後期試験「社会福祉」の問題を一つ一つ解説しています。

その中で、問6に出題された生活保護制度についてはよく出題されていますので、過去問を確認して出題形式を見ていきたいと思います。
今回は、平成30年後期試験の問題です。

問題はこちら


平成30年後期「社会福祉」問6
 
次の文は、生活保護制度に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 生活保護制度の扶助の種類は、生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の8つである。

B 「被保護者調査(平成 27 年度(月次調査確定値))」(厚生労働省)によると、平成 27 年度の保護開始の理由の中で、「傷病による」が全体の約4分の1を占めている。

C 「被保護者調査(平成 27 年度(月次調査確定値))」(厚生労働省)によると、平成 27 年度の世帯類型別世帯数の割合は、「母子世帯」が最も多く、全体の約半数を占めている。

D 生活保護制度の保護費は、国が2分の1を負担し、都道府県、市、福祉事務所を設置する町村が2分の1を負担している。

(組み合わせ)
 A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

生活保護制度はその他の社会保障制度と一緒に出題されることもありますが、この問題では生活保護制度のみの出題です。
生活保護制度について広く問われています。 


では設問を一つずつ見ていきます。
 

A 生活保護制度の扶助の種類は、生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の8つである。

→◯

「生活保護法」の第11条では、次の8種類の保護を規定しています。
生活扶助、
教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助
 
「扶助」とは助けるという意味です。 
このうち、医療扶助と介護扶助は現物支給(施設の利用やサービスの提供を受けること)、それ以外は金銭支給となります。


B 「被保護者調査(平成 27 年度(月次調査確定値))」(厚生労働省)によると、平成 27 年度の保護開始の理由の中で、「傷病による」が全体の約4分の1を占めている。

→◯


問題に出てきた資料はこちらです。
資料4ページ目の図3が保護開始の理由です。
平成27年度は「傷病による」が25.2%で、全体の約4分の1ですね。
「傷病による」の割合は例年あまり変わっていません。
また、平成27年度の最も多い理由は「貯金等の減少・喪失」(34.1%)となっています。


C 「被保護者調査(平成 27 年度(月次調査確定値))」(厚生労働省)によると、平成 27 年度の世帯類型別世帯数の割合は、「母子世帯」が最も多く、全体の約半数を占めている。

→×
 
Bと同じ資料ですね。
この3ページ目の表2は世帯類型別世帯数を表しています。
平成27年度の最も多いものは「高齢者世帯」で、全体の約半数を占めています。
問題文の「母子世帯」は6.4%で、前年度より減少しています。


D 生活保護制度の保護費は、国が2分の1を負担し、都道府県、市、福祉事務所を設置する町村が2分の1を負担している。

→×

生活保護制度の財源は、
国が4分の3、地方自治体が4分の1となります。

これは平成26年再試験でも同様の問題が出題されています。
「生活保護法」による扶助は、国が4分の3を、都道府県、市、福祉事務所を設置する町村が4分の1を負担している。
文章の通りですね。
 

資料「被保護者調査」を確認

この問題の中では、Bの保護開始の理由が最も難しかったです。
B、Cの問題に出された「被保護者調査(厚生労働省)」は今後も出題が予想される資料です。
毎年調査結果がまとめられており、次回の試験で出題されるとすると、平成29年度の月次確定書となりそうです。
ただ、調査結果の内容に例年大きな変化はありません。

・8つの扶助の中では生活扶助が最も多い。
・被保護世帯数を世帯類型別にみると高齢者世帯が最も多く、増加している。
・保護開始理由は、「 貯金等の減少・喪失」「傷病による」「働きによる収入の減少・喪失」の順で多くなっている。

資料のうち、このあたりの知識を持っておきたいですね。

次回も生活保護制度に関する過去問分析です。