「社会福祉」の社会保障に関する内容(生活保護や年金、介護保険など)を分析しています。
平成26年までさかのぼって出題内容を一覧にしました。


生活保護

介護保険

雇用保険

年金

労災

医療保険

令和元年後




平成31年前



平成30年後        





平成30年前



平成29年後





平成29年前






平成28年後




平成28年前






平成27年地






平成27






平成26年再

平成26






今は医療保険の問題を解説しています。
今回は、平成27年試験の問題です。
問題はこちらです。



平成27年試験 問9
 
次の文は、医療保険制度に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 出産育児一時金は、国民健康保険においても支給される。
B 公務員は、国民健康保険に加入する。
C 健康保険の保険者は、市町村である。
D 傷病手当金は、療養が終了するまで支給期間の定めなく支給される。
 
(組み合わせ)  
   A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × × ×
3 × ○ ○ ×
4 × × ○ ×
5 × × × ×

解答テクニックとしては、Dの支給期間の定めなくの部分に着目することです。
もしこれが正しい内容であれば、わざわざ問題にしません。
支給期間に定めがあるからこそ、このような問題が作成されたということを読み取ります。


では、設問を1つずつみていきます。

A 出産育児一時金は、国民健康保険においても支給される。

→◯

出産育児一時金とは、出産に対して42万円(40万4千円の場合があります)が支給されることです。
公的医療保険(健康保険、国民健康保険、共済組合、船員保険など)に加入している人やその家族に支給されます。
被保険者だけでなく、例えば会社員の妻など、被保険者の扶養者も対象ということですね。

「健康保険法」第101条に定められています。
被保険者が出産したときは、出産育児一時金として、政令で定める金額を支給する。」


出産経験のある方はご存知だと思いますが、医療保険から本人へ42万円を支給するのではなく、医療保険から出産した医療機関に直接この42万円が支払われます。
出産費用が42万円を超える場合はその差額を本人が支払い、42万円よりも少ない場合はその差額を受け取ることになります。
私の場合は出産費用に60万くらいかかったので、退院時に18万ほどを支払いました。


そして昨日も少し説明しましたが、この出産育児一時金と似た名称のものに、出産手当金があります。
「健康保険法」第102条に定められています。
被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前四十二日(多胎妊娠の場合においては、九十八日)から出産の日後五十六日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する。」

これは出産に関して、出産前後に仕事を休んだことで受け取ることができない給料の代わりに支給される手当です。
健康保険、船員保険、共済組合の被保険者については要件を満たすと支給されますが、国民健康保険の被保険者は原則支給がありません。
支給の義務はありませんが、給付は任意であるため、保険者である都道府県・市町村が実施を決めることになります。

つまり出産手当金については誰でももらえるわけではないということですね。
よって、保育士試験では出産手当金の支給対象者は出題されにくいと考えられます。


B 公務員は、国民健康保険に加入する。

→×

公務員は共済組合に加入します。
国民健康保険とは、自営業者や無職などを対象とした医療保険でしたね。


C 健康保険の保険者は、市町村である。

→×

健康保険とは会社員やその扶養家族を対象としている医療保険です。
健康保険の中には2種類があり、中小企業を対象とした「全国健康保険協会(協会けんぽ)」、大企業を対象とした「組合健保」があります。
よって、これらが保険者となります。

また、問題文にある市町村が保険者となるのは国民健康保険です。
ただこれは出題された平成27年時点での情報で、その後、平成30年度からは都道府県と市町村が保険者と変更されました。
これまで市町村が主体となっていましたが、都道府県が大きく関与することになりました。
変更されてからは出題がないため、今後出題される可能性があります。



D 傷病手当金は、療養が終了するまで支給期間の定めなく支給される。

→×

支給期間は1年半と決められています。

傷病手当金
は、ケガや病気によって仕事ができない場合の生活保障として支給されます。
出産手当金同様に、誰でももらえるというわけではありません。
基本的に会社員や公務員などに支給され、国民健康保険に加入している自営業者などは原則支給がありません。
また、似た言葉に雇用保険の「傷病手当」がありますが、こちらは保育士試験に出題されていません

「健康保険法」第99条にこの傷病手当金が定められており、第4項にて、問題文にある支給期間が定められています。
第1項
 被保険者が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して三日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。」

第4項
「傷病手当金の支給期間は、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から起算して一年六月を超えないものとする。」



この平成27年試験の問9は医療保険について細かく出題されていました。
これ以降は細かい出題はありませんので、最近は医療保険に関しては出題されにくい傾向にあるのかなと感じます。
ただ、この過去問の内容は勉強しておきたいですね。

次回も医療保険についてです。