後期試験「社会福祉」の問題を一つ一つ解説していきます。
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今回は問2の「社会福祉事業法」から「社会福祉法」への改正についてです。


問2 「社会福祉事業法」から「社会福祉法」への改正
 
次の文は、「社会福祉事業法」を改め、2000(平成 12)年に改正された「社会福祉法」に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 「社会福祉事業法」も「社会福祉法」も、社会福祉の共通基盤について規定している法律である。

B 「社会福祉事業法」を「社会福祉法」に改正することによって、行政の権限や裁量によって社会福祉事業が実施されるようになった。

C 「社会福祉事業法」を「社会福祉法」に改正することによって、ホームヘルプサービス、ショートステイ、デイサービス等の在宅福祉サービスの法定化が行われた。

D 「社会福祉事業法」を「社会福祉法」に改正することによって、地域福祉の推進体制は法的に整備されることとなった。

(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × × ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

問題文に「社会福祉事業法」を改め、2000(平成 12)年に改正された「社会福祉法」とありますように、「社会福祉事業法」は「社会福祉法」の前身ということです。
この問題では、「社会福祉法」に改正されて、どのように変わったかということを問われています。


設問を一つずつ見ていきます。
 

A 「社会福祉事業法」も「社会福祉法」も、社会福祉の共通基盤について規定している法律である。

→◯
それぞれの第1条にて、「共通的基本事項」を定める、としています。

社会福祉法」第1条
「この法律は、社会福祉を目的とする事業の全分野における共通的基本事項を定め、社会福祉を目的とする他の法律と相まつて、福祉サービスの利用者の利益の保護及び地域における社会福祉(以下「地域福祉」という。)の推進を図るとともに、社会福祉事業の公明かつ適正な実施の確保及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図り、もつて社会福祉の増進に資することを目的とする。」
 
社会福祉事業法」第1条
「この法律は、社会福祉事業の全分野における共通的基本事項を定め、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)、母子及び寡婦福祉法(昭和三十九年法律第百二十九号)、老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)、身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)、精神薄弱者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)その他の社会福祉を目的とする法律と相まつて、社会福祉事業が公明且つ適正に行われることを確保し、もつて社会福祉の増進に資することを目的とする。」



B 「社会福祉事業法」を「社会福祉法」に改正することによって、行政の権限や裁量によって社会福祉事業が実施されるようになった。 

→×

これまでは行政(国・地方公共団体)がサービスを決定する措置制度をとっていました。
しかし「社会福祉法」への改正で、利用者がサービスを選択できるように変更されています。

また、改正のポイントとして、 多様な福祉サービス提供者を参入できるようにしたことが1つです。
行政や社会福祉法人以外も、福祉サービスの事業経営が可能となっています。


C 「社会福祉事業法」を「社会福祉法」に改正することによって、ホームヘルプサービス、ショートステイ、デイサービス等の在宅福祉サービスの法定化が行われた。

→×

在宅福祉サービスであるホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイなどは「介護保険法」に規定されています。



D 「社会福祉事業法」を「社会福祉法」に改正することによって、地域福祉の推進体制は法的に整備されることとなった。

→◯

地域福祉とは、地域住民が地域の福祉について協力していくことです。
これは「社会福祉法」第4条に定められています。

「地域住民、社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者(以下「地域住民等」という。)は、相互に協力し、福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されるように、地域福祉の推進に努めなければならない。」

また、市町村が地域福祉計画、都道府県が都道府県地域福祉支援計画を策定すること(努力義務)も定めています。



改正ポイントを復習する

今回の問題は、「社会福祉事業法」から「社会福祉法」への改正についてとなりますが、教科書にあまり詳しく載っていない部分ではないでしょうか?
主な改正のポイントとしては、地域福祉の推進、多様な福祉サービスの規制緩和などがあります。
厚生労働省の社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の 一部を改正する等の法律の概要にわかりやすくまとめられていますので、教科書にない部分をしっかり復習しておきたいですね。

次回は問3を見ていきます。