今回は、過去16回の教育原理の試験に4回出題された「評価」に関連した問題を見ていきます。

分析済み
今回の分析


平成31年前期

文部科学省の記述

不適切な記述を選ぶ

平成30年後期

ヘッドスタート計画

適切なものを選ぶ


持続可能な開発

適切な略称を選ぶ

平成30年前期

絶対評価

×組み合わせ


持続可能な開発

×組み合わせ

平成29年後期

教育職員免許状

穴埋め


経験カリキュラム

×組み合わせ

平成29年前期

形成的評価

×組み合わせ

平成28年後期

持続可能な開発

穴埋め

平成28年前期

教育改革国民会議、臨時教育審議会、教育刷新委員会

正しい組み合わせ

平成27年地域限定

形式陶冶

×組み合わせ

平成27

教科カリキュラム、経験カリキュラム

正しい組み合わせ

平成26年再試験

ICT

適切な略称を選ぶ


キー・コンピテンシー、社会人基礎力、人間力

正しい組み合わせ


ドルトン・プラン

正しいものを選ぶ

平成26

絶対評価

×組み合わせ


持続可能な開発

適切なものを選ぶ


寺子屋

不適切な記述を選ぶ


特別支援学校

◯×組み合わせ

平成25

ポートフォリオ評価

適切なものを選ぶ

平成24

生涯教育

適切な記述を選ぶ

平成23

ヘッドスタート計画

適切なものを選ぶ

平成30年神奈川県

生涯学習

穴埋め

平成29年神奈川県

経験カリキュラム、隠れたカリキュラム、教科カリキュラム

正しい組み合わせ

認定こども園

不適切な記述を選ぶ





評価の種類

評価とは、生徒の理解度や目標達成の度合いを判定するということですね。

教育の評価は次の6種類があります。

・絶対評価
・相対評価
・診断的評価
・形成的評価
・総括的評価
・ポートフォリオ評価

教育原理ではどの評価も出題される可能性があるので、一つ一つ違いを確認したいと思います。


絶対評価と相対評価

まず、絶対評価を言い換えると「目標に準拠した評価」です。
他者や集団は関係なく、個人が目標をどれくらい達成できたかという評価となります。
例えば保育士試験は絶対評価です。
それぞれの科目は6割以上で合格としており、受験生のうち上位何パーセントが合格というわけではありません。


また、相対評価を言い換えると「集団に準拠した評価」です。
集団の中で自分がどの位置にいるかということを評価するものです。
例えば大学などの入学試験は基本的に相対評価です。
受験者の集団の中で、上位◯◯人が合格ということになります。
(ただし定員割れの学校の場合は絶対評価となります)

これを理解しておくと、絶対評価・相対評価の問題が簡単に解けます。

平成26年は、絶対評価の◯×組み合わせ問題でした。
A 絶対評価は、学習成果の評価にあたって、教育の目標に対してどこまで達成していかを明らかにする評価である。

B 絶対評価は、評価者の主観が入る余地がないため、公平であることが求められる入学試験などではこの評価基準が採用される。

C 絶対評価は、集団内における個人の位置を明示するものであり、集団全体の達成状況との比較において個人の達成状況を明らかにすることができる。

D 絶対評価は、集団に準拠した評価ともいわれ、集団の質によって結果が左右されるため、客観性や信頼性に乏しいという指摘もある。

E 個に応じた指導の充実を図るため、小・中学校では、絶対評価を取り入れ児童生徒各個人の目標達成度をきめ細かに評価する試みが進められている。
 
A ◯ 目標に準拠した評価ということですね。
B ×  これは相対評価の説明です。
C ×  集団に準拠した評価は相対評価です。
D ×  集団に準拠した評価は相対評価です。
E ◯ 小・中学校では相対評価から絶対評価へと変わってきています。



平成30年前期も、絶対評価の◯×組み合わせ問題でした。
A 子ども同士を比較して、どちらが優れているかを評価する。
B 集団に準拠した評価であり、集団の質によって結果が左右される。
C 個々の学習者が、教育目標のどこまで到達したかを評価する。

A × 他者との比較は相対評価です。
B × 集団に準拠した評価は相対評価です。
C◯ 個人の目標の達成度を評価するのは絶対評価です。


診断的評価・形成的評価・総括的評価

ブルームは、集団授業で学習者全員が学習内容を完全に習得する「完全習得学習(マスタリー・ラーニング)」という理論を提唱しました。
この完全習得学習を可能にするための適切な評価としてあげたのが、診断的評価、形成的評価、総括的評価の3つです。

この3つの評価は、それぞれ実施時期や目的が異なります。

評価

実施時期

目的

診断的評価

指導前に行う             

生徒の理解状況を見るため

塾の入塾テスト

形成的評価

指導の途中で行う

生徒の理解度を見るため

授業後の確認テスト

総括的評価

最終的な指導後に行う

生徒の学習成果を確認したり、成績をつけるため

学期末テスト



これまでの保育士試験では、形成的評価が出題されました。

平成29年前期は、形成的評価の◯×組み合わせ問題でした。
A 形成的評価は学習過程における学習の達成状況を評価するものである。

B 学習活動において、即時的な評価活動、たとえば発言・挙手などで学習者の理解度を把握することも形成的評価ととらえることができる。

C ブルーナー(Bruner, J.S.)は、形成的評価を組み込んだ完全習得学習(マスタリー・ラーニング)という授業モデルを提唱した。

A ◯ 学習終了時ではなく、学習過程(学習の途中)というところがポイントです。
B ◯ 授業中の生徒の反応によって、生徒の理解度が確認できます。
C × ブルーナーではなく、ブルームですね。これは平成29年前期の問8で解説している通りです。



ポートフォリオ評価

ポートフォリオ評価とは、例えば道徳などの点数評価ができない科目について、生徒の授業態度や発言、提出物などから評価するものです。

平成25年は、(       )に適切な言葉を選ぶ問題でした 。 
答えはポートフォリオ評価となりますね。 
(         )とは、児童生徒の学習記録や作品、感想などを時間の経過に沿ってファイルなどに整理保管して評価に利用する方法であり、個人内評価の一つである。この整理保管などを児童生徒が行うことで評価に参加させ、自らの学習の到達や課題を客観的にとらえさせることにより、学習意欲を高め自発的に学習を進めていくことにつながる。

他の選択肢は、プロジェクト・メソッド 、開発教授、発見学習、正統的周辺参加です。

プロジェクト・メソッド  
キルパトリックの提唱した学習方法で、人物問題に数回出ています。
生徒自身が課題を設定し、目的→計画→遂行→判断・評価という4段階で、自主的に問題解決に取り組む方法です。
最初に目的、最後に評価があることがポイントです。


開発教授
ペスタロッチの考えをもとにした教育方法です。
知識の詰め込みではなく、子どもの自発性を尊重して、能力を開発していこうというものです。
高嶺秀夫が日本に普及させています。
高嶺秀夫はこれまで出てきていない人物のところで紹介しましたが、そろそろ登場しそうな気がします。


発見学習
人物問題に何度も出題されているブルーナーの教育方法です。
一方的に知識を与える方法ではなく、子どもが自分で発見していくような指導を重視するものです。


正統的周辺参加
レイヴとウェンガーの教育方法です。
教えずに、見て(参加して)学ばせるものです。
 

今後の出題

6種類の評価はどれも出題される可能性があります。
特に絶対評価・相対評価の混ざった問題は、問題も作りやすいと思うので出題しやすいかなと思います。
これまでの問題は、それぞれの評価の意味が分かれば解ける問題でしたので、評価が出てきたらラッキー!というところですね。

「教育の評価」まとめ
・診断的評価 、形成的評価、総括的評価は完全習得学習を可能にするための適切な評価として、ブルームが提唱したもの。
・絶対評価は目標に準拠した評価、相対評価は集団に準拠した評価

次回は「カリキュラム」について見ていきます。