令和2年前期試験まで1ヶ月を切り、試験会場もほとんど決まって現時点であと9県となりました。
埼玉県は一度埼玉大学に決まっていましたが、また調整中になっていますね。
コロナ関連の影響もあるのかもしれません。
ホームページを確認しつつ、4月2日から発送される受験票で最終的に確認できますね。


さて、前回解説しましたように令和元年後期試験「社会福祉」問18は『厚生労働白書』からの出題でした。
「社会福祉」は資料からの出題がほとんどなく、社会的養護のように資料を集めて勉強するというような作業はあまり必要ではありません。
この『厚生労働白書』は「社会福祉」において今後も出題が考えられます。
とは言っても一つ一つの資料が膨大な量なので、これから全部読み込むということはおすすめしません。
時間もかかりますし、ここから出題ポイントをつかむことも難しいからです。
一般的な知識やこれまでの学習で培った知識で解ける問題もあるので安心してください。

前回も書きましたが、『厚生労働白書』は毎年取り上げる報告内容が異なります。
そのため保育士試験では最新の平成30年版から出題されるのではなく、さまざまな年度から出題されると思われます。
「社会福祉」「児童家庭福祉」におけるこれまでの出題をピックアップしました。


平成29年前期試験「児童家庭福祉」問17
 
次の文は、平成 27 年度版「厚生労働白書」の妊娠出産支援についての記述である。 ( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

平成 27 年度からは、妊娠期から子育て期にわたるまでの様々なニーズに対して総合的相談支援を提供するワンストップ拠点(子育て世代包括支援センター)を立ち上げ、保健師、助産師、ソーシャルワーカー等のコーディネーターが( A )妊産婦等の状況を継続的に把握し、必要に応じて支援プランを作成することにより、妊産婦等に対し( B ) 支援の実施を図っているところである。
なお、子育て世代包括支援センターは、子ども・子育て支援新制度の( C )における利用者支援事業の( D )として実施することとしており、保健師等の専門職が全ての妊産婦を対象に、「利用者支援」と「地域連携」の両方を行う形態となる。
(組み合わせ)
            A                   B                            C                      D
1  すべての         切れ目のない         地域型保育事業     地域保健型
2 ニーズの高い   切れ目のない         地域型保育            母子保健型
3 ニーズの高い   ニーズに対する      地域型給付事業     地域保健型
4  すべての         切れ目のない         地域子ども・子育て支援事業  母子保健型
5 ニーズの高い   ニーズに対する       地域型保育            地域保健型


平成27年版のテーマは「人口減少を考える」です。
問題では子育て世代包括支援センターについて問われました。
穴の部分はキーワードですので、どのようなものかを理解していればこの資料を読んでいなくても解くことができます。
答えは4です。
また、子育て世代包括支援センターの学習ポイントはこちらに書いています。
 


平成28年前期試験「児童家庭福祉」問11
 
平成 24 年版「厚生労働白書」における年齢層別人口構成比では、15 歳未満の割合は先進諸国の中で日本が最も低く 13 . 3%であった。


◯×問題で、こちらは正しい表記です。
平成24年版
のテーマは「社会保障を考える」です。
日本の出生数は年々減っており、世界的に見ても少子化の状況であるということですね。


平成25年試験「社会福祉」問4
 
2000(平成 12)年版の「厚生白書」では、生活保護に関して、「就労体験、福祉的就労、ボランティア等のプログラムや交流の場に参加してもらい、社会とのつながりを結 び直す支援を講じる」としているが、その担い手として、NPO等の「新しい公共」を 活用すると記述している。


◯×問題で、こちらは誤りです。
平成12年版のテーマは高齢者、介護制度です。
平成12年は厚生白書、平成13年から厚生労働白書という名称です。
平成25年の試験に平成12年の資料を出題するというのは少し古いと思いますよね。
実はこの問題文は平成22年版の厚生労働白書の一部ですので、年度が誤りということになります。
平成22年版は、「参加型社会保障(ポジティブ・ウェルフェア)の確立に向けて」という内容が盛り込まれています。


神奈川県独自試験 平成31年試験「社会福祉」問13
 
次の文は、「平成29年版厚生労働白書」(厚生労働省)で述べられている国際社会の動向に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 WHOは、全ての人々が可能な最高の健康水準に到達することを目的とし、感染症対策、医薬品・食品安全対策、健康増進対策等を行う国際機関である。

2 OECDは、先進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて、経済成長、貿易自由化、 途上国支援に貢献することを目的とした先進諸国からなる国際機関である。

3 ASEANは、労働条件の改善を通じて社会正義の実現等に寄与することを目的として、雇用・労働の分野における国際的な取組みを行う機関である。

4 OECDは、経済危機後に最も不利な立場に置かれた15~29歳の若者(ニート)の状況を分析・評価するとともに、彼らの技能を育成し自立へ導くより効果的な政策立案を 支援することを目的とした「ニートプロジェクト」を実施している。

5 厚生労働省は、WHOを通じて、鳥・新型インフルエンザやエボラ出血熱などの公衆衛生上の危機への対応強化に努めている。


平成29年版のテーマは「社会保障と経済成長」です。

誤りは3で、これはILO(国際労働機関)の説明です。
ASEANとは 東南アジア諸国連合のことで、東南アジア地域の10カ国の地域協力機構です。
 


問題文に「『厚生労働白書』からの出題」とあると構えてしまいますが、実は頭にある知識で解ける問題も多いということですね。