生活保護制度に関する出題を平成26年までさかのぼって確認しました。

社会保障制度の中では生活保護が最も多く出題されているため、次回の令和2年前期試験も出題の気配が濃厚です。

前回の令和元年後期試験では問6に出題され、これは生活保護制度だけでなく、介護保険や保育所がからんでいる利用者負担の問題でした。
また、平成26年再試験の問6のように、他の社会保障制度と並んで、それぞれの財源がまとめられた問題もありました。
このような出題形式では難易度が上がりますので、他の社会保障としっかり区別して覚える必要があります。

生活保護制度の過去問を分析したところ、必ずおさえておきたい内容はこれらの5つです。

■現物給付の利用者負担
■扶助の種類や給付方法
■資料「被保護者調査」結果
■財源
■基本原理と基本原則

1つずつ再確認していきます。


利用者負担はありません(医療扶助、介護扶助)

 ■「生活保護法」による介護扶助においては、利用者負担はない。 
(令和元年後期)

前回解説した介護保険制度の利用者負担は、
原則1割負担で、所得によって2割、3割の負担でしたね。
しかし、生活保護制度における介護扶助には利用者負担はありません。

8種類の扶助のうち、医療扶助と介護扶助は金銭ではなく現物(サービス)給付となりますが、かかった料金は国から直接医療機関、介護事業者へと支払われ、本人が負担することはありません。

 
8種類の扶助

■生活保護制度の扶助の種類は、生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の8つである。
(平成30年後期)

→生活保護には8種類の扶助があります。
生活扶助、
教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助


■生活保護制度の扶助の種類の一つに、「教育扶助」がある。
(平成29年後期)
■小学校の給食費は、教育扶助として給付される。
(平成29年前期)
■幼稚園の教育費は教育扶助の対象になる。
(平成26年)

→「教育扶助」は義務教育に関する費用の給付です。


■高等学校の授業料は、生活保護制度においては支給されない。
(平成27年地域)
■ 技能習得費は生業扶助の対象になる。
(平成26年)

→高等学校の授業料は生活保護の中の生業扶助です。
生業扶助には、生業費、技能修得費、就職支度費があります。



■住宅の補修などは住宅扶助の対象とはならない。
(平成26年)
■住宅扶助は、地域によって基準額が異なる。 
(平成29年前期)

→住宅扶助は家賃や住宅の補修の給付です。
級地制度といって地域差を設けています。


生活保護制度の扶助の給付方法は、金銭給付のみである。 
(平成29年後期)
■ 医療扶助は原則として現金給付で行われる。 
(平成26年)

→医療扶助と介護扶助は現物支給、それ以外は金銭支給ということをおさえます。


 
「被保護者調査」結果

■「被保護者調査(平成 27 年度(月次調査確定値))」(厚生労働省)によると、平成 27 年度の保護開始の理由の中で、「傷病による」が全体の約4分の1を占めている。
(平成30年後期)

  「被保護者調査(平成 27 年度(月次調査確定値))」(厚生労働省)によると、平成 27 年度の世帯類型別世帯数の割合は、「母子世帯」が最も多く、全体の約半数を占めている。
(平成30年後期)

■近年の生活保護制度の世帯類型別の被保護世帯数の動向は、高齢者世帯が一貫して増加傾向にある。
(平成29年後期)

毎年更新される資料ですが、結果に大きな変化はありません。

(ポイント)
・8つの扶助の中では生活扶助が最も多い。
・被保護世帯数を世帯類型別にみると高齢者世帯が最も多く、増加している。
・保護開始理由は「 貯金等の減少・喪失」「傷病による」「働きによる収入の減少・喪失」の順で多くなっている。
 
財源

■生活保護制度の保護費は、国が2分の1を負担し、都道府県、市、福祉事務所を設置する町村が2分の1を負担している。
(平成30年後期)

■「生活保護法」による扶助は、国が4分の3を、都道府県、市、福祉事務所を設置する町村が4分の1を負担している。
(平成26年再)

生活保護制度の財源は、国が4分の3、地方自治体が4分の1です。
ちなみに前回まとめた介護保険の財源は、公費が50%となり、国(25%)都道府県(12.5%)市町村(12.5%)という内訳でした。
 
国の負担だけを見ると、生活保護は4分の3、介護保険は4分の1ということです。

 
基本原理と基本原則

■生活保護制度の基本原理の一つに、「保護の補足性」の原理がある。 
(平成29年後期)

■生活保護制度の原則の一つに、「申請保護の原則」がある。  
(平成29年後期)
 
■申請後の資産調査の結果、保護の対象外となる場合がある。
(平成29年前期)

自分でできるかぎりのことを行ってそれでも必要である場合に、最低限度の生活を維持するために生活保護が適用される(つまり、必要でないと判断されると保護の対象外になる)という「保護の補足性」が2回連続で出題されています。



これらのポイントをもとに、次回は生活保護制度のテストを予定しています。