保育士試験まで、今日を含めてあと62日となりました。
新型コロナウイルス感染症が保育士試験にどのように影響するか心配ですね。
今は大学受験の時期ですので、各大学の入試案内をホームページで確認したところ、コロナウイルスの感染者はインフルエンザなどと同様に、受験生や監督者への感染の恐れがあるため受験ができないようになっています。

4月の保育士試験はインフルエンザの心配は少ない時期ですが、コロナウイルスは予測できない怖さがあります。
再試験はないでしょうから、感染して受験できなくなってしまう方がいたらとても残念です。


さて、令和元年後期試験「社会福祉」の問題を解説しています。
今回は問11の人物問題です。


令和元年後期試験 問11
 
次の文は、ソーシャルワークの成り立ちに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A ケースワークの源流は、イギリスにおけるチャルマーズ(Chalmers, T.)の隣友運動とロンドンの慈善組織協会の活動である。

B セツルメント活動は、ロンドンのバーネット夫妻(Barnett, S & H)によるハル・ハウス、さらにはアダムズ(Addams, J.)の設立したシカゴのトインビーホールを拠点として展開された。

C バートレット(Bartlett, H.)は、ケースワークを理論的に体系化し、『社会診断論』、『ソーシャル・ケースワークとは何か』など多くの著書を出版した。

D パールマン(Perlman, H.H.)は、ケースワークの構成要素として「4つのP(人、問題、場所、 過程)」をあげている。

 (組み合わせ)
 A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

ソーシャルワークを簡単に言うと「社会福祉における相談援助」です。
困っている人に対して、どのような支援やサポートをしていくかということになりますね。

今回の問題では、それぞれの人物がどのような理論や仕組みを展開したかが問われています。
いわゆる人物問題ということです。
教科書にも出てこないような見慣れない人物も登場したため、難しい印象があります。

1つずつ見ていきます。

A ケースワークの源流は、イギリスにおけるチャルマーズ(Chalmers, T.)の隣友運動とロンドンの慈善組織協会の活動である。

→◯

チャルマーズとはスコットランドの牧師、神学者です。
チャルマーズは、教区(=教会の行政単位)を区分けしてボランティアで貧困家庭へ訪問活動を行う隣友運動友愛活動といいます)を実践し、その活動が慈善組織教会(COS)の活動に受け継がれています。
問題文にありますように、これはケースワークのみなもとです。
つまり、友愛活動がケースワーク(個別援助活動)に発展したということですね。

チャルマーズは、おそらく初登場の人物で(大昔に出てきたことがあるかもしれませんが見つかりませんでした)ほとんどの教科書や参考書にも載っていません。
調べてみると社会福祉士や精神保健福祉士の過去問に登場していました。
この問題をきっかけに、今後は保育士試験でも時々出てくるのではないでしょうか。
 


B セツルメント活動は、ロンドンのバーネット夫妻(Barnett, S & H)によるハル・ハウス、さらにはアダムズ(Addams, J.)の設立したシカゴのトインビーホールを拠点として展開された。


 →×

ハル・ハウスを設立したのはジェーン・アダムズで、トインビーホール設立したのがバーネット夫婦です。
これは教科書にも必ずある内容だと思いますので、確実に答えたいですね。
 


C バートレット(Bartlett, H.)は、ケースワークを理論的に体系化し、『社会診断論』、『ソーシャ ル・ケースワークとは何か』など多くの著書を出版した。


→×

バートレットではなくリッチモンドです。
リッチモンドのキーワードとしては、「ケースワークの母」、著書『社会診断論』『ソーシャル・ケースワークとは何か』です。
リッチモンドは平成30年前期試験にも出題されています。

問題文のバートレットも、Aのチャルマーズ同様にめったに登場しない人物です。(調べたところ平成18年に出題がありました)
アメリカの社会福祉学者であるバートレットは医療ソーシャルワークを発展させた人物で、主な著書に『社会福祉実践の共通基盤』があります。
バートレットは社会福祉士や介護福祉士の試験に出題されています。



D パールマン(Perlman, H.H.)は、ケースワークの構成要素として「4つのP(人、問題、場所、 過程)」をあげている。

→◯

文章の通りです。
パールマン(Perlman)の「4つのP」は覚えやすいですね。
 
 

以上、問11の解説でした。
人物問題自体あまり出題がない上に、今回はおそらく保育士試験初登場の人物が出てきました。
これまでの社会福祉の問題とは違う印象を受けるので、問題作成者が変わったような気がしますね。
そして次の試験もこの方が作られるのであれば、また人物問題が出題される可能性が高いように感じます。
まずは教科書に載っている人物や過去問に出てきた人物を確実におさえたいです。

次回は、社会福祉におけるこれまでの人物問題をピックアップし、今後出題されそうな人物についてもまとめたいと思います。