前回に引き続き、ほぼ毎回出題されている社会福祉の関係機関や施設等に関する問題の過去問をピックアップします。
例えば、保健所を定めている法律は何か?ということです。
学習の穴がないか、ご確認ください。





平成30年前期試験 問5
 
次の文は、地方公共団体の社会福祉相談支援機関に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 「社会福祉法」に定められている福祉事務所は、都道府県、市(特別区を含む)、町、村に、必ず設置されなければならない。

B 「児童福祉法」に定められている児童相談所は、児童養護施設の入所に関する措置権限をもった機関である。

C 「知的障害者福祉法」に定められている知的障害者更生相談所では、発達障害者に交付する精神保健福祉手帳申請の判定を行っている。

D 「売春防止法」に定められている婦人相談所は、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)」の配偶者暴力相談支援センターとしての機能も果たしている。

(組み合わせ)  
   A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

文章の前半は全て正しい記述で、それぞれの機関と根拠方法は問題文にある通りです。

A「社会福祉法」福祉事務所
B 「児童福祉法」児童相談所
C 「知的障害者福祉法」知的障害者更生相談所
D 「売春防止法」婦人相談所

問題文の後半の内容面に誤りがあります。

A 福祉事務所の設置について、町村は任意です。
C 精神障害者保健福祉手帳(問題文では精神保健福祉手帳となっています)の判定や手帳の交付は精神保健福祉センターが行います。
この手帳は「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」に定められており、発達障害者を含め、精神疾患がある人に交付されるものです。
また、知的障害者更生相談所で判定、交付されるのは「療育手帳」です。

答え 4

3種類の手帳についてまとめます。

手帳名

対象者

根拠法

判定を行う機関

精神障害者保健福祉手帳

精神疾患のある者(発達障害者を含む)

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律

精神保健福祉センター

身体障害者手帳

身体障害のある者

身体障害者福祉法

身体障害者更生相談所

療育手帳

知的障害のある者

知的障害者福祉法

知的障害者更生相談所



平成29年後期試験 問14
 
次のうち、相談支援機関とその根拠法として適切なものを〇、不適切なものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 保健所         ― 「健康増進法」
B 発達障害者支援センター ― 「発達障害者支援法」
C 児童発達支援センター  ― 「児童福祉法」
D 児童家庭支援センター  ― 「児童福祉法」

(組み合わせ)
    A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ×

A 保健所の根拠法は「地域保健法」です。
この法律では地域住民の健康の保持や増進に貢献することを目的としており、保健所の設置を定めています。
問題文の「健康増進法」とは、国民の健康維持や現代病の予防を目的としています。
「社会福祉」の科目には出てこないので×とわかりますね。
これは「子どもの食と栄養」の科目に出てくる法律で、「日本人の食事摂取基準」は「健康増進法」に基づいて厚生労働大臣が定めています。


まとめ
保健所         ― 「地域保健法」
発達障害者支援センター ― 「発達障害者支援法」
児童発達支援センター  ― 「児童福祉法」
児童家庭支援センター  ― 「児童福祉法」


答え 4

平成29年後期試験 問16
 
次の文は、社会福祉施設等に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 母子生活支援施設と助産施設は、「児童福祉法」に基づく児童福祉施設である。

B 母子・父子福祉センターと母子・父子休養ホームは、「母子及び父子並びに寡婦福祉法」に基づく母子・父子福祉施設である。

C 身体障害者福祉センターと視聴覚障害者情報提供施設は、「身体障害者福祉法」に基づく身体障害者社会参加支援施設である。

D 介護老人保健施設と養護老人ホームは、「老人福祉法」に基づく老人福祉施設である。

 (組み合わせ)
    A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×


D 介護老人保健施設は「介護保険法」、養護老人ホームは「老人福祉法」にそれぞれもとづきます。
高齢者に関する施設は少しややこしいため、紛らわしい4つの施設の特徴を紹介します。


介護老人福祉施設
在宅介護が困難な要介護高齢者が生涯にわたって入居する施設です。
「介護保険法」を根拠としているため介護保険が適用されます。
また、「老人福祉法」では、特別養護老人ホームという名称で定められており、介護老人福祉施設と同じものです。
平成29年後期試験の問10では、「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」として出題されています。


介護老人保健施設
老健(ろうけん)とも呼ばれ、リハビリを行なって在宅復帰を目指す施設です。
「介護保険法」を根拠としているため介護保険が適用されます。


養護老人ホーム
生活環境や経済的な理由で在宅生活が困難な高齢者を入所させて養護する施設です。
例えば、年金がない、家がない、頼れる家族がいない高齢者などです。
常時の介護を必要としないものが対象であり、介護施設ではないことがポイントです。
「老人福祉法」を根拠とした施設です。


軽費老人ホーム
軽費とは少ない費用という意味です。
つまり低い料金でサービスを受けられるという特徴があります。
自立生活が不安な方や頼れる家族がいないものなどが対象です。
原則的に、自立しているものや要支援のものが対象ですが、介護サービスを受けられる介護型の軽費老人ホームもあります。
「老人福祉法」を根拠とした施設です。


まとめ

施設名

対象者と目的

根拠法

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

在宅介護が困難な要介護高齢者を終身にわたって入居させ、介護を行う

介護保険法
老人福祉法       

介護老人保健施設

要介護高齢者へのリハビリを中心とした介護を行い、在宅復帰を目指す

介護保険法

養護老人ホーム

環境や経済的に困窮した、常時の介護を必要としない高齢者を養護する

老人福祉法

軽費老人ホーム

比較的低い料金でサービスを受けられる、自立生活が不安な高齢者を入居させ、サービスを提供する

老人福祉法



答え 1



いかがでしたでしょうか?
次回に続きます。