前回は、平成30年神奈川県独自試験「社会的養護」問6「保育所等訪問支援」の問題を解説しました。
保育所等訪問支援事業については、前回詳しく説明しています。


今回も同じ「保育所等訪問支援」が出題されている、平成30年神奈川県独自試験「児童家庭福祉」問18を解説します。
「社会的養護」「児童家庭福祉」の範囲は重なっているので、どちらの科目からも出題されることがあるということですね。





平成30年神奈川県独自試験
次の文は、保育所等訪問支援に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 保育所等訪問支援は、「児童福祉法」に規定される障害児通所支援の一つとして位置づけられている。

B 保育所等訪問支援における専門的な支援としては、訪問する施設の職員に対する支援方法の指導等だけではなく、障害児本人に対する集団生活適応のための訓練等も行われる。

C 乳児院は入所型施設であるため、保育所等訪問支援における訪問先にはなっていない。

D 障害児が通う保育所は、保育所等訪問支援の利用の必要性を感じてもその利用申請を行うことはできない。

(組み合わせ)
   ABCD
1〇〇×〇
2〇〇××
3〇×〇〇
4×〇××
5××〇×


この問題は設問Dが迷いやすいため、1か2で迷うところです(正答は1)。
一つ一つ確認していきます。


A 保育所等訪問支援は、「児童福祉法」に規定される障害児通所支援の一つとして位置づけられている。

→◯

「児童福祉法」第6条の2の2では「障害児通所支援」と「障害児通所支援事業」を定義しています。
 第6条の2の2 
この法律で、障害児通所支援とは、児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援及び保育所等訪問支援をいい、障害児通所支援事業とは、障害児通所支援を行う事業をいう。




B 保育所等訪問支援における専門的な支援としては、訪問する施設の職員に対する支援方法の指導等だけではなく、障害児本人に対する集団生活適応のための訓練等も行われる。

→◯

 保育所等訪問支援の効果的な実施を図るための手引書」の10ページにあるように、子どもへの「直接支援」、スタッフへの「間接支援」を行う事業です。


C 乳児院は入所型施設であるため、保育所等訪問支援における訪問先にはなっていない。

→×

これまでは保育所等に通っている障害児に対する支援でしたが、児童福祉法の改正によって、通所だけでなく入所の児童も対象となりました。
よって、乳児院や児童福祉施設に入所する障害児も対象となります。

保育所等訪問支援は「児童福祉法」第6条の2の2第6項で定められています。
 第6条の2の2第6項
    この法律で、保育所等訪問支援とは、保育所その他の児童が集団生活を営む施設として厚生労働省令で定めるものに通う障害児又は乳児院その他の児童が集団生活を営む施設として厚生労働省令で定めるものに入所する障害児につき、当該施設を訪問し、当該施設における障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援その他の便宜を供与することをいう。


D 障害児が通う保育所は、保育所等訪問支援の利用の必要性を感じてもその利用申請を行うことはできない。

→◯

「〜することはできない」という言い回しは×であることが多いのですが、ここでは◯となります。
 保育所等訪問支援の効果的な実施を図るための手引書」の7ページに、利用する保護者が申請を行うこと、保育所等の施設からは申請を行えないということがはっきりと述べられています。
これは、保護者が訪問支援の必要性を感じているかということが重視されるからです。
ただ、施設から保護者へ実施を提案することは可能です。
 

手引書を読んでしっかりと理解する


このように保育所等訪問支援について、平成30年神奈川県独自試験では「社会的養護」「児童家庭福祉」の2科目で、内容面が細かく出題されました。

・法的根拠→「児童福祉法」に障害児通所支援として定義付け
・対象者→障害児とその訪問先のスタッフ
・訪問先→保育所などの通所施設と乳児院などの入所施設
・申請者→保護者のみ
・訪問支援員の資格→児童指導員、理学療法士、作業療法士、心理担当職員


この辺りをおさえておくと、今後の出題に対応できそうですね。
念のため「保育所等訪問支援の効果的な実施を図るための手引書」の5〜15ページの「保育所等訪問支援とは」の部分を読んで、支援内容をしっかりと理解しておきたいです。

次回は平成26年試験問5「児童福祉施設の長の権限」に関する問題を解説します。