後期試験「社会福祉」の問10(雇用保険制度の問題)が分かりにくいということをツイッターで見たので確認してみました。
どのような点がわかりにくいかというと、設問Cの場合に求職者給付を支給されるかどうかということです。
状況説明が不足しているようではありますが、解答は3で良さそうです。


社会福祉 問10

問 10 次の文は、雇用保険制度に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合 の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 雇用保険の失業等給付には、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付の4つがある。

B 求職者給付には、病気やけがの場合の医療費の給付が含まれている。

C 求職者給付は、求職の申し込みをしてから疾病または負傷のために求職活動することができなくなった場合には、支給されない。

D 雇用保険の費用は、労働者の支払う保険料だけであり、その保険料は給料から天引きされる。

(組み合わせ)

   A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ○
5 × × × ○

まず、この設問CとDを見て最初に気になるのは言い回しです。
Cでは「支給されない」という否定的な表現をしていますね。

解答テクニックにも書いていますように、支援を限定するような内容は、もし本当であればわざわざ問題に出題されにくいです。
支援を必要とする人のための公的サービスを意味する「社会福祉」において、もし支援がされない場合があるような場合は問題として出題しないと考えます。
よって、Cは×と考えられます。

また、Dは「だけ」という限定した表現をしていますね。
もしこの文章が正しければ、
「雇用保険の費用は、労働者が支払う保険料であり、その保険料は給料から天引きされる。」
というふうに、「だけ」をつける必要がありません。
わざわざ「だけ」をつけていますので、Dも×と考えられます。

この時点で、内容を知らなくても選択肢の3を選ぶこともできますね。

解答テクニックの記事はこちらです。
 





では、設問を1つずつ見て内容を確認していきます。


A 雇用保険の失業等給付には、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付の4つがある。

→◯

文章の通りです。
ハローワークのホームページにある、こちらの図で確認できますね。




B 求職者給付には、病気やけがの場合の医療費の給付が含まれている。

→×

求職者給付とは、求職者が失業中に生活の心配をしないでいいように、そして新しい仕事を探して再就職できるように支給されるものです。
医療費の給付はありません。



C 求職者給付は、求職の申し込みをしてから疾病または負傷のために求職活動することができなくなった場合には、支給されない。

→×

こちらの問題が分かりにくいと言われています。

言い換えますと、
「求職者がハローワークに行って求職の申し込み(=最初の手続きである求職者給付を受け取る申請、ハローワークでの仕事探し)をしたあとで、病気やケガで求職活動をできなくなった場合に、求職者給付は支給されない。」

という文章ですね。

つまり、求職者給付を受け取るための申請を行ったあと、ケガや病気ですぐには働けなくなった場合はどうなるかということです。

こちらもハローワークのホームページで確認できます。


傷病手当とは、受給資格者が離職後、公共職業安定所に来所し、求職の申込みをした後に15日以上引き続いて疾病又は負傷のために職業に就くことができない場合に、その疾病又は負傷のために基本給付の支給を受けることができない日の生活の安定を図るために支給されるものです。

14日以内の疾病又は負傷の場合には基本手当が支給されます。)

傷病手当の日額は基本手当の日額と同額です。


つまり、
・すぐに仕事に就くことができない期間が14日以内であれば、求職者給付のうち「基本手当」が支給される
・すぐに仕事に就くことができない期間が15日以上になった場合は、求職者給付のうち「傷病手当」が支給される

ということですね。

病気やケガで求職活動ができなくなり、それが15日以上となってしまって「基本手当」が支給されなくなっても、「傷病手当」の支給で生活を支えることができるということです。

また、この事例では求職の申し込み後についてですが、求職の申し込み前に病気やケガをすると傷病手当は支給されません。
ですが、基本手当の受給期間が延長され、基本手当を支給されることになります。

問題文では傷病手当や受給期間の延長についてまでは述べられてはいませんが、結果的に「求職者給付」は支給されるので、この文章は×ということです。


D 雇用保険の費用は、労働者の支払う保険料だけであり、その保険料は給料から天引きされる。

→×

労働者分の保険料は給料からの天引きという部分は合っています。
ただ、雇用保険は労働者だけでなく、労働者と会社(事業主)の双方が負担します。

また、健康保険と厚生年金は労働者と事業主で半分ずつ負担しますが、雇用保険は事業主が多く負担するということも念のためおさえたいです。




以上、問10についての解説でした。
これまで「社会福祉」において雇用保険に関する問題はあまり出題されていませんでしたが、前回の平成31年前期試験にて出題があったので、過去問を解く中で、いかに深く学んでいたかというところがポイントになります。
 
そして、文章の言い回し(問題作成者がどのように誤りを作ったかということ)でも、文章の誤りをある程度見極めることができます。
内容が分からなくても、「これは誤りを含んだ文章の言い回しだ」と判断することができるということです。

 
今後はしばらく後期試験を解説していきます。