後期試験「社会福祉」の問題を一つ一つ解説しています。

その中で、問6に出題された介護保険制度はほぼ毎回出題されていますので、過去問を確認して出題形式を見ていきたいと思います。
今回は、平成26年再試験の問題です。 

問題はこちら


平成26年再「社会福祉」問6
 
次の文は、社会福祉・社会保障の財源に関する記述である。正しいものを一つ選びなさい。

1 「児童福祉法」における費用負担の規定によると、一部の費用を除いて基本的には、国が4分の1を、都道府県が4分の1を、市町村が2分の1をそれぞれ負担することになっている。

2 「生活保護法」による扶助は、国が4分の3を、都道府県、市、福祉事務所を設置する町村が4分の1を負担している。

3 介護保険制度は、第1号被保険者と第2号被保険者の保険料によって2分の1が賄われ、国によって2分の1が賄われている。

4 厚生年金制度による年金支給額の2分の1は国の負担である。

5 労働者災害補償制度の保険料は事業主と労働者の折半である。

介護保険制度を含めた社会保障の「財源」についての問題でした。
財源=そのお金の出どころということですね。
つまり、誰がどのくらいの割合で負担しているかということですね。


では設問を一つずつ見ていきます。
 

1 「児童福祉法」における費用負担の規定によると、一部の費用を除いて基本的には、国が4分の1を、都道府県が4分の1を、市町村が2分の1をそれぞれ負担することになっている。

→×

正しくは、国が2分の1、都道府県が2分の1(または市町村と4分の1ずつ)となります。
「児童福祉法」が規定している費用負担は、国の負担が2分の1ということをおさえます。

「児童福祉法」第53条
国庫は、第五十条(第一号から第三号まで及び第九号を除く。)及び第五十一条(第四号、第七号及び第八号を除く。)に規定する地方公共団体の支弁する費用に対しては、政令の定めるところにより、その二分の一を負担する。」


2 「生活保護法」による扶助は、国が4分の3を、都道府県、市、福祉事務所を設置する町村が4分の1を負担している。

→◯

文章の通りです。
国が4分の3、地方自治体が4分の1を負担します。
「生活保護法」が規定している費用負担は、国の負担が4分の3ということをおさえます。

「生活保護法」第75条
国は、政令で定めるところにより、次に掲げる費用を負担しなければならない。
一 市町村及び都道府県が支弁した保護費、保護施設事務費及び委託事務費の四分の三
二 市町村及び都道府県が支弁した就労自立給付金費及び進学準備給付金費の四分の三
三 市町村が支弁した被保護者就労支援事業に係る費用のうち、当該市町村における人口、被保護者の数その他の事情を勘案して政令で定めるところにより算定した額の四分の三
四 都道府県が支弁した被保護者就労支援事業に係る費用のうち、当該都道府県の設置する福祉事務所の所管区域内の町村における人口、被保護者の数その他の事情を勘案して政令で定めるところにより算定した額の四分の三

3 介護保険制度は、第1号被保険者と第2号被保険者の保険料によって2分の1が賄われ、国によって2分の1が賄われている。
 
→×

被保険者が納めた保険料が2分の1というのは正しいですが、後半は国(25%)都道府県(12.5%)市町村(12.5%)となります。

これは平成30年後期試験にも出題されています。

介護保険制度について(厚生労働省)の2ページ目に図表が載っています。
介護保険の財源は公費が50%となり、国(25%)都道府県(12.5%)市町村(12.5%)という内訳です。
そして残りの50%は、被保険者が納めた保険料ですね。


4 厚生年金制度による年金支給額の2分の1は国の負担である。


→×
 
厚生年金ではなく、国民年金(基礎年金)において、年金支給額の2分の1が国の負担です。


5 労働者災害補償制度の保険料は事業主と労働者の折半である。

→×

労働者災害補償制度とは、いわゆる労災のことです。
労働者災害補償制度の保険料は、労働者は負担せず、事業主が全額負担します。
つまり、事業主が負担した保険料で運営される制度となりますが、一部の費用を国が負担しています。

 
国の負担割合をおさえる

今回出題された内容は、介護保険を含め、様々な社会保障の財源を問われていました。

国の負担割合だけで見ますと、

「児童福祉法」   に定めた費用負担 国が2分の1
「生活保護法」   に定めた費用負担 国が4分の3
介護保険制度    における費用負担 国が4分の1
国民年金(基礎年金)における費用負担 国が2分の1

それぞれ負担割合が異なりますので、細かくおさえたいですね。

平成26年までさかのぼった介護保険に関する問題はこれで終わりです。
次回はこれまで出題された介護保険制度のポイントをまとめます。