後期試験「社会福祉」の問題を一つ一つ解説しています。

その中で、問6に出題された生活保護制度についてはよく出題されていますので、過去問を確認して出題形式を見ていきたいと思います。
今回は、平成29年前期試験の問題です。

問題はこちら


平成29年前期「社会福祉」問11
 
次の文は、生活保護制度に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 「生活保護法」は、生活困窮を事前に予防することを目的としている。
B 住宅扶助は、地域によって基準額が異なる。
C 申請後の資産調査の結果、保護の対象外となる場合がある。
D 小学校の給食費は、教育扶助として給付される。

  (組み合わせ)
   A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ○


解答テクニックとして、Cの「となる場合がある」は正しいと考えます。
例外があることを示していることより、正しい内容と判断できます。
これだけで選択肢を1、3、4に絞ることができますね。
 
では設問を一つずつ見ていきます。


A 「生活保護法」は、生活困窮を事前に予防することを目的としている。 

→×

事前に予防することではなく、困窮しているものに対して必要な保護を行い、最低限度の生活の保障と自立の助長を目的としています。

「生活保護法」第1条では、法律の目的が定められています。
「この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。」


B 住宅扶助は、地域によって基準額が異なる。 

→◯

生活保護の基準は要保護者の状況に応じることを「生活保護法」第8条第2項で示しています。
前項の基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであつて、且つ、これをこえないものでなければならない。」

この中の「所在地域別」という部分が、地域ごとの物価や生活水準に合わせるということですね。
生活保護の基準に地域差を設けていることを級地制度といいます。
住んでいる地域によって1級地、2級地などと決められており、それぞれ住宅扶助の上限額が決まっています。


C 申請後の資産調査の結果、保護の対象外となる場合がある。

→◯
 
生活保護を申請後、家庭訪問をして、生活状況、預貯金、不動産等の調査を行います。
生活保護制度の基本原理に保護の補足性」があるように、自分でできるかぎりのことを行ってそれでも必要である場合に、最低限度の生活を維持するために生活保護が適用されます。
よって、 調査の結果、保護の対象外になる場合があるということです。


D 小学校の給食費は、教育扶助として給付される。

→◯

教育扶助は義務教育を受けるために必要なものとお考えください。

「生活保護法」第13条では、教育扶助の内容を定めています。

教育扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一 義務教育に伴つて必要な教科書その他の学用品
二 義務教育に伴つて必要な通学用品
三 学校給食その他義務教育に伴つて必要なもの」


「補足性の原理」

平成29年前期・後期では、生活保護制度の4つの基本原理のうち「補足性の原理」が出題されました。
まずは利用可能な能力、資産といった自分でできるかぎりのことを行ってそれでも必要である場合に、最低限度の生活を維持するために生活保護が適用されるということです。
そのため保護の対象外となる場合があるということですね。


次回も生活保護制度に関する過去問分析です。