今まで過去の問題をピックアップして分析してきましたが、直近の一回分をまとめ、おさえておきたい重要ポイントを取り上げていきます。
それぞれの問題に対して簡単なポイントを書いていますので、まだ知らない内容がないかどうかチェックできます。

平成31年前期 社会的養護の問題
問題構成はこのようになっています。
法律、指針(ガイドライン)、用語、施設の専門職、そして社会福祉の範囲からの問題と、かなり広い範囲にわたる内容となっていました。

1

法律

「児童福祉法」及び「児童虐待の防止等に関する法律」の平成28年改正内容

2

基準

「里親が行う養育に関する最低基準」

3

法律

親権

4

指針

「児童養護施設運営指針」

5

指針

「情緒障害児短期治療施設運営指針」

6


施設職員に求められるソーシャルワークの援助技術

7


社会的養護自立支援事業

8

指針

「社会的養護関係施設における親子関係再構築支援ガイドライン」

9

基準

専門職の配置

10


事例


問2の里親の最低基準、問6の援助技術については、予想外の問題です。
幅広く勉強しても、もっと広範囲から出題されるということを実感する試験でした。

この中でまた出題されそうなのが、この4問に関する内容です。

問1 平成28年改正内容
問3 親権
問7 社会的養護自立支援事業
問9 専門職の配置

問題によっては個別ページですでに解説をしていますので、そちらもご覧ください。


問1   平成28年の改正内容

問題の解説はこちらです。


ポイント

・要保護児童について、児童相談所から市町村へ問題を送るようにした(市町村から児童相談所への事案送致はもともと定められていた)→児童相談所と市町村でそれぞれ適切な役割分担をすることが目的

・市町村が設置する要保護児童対策地域協議会の調整機関には専門職を置く

・一時保護中の18歳以上の者が20歳になるまでの間、入所措置等ができるようにした

・児童虐待の疑いがある保護者に対し、再出頭要求をしなくても、裁判所の許可状で児童相談所の取り調べが行われるようになった→児童相談所の権限強化

・虐待防止のため、市町村に母子健康包括支援センター(通称 子育て世代包括支援センター)の設置を努力義務とした


問2 「里親が行う養育に関する最低基準」

「児童福祉法」に基づいた「里親が行う養育に関する最低基準」が定められています。
見慣れない基準ですが、20条からなる短いものなのでさっと目を通しておきたいです。

問題は第4条の一般原則からの出題でした。

「里親が行う養育は、委託児童の自主性を尊重し、基本的な生活習慣を確立するとともに、豊かな人間性及び社会性を養い、委託児童の自立を支援することを目的として行われなければならない。」
 
 ポイント
里親委託においては、自主性の尊重、 生活習慣の確立、自立の支援が原則


問3 親権

問題の解説はこちらです。


ポイント

・児童相談所長は、一時保護が行われた児童で、子どもの親などの親権を行う者等がいない者に親権を行うことができる
・ 児童相談所長は、一時保護が行われた児童で、子どもの親などの親権を行う者等がいても監護措置ができる

・子どもの親などは監護措置を不当に妨害できない
・児童相談所長は、親権喪失、親権停止、管理権喪失の裁判の請求ができる

問4  児童養護施設運営指針

問題の解説はこちらです。
 

児童養護施設だけでなく、社会的養護共通の原理が出題されました。

子ども期のすべては、その( 年齢 )に応じた発達の課題を持ち、その後の成人期の人生に向けた準備の期間でもある。社会的養護は、未来の人生を作り出す基礎となるよう、子ども期の健全な心身の発達の保障を目指して行われる。
特に、人生の基礎となる乳幼児期では、( 愛着関係  )や基本的な信頼関係の形成が重要である。子どもは、( 愛着関係 )や基本的な信頼関係を基盤にして、自分や他者の存在を受け入れていくことができるようになる。( 自立  )に向けた生きる力の獲得も、健やかな身体的、精神的及び社会的発 達も、こうした基盤があって可能となる。

ポイント
・子ども期は、年齢に応じた発達課題を持つこと
・乳幼児には、愛着関係や基本的な信頼関係が重要であること


問5 情緒障害児短期治療施設運営指針

問題の解説はこちらです。



ポイント
・心理療法は、保護者の意向に合わせるのではなく、治療の目的に合わせて行う
・子どもへの治療は、経験主義ではなく、医学的、心理学的、社会学的というさまざまな観点から、アセスメント(援助活動を行う前の評価)を行う


問6 ソーシャルワークの援助技術
「社会福祉」の範囲の問題です。

ケースワーク、アウトリーチ、ソーシャルアクション、ネットワーキング、ソーシャル・アドミニストレーションのそれぞれの用語の意味を知っておく必要がありました。

ポイント
ケースワーク              ソーシャルワークのうち個別の相談援助
アウトリーチ              利用者を待つだけでなく、地域などに出向く
ソーシャルアクション 問題解決のために行政機関にはたらきかける
ネットワーキング        個人や家族に関連する人たちをネットワークで結んで連携する
ソーシャル・アドミニストレーション  社会福祉を合理的、効率的に運営する


問7 社会的養護自立支援事業


問題の解説はこちらです。


ポイント

目的、実施主体、対象者、事業内容、職員配置をおさえる

■目的
里親委託や施設入所の措置を解除となったものが、22歳の年度末まで継続して自立のための支援を受けられるもの
 

■実施主体
都道府県、指定都市、児童相談所設置市

■対象者
里親・ファミリーホームの委託、施設等で入所措置を受けていたもの

■事業内容
継続支援計画作成、居住支援、生活費支給、生活相談、就労相談

■職員配置
継続支援計画作成→支援コーディネーター
生活相談→生活相談支援担当職員
就労相談→就労相談支援担当職員


問8 社会的養護関係施設における親子関係再構築支援ガイドライン
問題の解説はこちらです。


ポイント
・児童相談所と施設が連携して親子関係の再構築について取り組んでいる
・親への支援、子への支援、親子への支援がそれぞれある
・親に対しては、指導するのではなく、一緒に子育てをしていくような気持ちで支援する
・入所中の支援だけでなく、退所時や退所後の支援も継続して行われる

問9 専門職の配置
ポイント

■母子支援員               
母子生活支援施設に配置義務
 
■心理療法担当職員     
児童心理治療施設に配置義務
それ以外では、乳幼児10人以上を入所させる乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、児童自立支援施設にも、10人以上に心理療法が行われる場合に配置義務

■児童指導員
児童養護施設、児童心理治療施設、障害児入所施設、児童発達支援センターに配置義務
乳児院は条件によって配置可能
 
■児童福祉司
児童相談所に配置義務

問10 事例

養育里親を希望していることを児童相談所に相談している内容でした。

ポイント
養育里親に年齢制限はない



以上、平成31年前期の社会的養護の問題内容を紹介しました。
次は平成31年前期「教育原理」をまとめます。