令和元年後期試験「社会福祉」では、平成27年試験以来の事例問題が出題されました。
事例問題はより多くの問題を解いて慣れることが重要だと思いますので、平成27年以前の問題を紹介します。



平成27年試験 問10
 
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Y児童養護施設に入所しているFちゃん(12 歳)の母親Gさん(39 歳)は、統合失調症で入退院を繰り返している。そのGさんから苦情の電話が入り、Fちゃんの担当保育士 Pは面談の約束をした。約束の日、保育士Pは、Gさんの訪問時に相談室に案内した。保育士Pは、Fちゃんの担当になって日が浅く、Gさんと会うのは初めてだった。また、保育士Pは、Y児童養護施設において、苦情受付担当者となっている。

【設問】 次の文は、この相談時の保育士Pの対応に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 通常の相談と異なり苦情の対応なので、保育士Pは初対面のあいさつも簡単に済ませて、苦情内容を聴取し、どんな事柄に関して訴えられているのか確かめるために質問を繰り返した。

B 保育士Pは、Gさんの怒りの感情を表出させるべきだと考え、Gさんの話が支離滅裂な内容となっているにもかかわらず、何時間も傾聴を続けた。

C Gさんが相談室に入ってからもなかなか話すことができず沈黙を続けていたが、その間、保育士Pはその表情や仕草を見ていたものの、無理に話させようとはしなかった。

D Gさんが統合失調症であり、保育士Pは対応に自信がなかったので、同席した主任保育士にほとんどの相談対応を代わってもらい、保育士Pはかたわらに同席して苦情対応の仕方を学んだ。

(組み合わせ)
    A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 × ○ × ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○

状況としては事例問題の中では特殊なケースかもしれません。
一見難しそうですが、Aの「繰り返し」Bの「何時間も」は常識的に考えて誤りと判断できますね。
誤りを含む文章にはこのような分かりやすい言葉がありますので、これに気づくことがポイントです。
正解は5です。



平成26年再試験 問13
 
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】 K市では、子育て支援のための電話相談活動を行っている。次の記述は、ある電話相談活動における最初の会話である。 相談員M「もしもし、こちら子育て相談室です。どのようなご相談ですか。」 母親N「あのー、10 か月になる娘がおりまして、夜泣きがひどいので、私があまり眠れなくて、それでどうしたらよいかと思いまして。それにいらいらすると時々子どもをたたいてしまうんです。」

【設問】次の文は、この会話の直後の展開に関する記述である。最も適切な記述を一つ選びなさい。

1 相談員Mは「そんなたたくなんてこと、絶対してはいけませんよ」とたしなめた。
2 相談員Mは「どうして、そんなことしてしまうのですか」と詰問した。
3 相談員Mは「いらいらした時、何かほかの方法で自分の感情のはけ口を見つけられませんか」と質問した。
4 相談員Mは「いらいらするとお子さんをたたいてしまうことがあるんですね」と受け止めた。
5 相談員Mは「なぜ夜泣きがひどいのか、原因は思い当たりますか」と質問した。
 

まずは相手の相談を受け止めることが重要です。
電話をかけたということは、話を聞いてほしい、助けてほしい、解決方法を教えてほしいなど、
相談員に何かしら期待しています。
最初の対応として、注意や問い詰めるようなことは不適切です。
正解は4です。


平成26年試験 問12
 
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
G児童家庭支援センターに、30 歳女性Hさんが娘のJちゃん(3歳女児)と一緒に来所した。K相談員が面接室に案内すると、「昨夜、娘の手をちょっとたたいてしまったんです」と泣きながら話した。このようなことは今回が初めてのようだった。K相談員が話を聞くうち、来所した真意は、育児に協力してくれる人や相談できる人が身近にいないことによる孤立感であることがわかった。この面談の後、K相談員はHさんとともに別室にいたJちゃんのもとへ行き、全身にあざがないことなどを確認した。

【設問】 次の文は、K相談員の対応に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 子育て中の母親同士が集う、地域の子育て拠点や地域の子育てサークルなどを紹介する。  
B 母親自身の精神的な問題が原因であることを認識させ、精神科の受診をすすめる。
C たたくという行為は程度を問わず身体的虐待であり、ただちに児童相談所へ通告する必要があることを伝える。
D 子ども本人の安全の確保を最優先し、ただちに緊急一時保護の手続きを行う。

(組み合わせ)  
  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ○

来所した真意が孤立感であること、子どもの全身にあざがないことが確認できたこと、この2つのポイントをおさえれば答えがわかりますね。
正解は3です。

 

平成26年試験 問13
 
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】 脳性まひで重度の心身障害がある5歳女児Nちゃんは、M保育所に週3回通っている。その他、児童発達支援センターに週1回通所しており、訪問看護ステーションを週1回利用している。Nちゃんに関わる専門職が、チームアプローチによる支援を行っている。

【設問】 次の文は、チームアプローチにおける支援に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 専門職チームで保護者の同意を得ずに支援方針を決定する。
B 保護者を含めた関係者によるカンファレンスを定期的に行う。
C 支援内容について、必ず近隣住民に説明し、理解を得なければならない。
D 緊急時の対応方法について、カンファレンスにおいて共通認識を図る必要がある。

(組み合わせ)  
  A B C D
1 ○ ○ ○ ○
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

一見専門知識が必要であるような問題ですが、「誰と情報共有をする必要があるか」ということは常識的に判断できそうです。
正解は4です。




平成26年試験 問14
 
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】 R保育所を利用している3歳児の男児Sちゃんのことばの発達が、他の児より遅れていることに担当保育士が気付いた。カンファレンスを行ったところ、他の保育士にも同様の気付きがあることがわかった。Sちゃんの保護者からは、この件について相談されたことはない。

【設問】 次の文は、保育士としての対応に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 保護者から相談されるまでは、対応しない。
B 送迎時に、Sちゃんの現状を保護者に伝え、家庭での状況を聴き、場合によっては専門機関を紹介する。
C 保護者には伝えず、専門機関に来所と診断を依頼する。
D 専門機関の意見を聞かず、自分達なりに考えて言語療法を試みる。

(組み合わせ)  
   A B C D
1 ○ × ○ ×
2 ○ × × ○
3 ○ × × ×
4 × ○ × ○
5 × ○ × ×

保育所では、保護者支援や関係機関との連携や協働を図ることも大切です。
正解は5です。

保育所保育指針では、以下のような記載があります。
・子どもに障害や発達上の課題が見られる場合には、市町村や関係機関と連携及び協力を図りつつ、保護者に対する個別の支援を行うよう努めること。


以上、事例問題についていくつかの過去問を紹介しました。
ほとんど専門知識を必要としないので、出題されたら確実にとりたいですね。

次回は問13の解説です。