引き続き「教育原理」について個々の問題を見ていきます。
問題はこちら

問題構成はこのようになっていました。

1

法律

「教育基本法」第11

2

法律

「学校教育法」第24

3

法律

「学校教育法」第23

4

人物

ペスタロッチ著書「シュタンツだより」

5

人物

イリイチ、フレイレ、フレネの組み合わせ

6

人物

オーズベル、ブルーナー  、スキナーの組み合わせ

7

日本の教育制度

並び替え

8

中央教育審議会答申

「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習 指導要領等の改善及び必要な方策等について」(平成 28 年)

9

法律

「幼稚園教育要領」第1 1

10

通知

「特別支援教育の推進について」


今回は問3の「学校教育法」第23条についてです。


問3  学校教育法 第23条


次のA~Dのうち、「学校教育法」第 23 条の一部として正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。

B 日常の会話や、絵本、童話等に親しむことを通じて、言葉の使い方を正しく導くとともに、相手の話を理解しようとする態度を養うこと。

C 身近な社会生活、生命及び自然に対する興味を養い、それらに対する正しい理解と態度及び思考力の芽生えを養うこと。
 
D 健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。

(組み合わせ)
1 A B
2 A D
3 B C
4 B D
5 C D

条文が出題される場合は、穴埋め形式以外にも、このように内容面を問うような形式で出題される場合があります。
それぞれの文章自体は不適切な内容ではないのですが、「学校教育法」第23条以外の条文が混ざっているということです。

まず、「学校教育法」の第3章(第22条から第28条)は幼稚園について定めています。

第22条  幼稚園の目的
第23条  第22条の目的を達成するための目標
第24条  第22条の目的のための具体的な方法
第25条  幼稚園の教育課程
第26条  幼稚園の対象年齢
第27条  幼稚園の職員
第28条  幼稚園の職員

つまり第23条は幼稚園の目標について定めており、以下のように5つを定めています。

第23条
幼稚園における教育は、前条に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
 
一 健康、安全で幸福な生活のために必要な基本的な習慣を養い、身体諸機能の調和的発達を図ること。
二 集団生活を通じて、喜んでこれに参加する態度を養うとともに家族や身近な人への信頼感を深め、自主、自律及び協同の精神並びに規範意識の芽生えを養うこと。
 身近な社会生活、生命及び自然に対する興味を養い、それらに対する正しい理解と態度及び思考力の芽生えを養うこと。
四 日常の会話や、絵本、童話等に親しむことを通じて、言葉の使い方を正しく導くとともに、相手の話を理解しようとする態度を養うこと。
五 音楽、身体による表現、造形等に親しむことを通じて、豊かな感性と表現力の芽生えを養うこと。
 
このように第23条は幼稚園の目標ですので、問2では幼稚園の目標以外のものが混ざっているということになります。

問題文を一つずつ見ていきます。

A 生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。 

→×
これは「学校教育法」第21条第9項です。
幼稚園ではなく、第2章 義務教育についての内容となります。
美術や文芸、芸術という言葉は第23条(幼稚園)にはありません。


B 日常の会話や、絵本、童話等に親しむことを通じて、言葉の使い方を正しく導くとともに、相手の話を理解しようとする態度を養うこと。

→◯
第23条第4項です。
幼稚園の目標の1つですね。


C 身近な社会生活、生命及び自然に対する興味を養い、それらに対する正しい理解と態度及び思考力の芽生えを養うこと。

→◯
第23条第3項です。
幼稚園の目標の1つですね。


D 健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。

→×
これは「学校教育法」第21条第8項です。
Aと同様に、幼稚園ではなく、第2章 義務教育についての内容となります。
体力を養うという表現は第23条(幼稚園)にはありません。
全体的に第23条第1項と文章が似ているため、少しわかりにくいです。



よって、正しい記述はBとCとなり、選択肢3が答えとなりますね。



学校教育法 第23条の出題傾向

「学校教育法」の出題傾向は、前回説明した通りです。
そこで今回は第23条に注目します。
第23条は平成26年にも出題されており、今回の問2と同様の内容でした。

平成26年 
次の文のうち、幼稚園教育の目標に関する「学校教育法」第 23 条の一部として誤ったものを一つ選びなさい。

1 健康、安全で幸福な生活のために必要な基本的な習慣を養い、身体諸機能の調和的発達を図ること。

2 集団生活を通じて、喜んでこれに参加する態度を養うとともに家族や身近な人への信頼感を深め、自主、自律及び協同の精神並びに規範意識の芽生えを養うこと。

3 身近な社会生活、生命及び自然に対する興味を養い、それらに対する正しい理解と態度及び思考力の芽生えを養うこと。

4 読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと。

5 音楽、身体による表現、造形等に親しむことを通じて、豊かな感性と表現力の芽生えを養うこと。


このうち、選択肢4は「学校教育法」第21条第5項の条文であり、やはりこの問題も幼稚園ではなく、第2章 義務教育についての内容が混ざっていました。

令和元年後期と平成26年の2つの問題を見てみると、第21条が混ざっていますので非常に似ていますね。
つまり、第23条の「幼稚園の目標」を覚える際は、第21条と比較しながら、5つの内容を丁寧に覚えておく必要があるということですね。


以上、問3の問題解説でした。

次回は、問4を見ていきます。