(2021.2.26更新)

平成31(2019)年神奈川県独自試験「教育原理」の問3を確認します。
この試験は人物問題が多く、これまで出題されていない人物も多く出てきたことが特徴です。
内容を復習することで今後の人物対策につながります。



問3

次の文の著者として正しいものを一つ選びなさい。

わたしはここに、あらゆる合自然的な教育の基本的原則、すなわち「生活が陶冶する」という原則をもって、基礎的な陶冶手段が人間陶冶に対して深く関与することを研究しよ うと志しているわれわれの試みの成果を、道徳的・精神的ならびに身体的の点に関して眺めてみよう

1 アウグスティヌス(Augustinus, A.)
2 ヒル(Hill, P.S.)
3 ブルーナー(Bruner, J.S.)
4 ペスタロッチ(Pestalozzi, J.H.)
5 ソクラテス(Sōkratēs)

答えは4のペスタロッチです。
生活が陶冶する」は教科書にも載っている基本的な用語なので簡単でしたね。
この問題は著書『白鳥の歌』の一部で、最近では平成28年前期試験も『白鳥の歌』からの出題でした。
その時の問題については平成28年前期試験問4の解説もご覧ください。

ペスタロッチは平成23年~最新の「教育原理」に9回も登場しています。
そして、この問題のように、問題の答えとなりやすいという特徴もあります。
つまり選択肢にペスタロッチが並んだ場合、ペスタロッチが答えになる確率が高いということです。
ペスタロッチに関する過去問は、こちらの人物別出題ポイント②にまとめていますのでご覧ください。


では、選択肢の他の人物も見ていきます。
アウグスティヌス、ヒルは教育原理に初めて登場した人物です。

■アウグスティヌス

保育士試験初登場の人物ですね。
紀元300年代のキリスト教哲学者で、プラトンのイデア論をキリスト教に取り入れる思想を持ちました。
今回は問2のプラトンから連想される人物として、アウグスティヌスが登場したと思われます。

■ヒル

「教育原理」では初登場ですが、「保育原理」(平成31年前期)に出題された人物です。

その時のヒルに関する問題文です。
D アメリカの進歩主義的保育を代表する指導者で、形式化したフレーベル主義を批判し、のちに自身の名前が付けられる大型積み木を考案した。

ヒルはアメリカの女性教育家で、1890年代、保守的なフレーベル主義を批判し、進歩主義として幼稚園改革を行うことになります。
問題文にあるように、ヒル積み木というものを考案した人物です。
モンテッソーリやフレーベルの積み木が小型であったことに対して、ヒルの積み木は大型という特徴があります。

また、このヒルという人物は幼稚園の校長でもあり、姉と一緒に幼稚園の子どもたちに多くの曲を作っていました。
そのうちの一つが「Good Morning to All」という歌で、その後は歌詞が変えられて世界で有名な「Happy Birthday to You」として今も歌われています。
誰もが知る「Happy Birthday to You」の曲を作った人物というのは驚きですね。

■ブルーナー  

平成23年~最新の「教育原理」には7回登場しており、やや出やすい人物という印象です。
ブルーナーについては平成30年前期試験問3で解説していますように、覚えたいキーワードがいくつかあります。

・発見学習
・発達のどの段階のどの子どもでも効果的に教えることができる
・教育課程


ブルーナーの理論を簡単に説明します。
一方的に知識を与える方法ではなく、子どもが自分で発見していくような指導をすると、幼児でも高校生で学ぶレベルの内容を習得することができる、ということです。
つまり、学問の構造(本質)を教育者が教え込むのではなく、子どもが自分で考えて発見するということを重視しています。

■ソクラテス

人物別出題ポイント④に書いていますように、ソクラテスは著書を残していないため、著者を選ぶ問題の選択肢にソクラテスがあった場合はすぐに消去することができます。
今回はまさに著書の一部からの出題でしたので、ソクラテスは真っ先に消去できますね。



以上、問2についての解説でした。
この問題には、アウグスティヌス、ヒルという教育原理には初めて登場する人物が出てきました。
今回の試験では知らなくても答えを選ぶことができますが、人物は広く学習して準備しておきたいですね。
 
 
次回は、教育原理の問2を解説する予定です。