後期試験「社会福祉」の問題を一つ一つ解説しています。

その中で、問5に出題された社会福祉事業(第一種・第二種の分類など)はよく出題されていますので、過去問を確認して出題形式を見ていきたいと思います。
今回は、平成28年後期試験の問題です。

問題はこちら


平成28年後期「社会福祉」問1
 
次の文は、社会福祉の発展過程に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 社会福祉の発展過程の中で、生活困窮者への援助等を行った宗教的な慈善が大きな役割を果たした。

B 今日、宗教法人は社会福祉法人と同じように、第一種社会福祉事業の経営を行うことができる。

C 社会福祉の発展過程の中で、資本主義という経済的な要因は社会福祉の形成に大きな役割を果たした。

D 今日、株式会社等の営利法人は社会福祉法人と同じように、第一種社会福祉事業の経営を行うことができる。

 (組み合わせ)  

 A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × × × ○

社会福祉の歴史が2つ、社会福祉事業の経営主体が2つという問題構成となっていました。
では設問を一つずつ見ていきます。
 

A 社会福祉の発展過程の中で、生活困窮者への援助等を行った宗教的な慈善が大きな役割を果たした。

→◯

文章の通りです。
社会福祉の歴史として、
相互扶助(社会や組織の構成員が互いに協力すること)、宗教的な慈善事業(宗教的な考えに基づく奉仕活動)が位置づけられています。

「宗教的な慈善」という言葉は平成24年の試験に出題されています。


B 今日、宗教法人は社会福祉法人と同じように、第一種社会福祉事業の経営を行うことができる。

→×

宗教法人とは宗教者と信者がつくる法人格を取得した団体です。

前回解説した平成29年後期試験にも出題されたように、第一種社会福祉事業の経営主体は、行政及び社会福祉法人が原則となります。

「社会福祉法」第60条
「社会福祉事業のうち、第一種社会福祉事業は、国、地方公共団体又は社会福祉法人が経営することを原則とする。」


C 社会福祉の発展過程の中で、資本主義という経済的な要因は社会福祉の形成に大きな役割を果たした。

→◯

資本主義(個人が自由に資産を持てる、自由競争が可能)により、貧困や格差が生じることになります。
この社会問題に対応するために社会福祉が形成されたということです。

 
D 今日、株式会社等の営利法人は社会福祉法人と同じように、第一種社会福祉事業の経営を行うことができる。

→×

Bと同様に、第一種社会福祉事業の経営主体は、行政及び社会福祉法人が原則となります。

 
第一種社会福祉事業の経営主体は、行政と社会福祉法人

今回の問題では、

・社会福祉事業の歴史
・第一種社会福祉事業の経営主体

これらが含まれた問題となっていました。

出題範囲に「社会福祉の歴史的変遷」があり、この社会福祉の歴史は単独で出題されたり、このように他の内容と組み合わせて出題されたりします。

そして第一種社会福祉事業の経営主体については何度も出題されていますので、行政と社会福祉法人ということをおさえます。
第一種社会福祉事業は利用者を保護する目的があり、経営が安定している必要があるため、経営主体が限られているということですね。

引き続き、社会福祉事業に関する問題を解説していきます。