後期試験「社会福祉」の問題を一つ一つ解説しています。

その中で、問6に出題された生活保護制度についてはよく出題されていますので、過去問を確認して出題形式を見ていきたいと思います。
今回は、平成26年試験の問題です。

問題はこちら


平成26年「社会福祉」問10
 
次の文は、「生活保護法」に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 幼稚園の教育費は教育扶助の対象になる。
B 技能習得費は生業扶助の対象になる。
C 医療扶助は原則として現金給付で行われる。
D 住宅の補修などは住宅扶助の対象とはならない。

(組み合わせ)  

   A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○


この問題は「生活保護法」に定められた8種類の保護(生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)のうち、教育扶助、生業扶助、医療扶助、住宅扶助の4つが出題されました。

まず、基本的な知識として、
医療扶助と介護扶助は現物支給(施設の利用やサービスの提供を受けること)、それ以外は金銭支給となります。

そして、「それぞれの扶助はどういうものか」ということをだいたいわかっておくと解くことができます。

では設問を一つずつ見ていきます。
 

A 幼稚園の教育費は教育扶助の対象になる。

→×

「教育扶助」は義務教育を受けるために必要なものです。
「生活保護法」第13条に定められています。

教育扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一 義務教育に伴つて必要な教科書その他の学用品
二 義務教育に伴つて必要な通学用品
三 学校給食その他義務教育に伴つて必要なもの」

義務教育に関するものが教育扶助の対象ですから、問題文の幼稚園は対象外ですね。
教育扶助が対象外というだけでなく、生活保護制度全般において、幼稚園に関する費用は対象外です。
 

B 技能習得費は生業扶助の対象になる。

→◯

文章の通りです。
生業扶助は、要保護者の稼働能力を引き出して自立を図ることを目的とした援助です。
生業扶助については「生活保護法」第17条で定められています。

「生業扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者又はそのおそれのある者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。但し、これによつて、その者の収入を増加させ、又はその自立を助長することのできる見込のある場合に限る。
一 生業に必要な資金、器具又は資料
二 生業に必要な技能の修得
三 就労のために必要なもの」
 

2番目の「生業に必要な技能の習得」が技能習得費ですね。
技能習得費については、生業扶助及び一時扶助について(厚生労働省)の9〜11ページに詳しい説明があります。
 

C 医療扶助は原則として現金給付で行われる。 

→×
 
医療扶助は金銭ではなく現物支給です。
つまり、診察や治療などのサービスが提供されるということです。
「生活保護法」第15条では具体的な給付内容を定めています。

医療扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一 診察
二 薬剤又は治療材料
三 医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術
四 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
五 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
六 移送」
 

D 住宅の補修などは住宅扶助の対象とはならない。

→×

住宅扶助は家賃や補修費の給付です。
「生活保護法」第14条に定められています。

「住宅扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一 住居
二 補修その他住宅の維持のために必要なもの」

8種類の扶助の内容をおさえる 

今回は、教育扶助、生業扶助、医療扶助、住宅扶助がどういうものかを問う問題でした。
金銭なのか現物なのか、 具体的に何が対象となるのか、などとそれぞれ分けて覚えたいですね。

以上、生活保護制度に関する過去問を分析しました。
次回は生活保護制度の勉強ポイントをまとめます。