今回は、過去16回の教育原理の試験に4回出題された「持続可能な開発」に関連した問題を見ていきます。

分析済み
今回の分析

平成31年前期

文部科学省の記述

不適切な記述を選ぶ

平成30年後期

ヘッドスタート計画

適切なものを選ぶ


持続可能な開発

適切な略称を選ぶ

平成30年前期

絶対評価

×組み合わせ


持続可能な開発

×組み合わせ

平成29年後期

教育職員免許状

穴埋め


経験カリキュラム

×組み合わせ

平成29年前期

形成的評価

×組み合わせ

平成28年後期

持続可能な開発

穴埋め

平成28年前期

教育改革国民会議、臨時教育審議会、教育刷新委員会

正しい組み合わせ

平成27年地域限定

形式陶冶

×組み合わせ

平成27

教科カリキュラム、経験カリキュラム

正しい組み合わせ

平成26年再試験

ICT

適切な略称を選ぶ


キー・コンピテンシー、社会人基礎力、人間力

正しい組み合わせ


ドルトン・プラン

正しいものを選ぶ

平成26

絶対評価

×組み合わせ


持続可能な開発

適切なものを選ぶ


寺子屋

不適切な記述を選ぶ


特別支援学校

◯×組み合わせ

平成25

ポートフォリオ評価

適切なものを選ぶ

平成24

生涯教育

適切な記述を選ぶ

平成23

ヘッドスタート計画

適切なものを選ぶ

平成30年神奈川県

生涯学習

穴埋め

平成29年神奈川県

経験カリキュラム、隠れたカリキュラム、教科カリキュラム

正しい組み合わせ

認定こども園

不適切な記述を選ぶ





「持続可能な開発」

「持続可能な開発」に関する問題は最近よく出ていますので、見慣れた用語と言えます。

では「持続可能な開発」とは何でしょうか?
これは将来の環境を損なわずに経済を発展させていこうとする理念で、1987年に国連の「環境と開発に関する世界委員会」が提唱したものです。
イメージとしては、例えば、資源や地球を守るということ、人間・社会・環境・経済がバランス良く共生することなどということです。

「持続可能な開発のための教育」

「持続可能な開発のための教育」とは「持続可能な開発」の理念を実現するための人材を育成する教育です。
これは2002年に日本が提案したものということがポイントです。

まず平成26年は、(        )にあてはまる言葉を選ぶ問題でした。
「(持続可能な開発)のための教育」を国際的な立場から推進することを提唱したのは日本政府である。2002 年9月に開催された(持続可能な開発)に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグ・サミット)での日本の提案に基づき、同年 12 月の第 57 回国連総会において、2005 年から 2014 年までの10 年を「国連(持続可能な開発)のための教育の10 年」とし、ユネスコをその主導機関とするとの決議が採択された。

国内実施計画では、「(
持続可能な開発)のための教育」の目指すべきは、「地球的視野で考え、 様々な課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組み、持続可能な社会づくりの担い手となる」よう個々人を育成し、意識と行動を変革することとされている。また、 人格の発達や、自律心、判断力、責任感などの人間性を育むという観点、個々人が他人、 社会、自然環境との関係性の中で生きており、「関わり」、「つながり」を尊重できる個人を育むという観点が必要であるとされている

「持続可能な開発のための教育」の内容や経緯が説明された問題文ですね。
実際にこの試験を受けましたが、全く勉強外の内容でしたので固まってしまいました
これ以降、「持続可能な開発」に関する問題は繰り返し出題されるようなっていきます。


平成28年後期は、穴埋めの組み合わせ問題でした。
現在、世界には、環境・貧困・人権・平和・開発といった様々な地球規模の課題があります。
ESDとは、地球に存在する人間を含めた命ある生物が、遠い未来までその営みを続けていくために、これらの課題を自らの問題として捉え、一人ひとりが自分にできることを考え、実践していくこと(think globally, act locally)を身につけ、課題解決につながる( A )を生み出し、( B )を創造していくことを目指す学習や活動です。

                         (組み合わせ)      
                 A                            B
1   価値観や行動             多様性を尊重する社会
2    成長戦略                  高度に経済発展した社会
3 秩序や社会システム    高度に経済発展した社会
4    成長戦略                   持続可能な社会
5   価値観や行動             持続可能な社会

「持続可能な開発のための教育」は英語表記で「Education for Sustainable Development」となるため、このようにESDという略称でも出題されています。

問題文にESDがありますので、「持続可能な開発のための教育」を説明した文章ということが分かります。
持続可能な開発を実現するための教育ということですから、Bに入るのは「持続可能な社会」と判断します。
選択肢が4と5に絞られますね。
そしてAの前に「一人ひとりが自分にできることを考え」という部分があるので、これから判断して「価値観や行動」を選ぶことができます。
この問題はESDが何かを知っていればBが分かり、そしてAも文章から判断することができます。

もしAもBも全く分からないというときは以前紹介した解答テクニックを使い、選択肢に一つしかないものを消すことができます。
そうすると、選択肢1と3は消え、2、4、5から選ぶことができます。
これ以上は絞ることができないのですが、選択肢を減らすことができるのは得策ですね。

また、この文章は今日よりいいアースへの学びからの出題です。
ESDは今後も出題される可能性が高いので、このページは要チェックです。(特にまだ出題のない神奈川県独自試験)


続いて平成30年前期は、「持続可能な開発のための教育」に関する◯×組み合わせ問題でした。
A 国際連合は、2005 年から 2014 年までを「国連持続可能な開発のための教育の10 年 (UNDESD)」とし、ユネスコ主導のもとESDの重要性を提唱した。 
 
B 持続可能な社会では、一人一人が社会の一員として、人間・社会・環境・経済の共生をめざし、生産・消費や創造・活用のバランス感覚を持つことが求められる。
 
C 持続可能な社会を構築するためには、生産活動と消費活動を優先することが重要であり、「生産消費型」社会の形成を目指している。
 
  (組み合わせ)  

   A B C
1 ○ ○ ○
2 ○ ○ ×
3 ○ × ○
4 × ○ ×
5 × × ○

一見、「持続可能な開発のための教育」の具体的な内容を知らなければ解けないような問題です。
しかし「持続可能な開発」とは将来の環境を損なわずに経済を発展させていこうとする理念であることから、地球や資源を守るというような理念に基づいているかどうかという視点で考えれば解くことができます。

1 ◯ 平成26年の問題文にある通りです。
2 ◯ 一例として、大量に生産・消費するのではなく、適切な量の生産・消費というバランスが望ましいということがあります。
3 ×  「生産消費型」はESDの理想とは反する内容です。ESDの推進により、資源を大切にし、再利用や再生を行う「循環型社会」を目指しています。
ESDの推進から、今後「循環型社会」というキーワードも出題が考えられます。


「持続可能な開発目標」

そして、平成30年後期は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられている「持続可能な開発目標」の略称を選ぶ問題でした。
1 ODA
2 OECD
3 MDGs
4 SDGs
5 ESD

消去法でも難しく、ただ知っているかどうかというところです。
新しい教科書を購入しましたが、それにはここまでは載っていませんでした。

まず、選択肢1、2、5は消去できます。
ODA (政府開発援助)とOECD(経済協力開発機構)は常識的に違うということが分かります。
また、ESDはすでに何度も出ているように「Education for Sustainable Development」の略で、「持続可能な開発のための教育」ですね。
よって、残りのMDGs、SDGsのどちらかというところまで絞ることができます。
 
この2つはどちらも持続可能な開発のための目標です。
MDGs=ミレニアム開発目標 とは2015年までの達成目標
SDGs=持続可能な開発目標 とは成功したミレニアム目標を受け継ぎ、2030年に向けた17項目の目標です。
(それぞれ、エムディージーズ、エスディージーズと読みます。)

よって、この問題の答えは4ですね。
日本の自治体や企業もSDGsを達成するためにさまざまな取り組みをしています。
例えば、資源の有効活用、環境汚染対策、食料の寄付(廃棄を減らす)などがあります。


今後の出題

教育原理という科目上、やはり教育に関する内容が出題されやすいため、持続可能な開発の中でも「持続可能な開発のための教育」に関する問題が最も出題されやすいと感じます。

今日よりいいアースへの学び
日本ユネスコ国内委員会

などのページも目を通しておきたいところです。

また、平成30年前期のようなESDの内容の◯×問題など、全く見たことが無いような問題でも、「持続可能な開発」とはどういう状態を理想とするかということを考えると、答えがイメージできると思います。


「持続可能な開発」まとめ
・ 「持続可能な開発」とは資源を守り、人間・社会・環境・経済がバランス良く共生すること
・ESDとは「持続可能な開発」の理念を実現するための人材を育成する教育
・SDGs(持続可能な開発目標)を達成するために日本の企業もさまざまな取り組みを行なっている
・2019年神奈川県独自試験は出題可能性が高い
・ESDの推進から、再利用や再生を行う「循環型社会」というキーワードもおさえる



次回は「評価」について見ていきます。