引き続き「教育原理」について個々の問題を見ていきます。
問題はこちら

問題構成はこのようになっていました。

1

法律

「教育基本法」第11

2

法律

「学校教育法」第24

3

法律

「学校教育法」第23

4

人物

ペスタロッチ著書「シュタンツだより」

5

人物

イリイチ、フレイレ、フレネの組み合わせ

6

人物

オーズベル、ブルーナー  、スキナーの組み合わせ

7

日本の教育制度

並び替え

8

中央教育審議会答申

「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習 指導要領等の改善及び必要な方策等について」(平成 28 年)

9

法律

「幼稚園教育要領」第1 1

10

通知

「特別支援教育の推進について」


今回は問5の人物問題についてです。


問5   人物問題


次の【I群】の記述と、【II群】の人物を結び付けた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい

【I群】
A 『脱学校の社会』(1977 年)で、学校制度を通じて「教えられ、学ばされる」ことにより、「自ら学ぶ」など、学習していく動機を持てなくなる様子を「学校化」として批判的に分析した。

B 『被抑圧者の教育学』(1979 年)で、学校を通じて子どもに知識が一方的に授けられる様子を「銀行型教育」と批判し、これに代わって教育では「対話」が重視されるべきだとした。

【II群】
ア イリイチ(Illich, I.)
イ フレイレ(Freire, P.)
ウ フレネ(Freinet, C.)

(組み合わせ)
      A B
1 ア イ
2 ア ウ
3 イ ア
4 イ ウ
5 ウ イ

Aがイリイチ、Bがフレイレです。
選択肢の3人ともあまり馴染みのない人物ですね。

これまでの出題を見てみますと、

イリイチ 平成28年前期、平成30年神奈川県
フレイレ 平成26年再試験
フレネ     初登場

このように、これまで登場回数がかなり少ない 、もしくは初めて出てきたという人物を集めた問題でした。

3人の共通点としては、教師による一方的な指導や詰め込みを批判したことです。
イリイチとフレイレの人物説明はすでにこのブログに取り上げ、人物テストにも含めていますが、改めて3人を説明します。


■イリイチ
著書『脱学校の社会』にて、学校化された社会を批判しました。
学校制度の撤廃を提唱し、学校がなくても教育が成り立つことを述べています。
現在のフリースクールはこの考え方によるものです。

また、シャドウ・ワークという言葉を作った人物でもあります。
シャドウ・ワークとは、報酬のない家事、学生の試験勉強、仕事への通勤などのことで、賃金が支払われない労働ということです。
しかしながらこのシャドウ・ワークは、賃金が支払われる労働のための基盤となり、不可欠であると述べています。

シャドウ・ワークという言葉は、文部科学省の資料に載っていたり、幼稚園教員資格認定試験で出題されたりしています。
保育士試験でもシャドウ・ワークという言葉が出題されるかもしれません。

 
 ■フレイレ
ブラジルで、土地をもたない貧農に対して識字教育(文字の読み書き)を展開しました。
ただ丸暗記するような教育(=銀行型教育)ではなく、学習者が主体となるような教育を提唱しています。
教師が知識の詰め込みを行うことを銀行の預金、学習者を金庫と例えて批判したということです。
この考え方は、著書『被抑圧者の教育学』で述べられています。


■フレネ
教師による知識の詰め込みを批判し、子どもが主体となる教育を提唱しました。
例えば、自分の経験や思いを文章にする自由作文、一人一人に合わせた個別学習、異年齢が一緒に学び助け合うことなどがあります。
フレネの教育は1935年にフランスで開いたフレネ学校で広まり、現在でもフランスなどでその教育方法が広く取り入れています。


これまで1、2回登場した人物も徹底的に勉強する

今回の試験前に登場した人物の登場回数一覧です。
平成23年から平成31年前期までと、過去3回の神奈川県独自試験も含めています。
この一覧に、今回の令和元年後期試験に登場してきた人物を黄色に色付けしてみました。
こうして見ると、今回の試験では、良く出る人物とあまり出ない人物がバランス良く登場していたことがわかりますね。
広く勉強しなければならないこともわかります。

デューイ

15

カント

3回

コルチャック

1

ルソー

12

プラトン

3

アリエス

1

フレーベル  

10

アリストテレス   

3

フレイレ

1

ペスタロッチ  

10

パーカースト

2

ニイル

1

ロック

9回

イリイチ

2

アウグスティヌス

1

ブルーナー

8回

ベル

2

ヒル

1

コメニウス

7

ラングラン  

2

ホイジンガ

1

キルパトリック

7

ヴィゴツキー  

2

グロース

1

ヘルバルト

6

オーズベル

2

シュタイナー

1

ピアジェ

6

カイヨワ

2

  


モンテッソーリ  

6

レイヴとウェンガー

1



オーエン

5

ポルトマン  

1



スキナー

5

ルター

1



ブルーム

4

トマス・モア

1



エレン・ケイ

4

コンドルセ

1



ソクラテス

4

ハッチンス

1



エリクソン

4

セネカ

1




今回の試験では、今まで1、2回しか登場していなかった、トマス・モア(問4)、フレイレ、イリイチ(問5)、オーズベル(問6)と4人も出てきています。
1、2回しか登場していない人物は教科書にも出てこないことがあるため、過去問で把握します。

1問でも多く正解するために、これまでに登場回数の少ない人物についても徹底的に勉強しておく必要がありますね。
それぞれの人物説明はすでにブログに書いていますが、見やすいように後日一覧でまとめたいと思っています。


以上、問5の問題解説でした。

次回は、問6を見ていきます。