今回も、先日の神奈川県独自試験の教育原理を見ていきます。

問題構成はこのようになっています。

1

資料

特別支援教育の推進

2

人物

プラトン

3

人物

ペスタロッチ

4

人物

カイヨワ

5

人物

松野クララ

6

人物

城戸幡太郎

7

諸外国の教育制度

イギリスの教育制度

8

用語

エンゼルプラン

9

用語

PISA

10

中央教育審議会答申

アクティブ・ラーニングなど


今回の試験は人物問題が5問もあり、人物問題ができたかどうかで合否が決まるような試験でした。
人物問題の学習が非常に重要だったということですね。
これまで保育原理の範囲の人物が出題されていた問6、問5と見てきましたが、それ以外の人物問題も確認します。
神奈川県試験をしっかり解いておくことは、全国共通試験の対策にもなると思います。

今回は問4です。


問4

次の文の著者として正しいものを一つ選びなさい。

さまざまの可能性を検討した結果、その目的を達成するために、私はここに四つの項目による区分を提案したい。すなわち遊びにおいては、競争か、偶然か、模擬か、眩暈か、そのいずれかの役割が優位を占めているのである。私はそれを、それぞれアゴン〔Agôn ギ リシア語、試合、競技〕、アレア〔Alea ラテン語、さいころ、賭け〕、ミミクリ〔Mimicry 英 語、真似、模倣、擬態〕、イリンクス〔Ilinx ギリシア語、渦巻〕と名づける。これら四つはいずれも明らかに遊びの領域に属している。

1 カイヨワ(Caillois, R.)
2 ピアジェ(Piaget, J.)
3 ホイジンガ(Huizinga, J.)
4 グロース(Groos, K.)
5 エリクソン(Erikson, E.H.)

答えは1のカイヨワです。

問題文を見て「あ、カイヨワの説明文だ!!」という人と「誰!?教科書にもいなかったよね??」という人と分かれると思います。

確かにカイヨワは教科書に出てこない人物なのですが、平成30年後期試験「教育原理」に出題された人物です。
しかもカイヨワはただ選択肢に並んでいただけでなく問題の答えとなっていたので、その時の試験でかなりの存在感があった人物でした。
よって、過去問を解いていた方はカイヨワを覚えていたはずです。

カイヨワについては、平成30年後期試験でまとめていますように、以下のようなキーワードをおさえます。

・著書『遊びと人間』
・遊びを6つに定義づけした
・遊びの内容ごとに4つの項目に区分した
    競争(アゴン)かけっこなど
    偶然(アレア)じゃんけんなど
    模擬(ミミクリ)ごっこ遊び
    眩暈(イリンクス)ブランコ、ジェットコースターなど

遊びを研究し、遊びを4つの項目に分けた人物です。
Eテレの「ミミクリーズ」を知っている方は、特にミミクリという言葉を覚えやすいですね。

過去問を解いていて教科書に出てこない人物がいた場合、「どんな人物か」「どんな人物と関係があるか」というところまで調べておくと、再び出題された時に対応できます。


では、選択肢の他の人物も見ていきます。

■ピアジェ

人物別出題ポイント④にありますように、ピアジェは今までの「教育原理」に5回登場していますが、問題の答えにはなっていません。
「教育原理」ではなく「保育の心理学」の重要人物ですので、10問しかない「教育原理」の問題の答えとなることはまずないと思われます。

■ホイジンガ

ブログを読んでくださった方は、ホイジンガが記憶にあるかもしれません。
今まで出てきていない人物予想で、ホイジンガをあげました。

これは、カイヨワとホイジンガが「遊び」研究としてつながりがあったからです。
平成30年後期試験に書いていますように、カイヨワと同様に「遊び」を研究した人物として、ホイジンガ、エリス、チクセントミハイ等がいます。
特にカイヨワの『遊びと人間』は、ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』に影響を受けていますので、今回の問題はホイジンガが選択肢に並んだということになります。

ホイジンガのキーワード
・著書『ホモ・ルーデンス』
・「遊びは文化に先行する」と述べた
・遊びの形式特徴は大きく3つ
    自由な行為であること
    独立した行為であり、目的が必要のためではないこと
    日常生活から区別されるもの
    (この3つ以外にも、緊張、ルールなどが挙げられています)

■グロース

保育士試験に初めて登場する人物で、教科書にも出てきません。
グロースはドイツの哲学者で、心理学の中で遊びを研究した人物です。
『人間の遊戯』『遊戯』などの著書があります。

グロースは、遊びとは将来の生活のために本能的に行われるものとしています。
つまり生活の準備のために遊びを行うとしており、例えばままごと遊びで料理をしたり人形の世話をしたりするのは、将来のための練習ということです。

ホイジンガ同様、遊び研究というつながりでグロースも出題されたということになります。

■エリクソン

人物別出題ポイント④にありますように、ピアジェ同様「教育原理」ではなく「保育原理」「保育の心理学」に出題される人物です。
8つの発達段階を提唱した人物で、この人物も「教育原理」の答えにはなりにくいです。



以上、問4についての解説でした。
この問題には、カイヨワ、ホイジンガ、グロースという教科書に載っていない人物が3人登場しました。
しかし、カイヨワは最近の過去問に出ているので問題としては簡単でした。
この3人には「遊び研究」という共通点があり、これからもまた出題される可能性があるため、まとめて覚えておきたいです。
 
次回は、教育原理の問3を解説する予定です。