後期試験「社会福祉」の問題を一つ一つ解説しています。

その中で、問6に出題された生活保護制度についてはよく出題されていますので、過去問を確認して出題形式を見ていきたいと思います。
今回は、平成29年後期試験の問題です。

問題はこちら


平成29年後期「社会福祉」問7
 
次の文は、生活保護制度に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 生活保護制度の基本原理の一つに、「保護の補足性」の原理がある。
B 生活保護制度の原則の一つに、「申請保護の原則」がある。
C 生活保護制度の扶助の種類の一つに、「教育扶助」がある。
D 生活保護制度の扶助の給付方法は、金銭給付のみである。
E 近年の生活保護制度の世帯類型別の被保護世帯数の動向は、高齢者世帯が一貫して増加傾向にある。
 
(組み合わせ)  
   A B C D E
1 ○ ○ ○ × ○
2 ○ ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○ ○
4 × ○ × ○ ×
5 × × ○ ○ ○


解答テクニックとして、Dの「のみ」は誤りと考えます。
なぜなら、正しい内容であればわざわざ「のみ」をつける必要がないからです。
これだけで選択肢を1と2に絞ることができます。
 
では設問を一つずつ見ていきます。
 

A 生活保護制度の基本原理の一つに、「保護の補足性」の原理がある。 

→◯

基本原理とは、基本の考え方という意味です。
「保護の補足性」を簡単に言いますと、自分でできるかぎりのことを行ってそれでも必要である場合に、
最低限度の生活を維持するために生活保護が適用されるということです。
 
これは「生活保護法」第4条第1項に述べられています。
保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。」


B 生活保護制度の原則の一つに、「申請保護の原則」がある。 

→◯

原則とは要件やルールなどという意味です。
「申請保護の原則」とは、 要保護者、扶養義務者、その他の同居の親族の申請によって保護が開始されるというものです。
そして、 要保護者が急迫した状況のあるときは申請がなくても必要な保護が行われることがポイントです。
これは「生活保護法」第7条に述べられています。

保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。但し、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる。」


C 生活保護制度の扶助の種類の一つに、「教育扶助」がある。

→◯
 
「生活保護法」の第11条では、次の8種類の保護を規定しています。
生活扶助、
教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助

8種類あるだけでなく、それぞれの名称も全ておさえておきたいです。


D 生活保護制度の扶助の給付方法は、金銭給付のみである。 

→×

Cにあげた8種類の扶助のうち、医療扶助と介護扶助は現物支給(施設の利用やサービスの提供を受けること)、それ以外は金銭支給となります。



E 近年の生活保護制度の世帯類型別の被保護世帯数の動向は、高齢者世帯が一貫して増加傾向にある。

→◯

これは平成30年後期試験に出題された「被保護者調査(厚生労働省)」に載っている内容です。
被保護世帯数を世帯類型別にみると高齢者世帯が最も多く、増加しています。

 

基本原理・基本原則をおさえる

生活保護制度の基本原理(考え方)、基本原則(要件)が含まれた問題となっていました。

基本原理は4つです。

■国家責任の原理
■無差別平等の原理
■最低生活の原理
■補足性の原理
 

基本原則は4つです。

■申請保護の原則
■基準及び程度の原則
■必要即応の原則
■世帯単位の原則
 
今後も今回の問題のように用語自体の出題が考えられるので、用語を覚えておきたいですね。
それぞれの原理、原則は内容を理解していると名称も記憶に残りやすいです。


次回も生活保護制度に関する過去問分析です。