後期試験「社会福祉」の問題を一つ一つ解説しています。

その中で、問5に出題された社会福祉事業(第一種・第二種の分類など)はよく出題されていますので、過去問を確認して出題形式を見ていきたいと思います。
今回は、平成27年地域限定試験の問題です。

問題はこちら


平成27年地域限定試験「社会福祉」問3
 
次の文は、社会福祉の実践主体に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

1 社会福祉法人は、第一種社会福祉事業の経営主体とはなれない。
2 株式会社は、第二種社会福祉事業の経営主体とはなれない。
3 特定非営利活動法人(NPO法人)は、原則として第一種社会福祉事業の経営主体とはなれない。
4 国民は、社会福祉活動の実践主体とはなれない。
5 国は、第二種社会福祉事業の経営主体とはなれない。

社会福祉事業の経営主体や実践主体を問う問題となっていました。
5つの記述は全て「〜とはなれない」という共通の文末となっており、言い回しからは判断できないような問題です。

では設問を一つずつ見ていきます。
 

1 社会福祉法人は、第一種社会福祉事業の経営主体とはなれない。

→×

社会福祉法人は、第一種社会福祉事業の経営主体になることができます。
これまで解説した、平成29年後期、平成28年後期にも出題されていますね。
第一種社会福祉事業の経営主体は、行政及び社会福祉法人が原則となります。

「社会福祉法」第60条
「社会福祉事業のうち、第一種社会福祉事業は、国、地方公共団体又は社会福祉法人が経営することを原則とする。」

2 株式会社は、第二種社会福祉事業の経営主体とはなれない。

→×

株式会社は、第二種社会福祉事業の経営主体になることができます。
第二種社会福祉事業の経営主体には制限がありません。

 
3 特定非営利活動法人(NPO法人)は、原則として第一種社会福祉事業の経営主体とはなれない。 

→◯

文章の通りです。
NPO法人は決められた20分野の中で活動する、営利(=もうけること)を目的としない組織です。
また、第一種社会福祉事業の経営主体となる社会福祉法人は、社会福祉事業を目的として設立した法人です。


4 国民は、社会福祉活動の実践主体とはなれない。

→×

社会福祉活動の実践主体というのは、社会福祉の現場における援助者ということです。
つまり、ソーシャルワーカーやボランティアなどを指します。
国民はそのような援助者、福祉従事者になることができますね。


5 国は、第二種社会福祉事業の経営主体とはなれない。

→×

第二種社会福祉事業の経営主体には制限がありません。
国は、第一種社会福祉事業、第二種社会福祉事業の経営主体になることができます。

 
経営主体・実践主体・政策主体

今回の問題は「経営主体」「実践主体」についての出題でした。
社会福祉事業については、経営主体、実践主体、政策主体という3つの言葉を知っておく必要があります。

■経営主体 事業そのものを経営する主体です。
■実践主体 社会福祉従事者を指します。
■政策主体 国による方針や方策です。

国は社会福祉の政策主体である一方で、自らも社会福祉事業の経営主体となることができます。
この辺りまでおさえておくと良さそうですね。 

引き続き、社会福祉事業に関する問題を解説していきます。