引き続き「社会的養護」の問題を一つ一つ解説していきます。
問題はこちら
 
問題構成はこのようになっていました。

1

法律

「児童福祉法」第2

2

資料

「社会的養育の推進に向けて」

3

指針

「児童養護施設運営指針」

4


児童福祉施設の組み合わせ

5 

資料

「児童養護施設入所児童等調査結果」(平成 25 年2月1日現在)

6

職員

家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)

7

指針

「児童養護施設運営指針」

8

指針

児童養護施設運営指針」

9


児童養護施設の第三者評価、自己評価


10

事例

主任保育士からの指導の内容について


今回は問8の「児童養護施設運営指針」についてです。


問8  児童養護施設運営指針
 
次の文のうち、「児童養護施設運営指針」(平成 24 年3月 厚生労働省)において示されている「社会的養護の原理」に関する記述として最も適切な記述を一つ選びなさい。

1 社会的養護は、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれる。

2 社会的養護における養育は、つらい体験をした過去を現在、そして将来の人生と切り離すことを目指して行われる。

3 社会的養護における養育は、効果的な専門職の配置ができるよう、大規模な施設において行う必要がある。

4 社会的養護における支援は、子どもと緊密な関係を結ぶ必要があるので、他機関の専門職との連携は行わない。

5 社会的養護は、措置または委託解除までにすべての支援を終結し、自立させる必要がある。

問7と同様、児童養護施設運営指針の 第I部 総論  〉 2.社会的養護の基本理念と原理 からの出題です。
児童養護施設に限った内容ではなく、全ての指針共通の内容です。
「社会的養護の基本理念」は「子どもの最善の利益のために」「すべての子どもを社会全体で育む」としており、「社会的養護の原理」は基本理念のもとで、どのような考え方で支援を行うかということを述べています。
基本理念も原理も、社会的養護の科目の全ての問題に通じる考え方となりますので、しっかり理解しておく必要があります。


では、内容を見ていきます。

1 社会的養護は、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれる。 

→◯
文章の通りです。
養育者が変わったり養育方法が変化したりするのではなく、特定の養育者が一貫性のある養育を行うことが大切ということですね。

指針の本文は、「社会的養護は、その始まりからアフターケアまでの継続した支援と、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれる。 」としています。



2 社会的養護における養育は、つらい体験をした過去を現在、そして将来の人生と切り離すことを目指して行われる。

→×
過去を切り離すことは述べられていません。


指針の本文は、「社会的養護における養育は、「人とのかかわりをもとにした営み」である。子どもが歩んできた過去と現在、そして将来をより良くつなぐために、一人一人の子どもに用意される社会的養護の過程は、「つながりのある道すじ」として子ども自身にも理解されるようなものであることが必要である。」としています。


3 社会的養護における養育は、効果的な専門職の配置ができるよう、大規模な施設において行う必要がある。

→×
一人一人の子どもを丁寧にきめ細かく養育するために、大規模から小規模な養育体制に変化していこうとしています。

指針の本文では「児童養護施設、乳児院等の施設養護も、できる限り小規模で家庭的な養育環境(小規模グループケア、グループホーム)の形態に変えていくことが必要である。」としています。


4 社会的養護における支援は、子どもと緊密な関係を結ぶ必要があるので、他機関の専門職との連携は行わない。

→×
関係機関と連携した養育支援が重要です。

指針の本文は、「児童相談所等の行政機関、各種の施設、里親等の様々な社会的養護の担い手が、それぞれの専門性を発揮しながら、巧みに連携し合って、一人一人の子どもの社会的自立や親子の支援を目指していく社会的養護の連携アプローチが求められる。」としています。


5 社会的養護は、措置または委託解除までにすべての支援を終結し、自立させる必要がある。

→×

入所措置や里親委託が終了するとそれで終わりというわけではなく、関わりを持ち続けていきます。

指針の本文は、「社会的養護の下で育った子どもたちが社会に出てからの暮らしを見通した支援を行うとともに、入所や委託を終えた後も長くかかわりを持ち続け、帰属意識を持つことができる存在になっていくことが重要である。 」としています。


言い回しで判断することも可能です

今回の問題は、適切な記述を1つ選ぶものでしたので、4つも誤りがあるということですね。
問題作成者は正しい内容を「誤りに変える」わけですので、誤りにするような言い回しにしているということです。

例えば、4や5がわかりやすいです。

4 連携は行わない

→正しい内容を述べるにあたって、否定的な文章はあまり考えられません。

5すべての

→例外もありますので、正しい内容に「すべて」という言葉をわざわざ使いません。


内容が分からない、迷うなどというときは、このような言い回しで正誤を判断するというのもおすすめです。



以上、問8の解説でした。


次回は問9を見ていきます。