はすこしもないと想定しよう。どのようにして心は概念を備えるようになるか。(中略)これに対して、私は一語で経験からと答える。この経験に私たちのいっさいの知識は根底をもち、この経験からいっさいの知識は究極的に由来する。


また、著書『教育に関する若干の考察』からも出題されています。
『教育に関する若干の考察』のポイント
・精神と身体の関係性が重要
・健全な身体、道徳、知識を持った紳士であるべき(紳士教育)


出題された『教育に関する若干の考察』の一部 です。
健全な身体に宿る健全な精神、これはこの世における幸福な状態というものを、簡潔ではあるが十分に言い表わしている。




第3位(9回)ペスタロッチ  

ルソーやロックと異なり、ペスタロッチに関する問題は多く出題されています。
実質、デューイの次に出題が多い人物です。

教科書では多くのキーワードが載っていますが、過去問では「直観教授」が出題されています。
教育の基礎を子どもの直観に置き、 直観を構成する要素である「数」、「形」、「語」といった三要素に着目した教授法です。

また、ペスタロッチは著書の問題がほとんどであり、これまで『白鳥の歌』『シュタンツ便り』『隠者の夕暮』『ゲルトルートは如何にしてその子を教えたか』が出題されています。


『白鳥の歌』のポイント
・「生活が陶冶する」=生活(社会や人間関係)が人間を育てる
・頭(精神)、心(心情)、手(技術)の能力を調和して発展させることが教育の目的や課題


出題された『白鳥の歌』の一部 です。
知的観点においては、基礎陶冶の理念は、その教育原則を「生活が陶冶する」という全く同じ言葉で言うことができる。道徳陶冶が本質的にわれわれ自身の内的直観から、すなわちわれわれの内的本性に生き生きと語りかける諸印象から出発するのと同様に、精神陶冶はわれわれの外的感覚に語りかけ、活気づける対象の直観から出発する。自然はわれわれの感覚の印象全般を、われわれの生活に結びつける。われわれの外的認識すべては、その生活の感覚の印象の結果である。




『シュタンツ便り』のポイント
・ペスタロッチ自身がシュタンツ(スイス)に孤児院を開き、そこで実践した教育(道徳教育)について述べられている
・実際にペスタロッチが友人に宛てた手紙がもとになっている手紙形式の文章


出題された『シュタンツ便り』の一部 です。
私は彼らとともに泣き、彼らとともに笑いました。彼らは世界も忘れ、シュタンツも忘れて、私のもとにおり、私もまた彼らのもとにおりました。彼らのスープは私のスープであり、彼らの飲み物は私の飲み物でした。私には何もなく、所帯もなく友人も召使 も誰も私の身のまわりにはいませんでした。私にはただ、子供たちだけがおりました。 彼らが健康なときは、私は彼らの真ん中にいました。彼らが病気のときは、私は彼らのそばにいました。私は夜は一番最後にベットに就き、 朝は一番早く起きました。私はベットのなかでも彼らが寝つくまで彼らとともに祈り、そして教えました。彼らはそうすることを望んだのです。二重感染の危険にさらされながら、私は彼らの着物や身体のほとんどどうしようもない汚れの世話をしてやりました。



『隠者の夕暮』のポイント
・王も住まいがない者も同じ人間であり、平等であること
・すべての人間は、その本質においてなんら変わることなく平等であり、尊ばれる存在であること


出題された『隠者の夕暮』の一部 です。
玉座の上にあっても木の葉の屋根の蔭に住まっても同じ人間、その本質からみた人間、一体彼は何であるか。何故に賢者は人類の何ものであるかをわれらに語ってくれないのか。 何故に気高い人たちは人類の何ものであるかを認めないのか。農夫でさえ彼の牝牛を使役 するからにはそれを知っているではないか。牧者も彼の羊の性質を探究するではないか。

人間、玉座に坐っている人も、あばら家に住んでいる人も、同じであるといわれるときの人間、つまり人間の本質、それはいったい 何であろうか



ゲルトルートは如何にしてその子を教えたか』のポイント
・ブルグドルフでの自身の教育をまとめた教育書

著書名のみの出題だけで、まだ著書からの出題はありません。




第3位(9回)フレーベル

「ドイツの教育学者」、教育遊具である「恩物」、「世界で最初の幼稚園を創設した」、「自己活動と労作の原理を中心とした教育の理論」「神性」などのキーワードが出題されています。

著書は『人間の教育』と『母の歌と愛撫の歌』が出題されましたが、内容が出題され、著書の一部から著者を選ぶ形式の問題は出題されていません。


『人間の教育』のポイント

・幼児にとって最も大切なのは遊びである
・子どものすべての活動は神的なものの自己表現であり、創造的な活動である
・全ての人間に神性が宿る子どもの中にある神性をどのようにして伸ばしていくか



『母の歌と愛撫の歌』のポイント

・父親母親のために書かれた育児書


次は、第6位のブルーナー  、コメニウス、キルパトリック、第9位のヘルバルトのまとめです。