(2022.7.14更新)
今回より令和元年後期「社会的養護」の問題を一つ一つ解説していきます。

問題構成はこのようになっていました。

1

法律

「児童福祉法」第2

2

資料

家庭と同様の環境における養育の推進

3

指針

「児童養護施設運営指針」

4


児童福祉施設の組み合わせ

5

資料

「児童養護施設入所児童等調査結果」(平成 25 年2月1日現在)

6

職員

家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)

7

指針

「児童養護施設運営指針」

8

指針

児童養護施設運営指針

9


児童養護施設の第三者評価、自己評価

10

事例

主任保育士からの指導の内容について


今回は問1の「児童福祉法」第2条についてです。


問1 児童福祉法 第2条
 
次の文は、「児童福祉法」第2条の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句を 【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び( A )の程度に応じて、その( B )が尊重され、その( C )の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。
 
【語群】ア 能力  イ 発達  ウ 自律  エ 意見  オ 最低限  カ 最善

(組み合わせ)
  A B C
1 ア ウ オ
2 ア エ カ
3 イ ウ オ
4 イ エ オ
5 イ エ カ

社会的養護において「児童福祉法」はほぼ毎回出題されています。
この第2条はこれまで社会的養護では出題がなかったのですが、平成30年後期「児童家庭福祉」の問1に出題されています。
その問題がこちらです。

平成30年後期「児童家庭福祉」問1 
次の文は、「児童福祉法」第2条の一部である。( A )〜( D )にあてはまる語句の正 しい組み合わせを一つ選びなさい。

全て( A )は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その( B )が尊重され、その( C )が優先して考慮され、 心身ともに健やかに( D )されるよう努めなければならない。

(組み合わせ)
     A        B               C                D
1 国民    意見     最善の利益    育成
2 国民    選択     最善の利益    養育
3保護者  選択    自立              養育
4保護者  意見    自立              育成
5保護者  意見    最善の利益   援助   

問題を見比べるとBとCが同じ穴になっています。
このように過去問と似たような問題が出題されることはよくあります。
よって、受ける科目はもちろんですが、その関連科目についても過去問は見ておくと良さそうです。
社会的養護、子ども家庭福祉、社会福祉は3科目セットで勉強したいところです。
例えば、残り社会的養護だけ受験するという方も、社会福祉、子ども家庭福祉は過去問だけでももう一度やって復習しておくと良いですね。

では、今回の問題について内容を見ていきます。
 
全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び( A    発達  )の程度に応じて、その( B  意見 )が尊重され、その( C 最善 )の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。

この第2条は、2016年の改正によって新しい内容となっています。

改正前の第2条
「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」

改正後の第2条
「①全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。
②児童の保護者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を負う。
③国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」


改正後のポイントは、
・児童の年齢や発達の程度に応じて、意見を尊重し、最善の利益をする
・児童育成の第一義的責任を保護者とした
ということです。
第2条はこれからも出題される可能性が高いですから丁寧に覚えます。