後期試験「社会福祉」の問題を一つ一つ解説しています。

その中で、問5に出題された社会福祉事業(第一種・第二種の分類など)はよく出題されていますので、過去問を確認して出題形式を見ていきたいと思います。
今回は、平成26年再試験の問題です。

※平成26年再試験とは、台風の影響で通常の日程で実施されなかった地域で、後日改めて行われた試験です。

問題はこちら


平成26年再試験「社会福祉」問5
 
次の文は、社会福祉における事業主体の役割に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 特定非営利活動法人は、第1種社会福祉事業の社会福祉施設の設置と運営ができる。

B 社会福祉法人が障害者支援施設の設置と運営をしようとするときは、その事業の開始前に、その施設を設置しようとする地の都道府県に届け出る必要はない。

C 株式会社は、市町村からの委託を受けないで地域包括支援センターを設置し地域での相談支援を行うことができる。

D 都道府県は、地域福祉支援計画を策定して、市町村の地域福祉の推進を支援するための基本的方針に関する事項等を定めることができる。

 (組み合わせ)
   A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ×
3 × ○ × ○
4 × × ○ ×
5 × × × ○

この中で、AとBが第一種社会福祉事業の経営主体や設置の流れの出題となりました。

言い回しを見てみると、Bは必要はない、Cは受けないでとなっていますね。
解答テクニックの記事にも載せていますが、「不要」という内容をわざわざ問題にすることはないと考えられるため誤りと判断します。



そうするとBとCが×となり、正当の5を選ぶことができます。
解答テクニックは100%合っているということではないので、判断に迷った時に使う奥の手として活用できるかなと思います。


では設問を一つずつ見ていきます。
 
特定非営利活動法人は、第1種社会福祉事業の社会福祉施設の設置と運営ができる。 

→×

何度も何度も出題されていますように、
第一種社会福祉事業の経営主体となれるのは、国、地方公共団体、社会福祉法人です。

特定非営利活動法人とは、いわゆるNPO法人のことですね。
すでに解説した平成27年地域限定では、同じように、NPO法人が第一種社会福祉事業の経営主体になれるかという問題が出ています。


B 社会福祉法人が障害者支援施設の設置と運営をしようとするときは、その事業の開始前に、その施設を設置しようとする地の都道府県に届け出る必要はない。

→×

都道府県知事への届出が必要です。

まず、障害者支援施設は障害者の施設入所を支援することから、利用者への影響が大きいため、その経営は第一種社会福祉事業に位置づけられています。(令和元年後期試験にも出題されました。)

そして、社会福祉法人が第一種社会福祉事業を経営しようとするときは、都道府県知事への届出が必要です。


C 株式会社は、市町村からの委託を受けないで地域包括支援センターを設置し地域での相談支援を行うことができる。

→×

「委託を受けないで」ではなく、正しくは「委託を受けて」となります。

まず、地域包括支援センターは市町村が設置することができます。
「介護保険」第115条の46 第2項
市町村は、地域包括支援センターを設置することができる。」
 
さらに市町村の委託を受けて、民間が運営することができます。


D 都道府県は、地域福祉支援計画を策定して、市町村の地域福祉の推進を支援するための基本的方針に関する事項等を定めることができる。


→◯

文章の通りです。
「社会福祉法」第107条では市町村の地域福祉計画、第108条では都道府県の地域福祉支援計画を定めています。
それぞれ「策定するよう努めるものとする。」という言い回しにより、努力義務となっています。
これまで策定は任意でしたが、平成30年4月の「社会福祉法」改正により努力義務と変更されました。
厚生労働省 地域福祉計画も参考になりますね。

 
障害者支援施設を経営する事業は第一種社会福祉事業

今回の平成26年再試験と最新の令和元年後期試験には障害者支援施設が出題されました。
第一種(主に入所施設)か第二種(主に通所施設)か、名前からは判断しにくい施設です。

この障害者支援施設は「障害者総合支援法」の第5条の11に、次のように定められています。

この法律において「障害者支援施設」とは、障害者につき、施設入所支援を行うとともに、施設入所支援以外の施設障害福祉サービスを行う施設(のぞみの園及び第一項の厚生労働省令で定める施設を除く。)をいう。」

入所支援を行うという特徴をおさえると、第一種社会福祉事業に結びつけることができますね。
今後も繰り返し出題される可能性がある施設と考えられるので覚えておきたいです。


引き続き、社会福祉事業に関する問題を解説していきます。