【2022.7.31更新】
今回からは毎回出題されている「教育に関する用語」について見ていきます。
これまで、評価、カリキュラム、生涯学習、持続可能な開発など、いろいろな種類が出題されています。
教科書学習の範囲外の部分もありますのでしっかりと復習して、今後の出題に備えたいところです。
今回は、文部科学省の記述とヘッドスタート計画について見ていきます。



文部科学省の分野

平成31年前期(問7)は、文部科学省について不適切な記述を選ぶ問題でした。
1 教育職員の養成並びに資質の保持及び向上に関する事務をつかさどる。
2 スポーツ庁と文化庁が外局として置かれている。
3 少子高齢社会への総合的な対応に関する関係行政機関の事務の調整に関する事務をつかさどる。
4 学校環境の整備に関する指導及び助言に関する事務をつかさどる。
5 科学技術に関する研究及び開発に関する計画の作成及び推進に関する事務をつかさどる。

難しい印象を受ける問題です。
教育原理の中でも特殊な問題と言えます(ですが、どんな問題が出てもしょうがないと思ってしまうのが教育原理ですね・・・)
知識として、文部科学省は教育、科学技術・学術、スポーツ、文化の4つの分野があることを知っているか、または少子高齢化=厚生労働省をイメージすることができれば3が誤りであることに気づきます。
1、4、5の内容は文部科学省設置法の中で確認でき、2は文部科学省の組織図で確認できます。
誤りの3については、厚生労働省の業務となります。
こちらは厚生労働省の内部組織に関する訓令に含まれています。

このような問題は非常に珍しいですね。
文部科学省、厚生労働省がそれぞれどのような業務を行っているか興味を持ち、確認しておきたいですね。

ヘッドスタート計画

ヘッドスタート計画は2問出題され、どちらも説明文から語句を選ぶ問題でした。

平成30年後期(問7)
経済的にめぐまれない貧困家庭の幼児に教育、医療、栄養および社会的サービスを含む総合的援助を提供する。小学校入学の時点で同一のスタートラインにたてるようあらかじめ格差を解消しておくことを目的としている。ジョンソン大統領によって始められたアメリカ合衆国の補償教育事業である。貧困の悪循環を断って、平等な教育の機会を提供するものである。

平成23年(問8)
アメリカにおいて、経済的・文化的に恵まれない貧困家庭の子どもに対し、教育、医療、栄養および社会的サービス等を含む総合的援助を提供する連邦政府の事業である。貧困家庭の子どもたちが小学校に入学したとき、通常の家庭の子どもたちと同一の学習準備段階に立てるように、あらかじめ文化的格差を解消しておくことを目的とする。そのため、貧困家庭の子どもたちに、特別の就学前教育を提供する。1965 年から始まり、さまざまな形態をとりながら今日まで継続している。テレビ番組「セサミストリート」も、この事業において開発、制作されたものである。

それぞれの問題文にある「アメリカ」「貧困家庭の幼児(子ども)」「小学校入学」というキーワードが見つけられたらヘッドスタート計画と分かりますね。
ヘッドスタート計画はアメリカの貧困家庭の就学前の子どもに対する援助です。

これらの問題の他の選択肢も簡単に説明します。
▪️ドルトン・プラン        パーカースト、個別学習
▪️ウィネトカ・プラン     ウォッシュバーン、自学自習が基本
▪️チャーター・スクール  民間運営の公立学校
▪️統一学校運動                全ての国民が平等に教育を受けられるようにする運動(ドイツ、フランス)
▪️教育効果促進計画         ニューヨークの教育計画
▪️教育優先地域計画         イギリスの教育計画

次回は「持続可能な開発」「評価」について見ていきます。