「社会福祉」の科目における「社会福祉協議会」に関した問題解説を続けています。
今回は12回目です。

社会福祉協議会に関する問題の出題一覧は下の表です。
今回は神奈川県試験の平成30年試験の問17の内容面を確認します。

平成31年前期

4、問17

平成30年後期

17、問18

平成29年後期

6

平成28年後期

9、問14

平成28年前期

18

平成27年地域

20

平成26年再

15

平成26

16、問17、問18、問19


【神奈川県】

平成30年  

17         

平成29

6、問8     






神奈川県平成30年試験 問17
 
次の文は、地域福祉の推進組織と担い手に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 「民生委員」は、人格識見高い地域住民の中から、都道府県知事の推薦により厚生労働大臣から委嘱される。
2 「社会福祉協議会」は、社会福祉法に基づく非営利の民間組織である。
3 「社会福祉協議会」は、社会福祉を目的とする事業の企画及び実施や社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助などを行っている。
4 「赤い羽根共同募金運動」は、毎年10月1日から翌年3月31日までの間実施される。
5 社会福祉協議会が窓口となっている「ボランティア活動保険」は、地域住民のあらゆるボランティア活動を保障する。

2、3、5が社会福祉協議会に関するものですが、全て解説します。

ちなみに、この問題の答えはおそらく5ですが、他の文章にも不適切な内容があったため、受験者全員が合格となっています。
私は選択肢の4の文章かな?と考えていますがどうでしょうか。


1 「民生委員」は、人格識見高い地域住民の中から、都道府県知事の推薦により厚生労働大臣から委嘱される。

→〇

「民生委員法」の第5条、第6条を含んだ文章です。
識見(しきけん)とは物事を正しく見分ける力のことです。

第5条「民生委員は、都道府県知事の推薦によつて、厚生労働大臣がこれを委嘱する。」

第6条「民生委員推薦会が、民生委員を推薦するに当つては、当該市町村の議会(特別区の議会を含む。以下同じ。)の議員の選挙権を有する者のうち、人格識見高く、広く社会の実情に通じ、且つ、社会福祉の増進に熱意のある者であつて児童福祉法の児童委員としても、適当である者について、これを行わなければならない。」


2 「社会福祉協議会」は、社会福祉法に基づく非営利の民間組織である。

→〇

何度も出題されていますように、社会福祉協議会は「社会福祉法」に「地域福祉の推進を図ることを目的とする団体」と定められていましたね。
そして「民間組織」であることも何度か出題されています。

「非営利」という言葉はこれまで見てきた過去問には出てきませんが、社会福祉協議会は営利を目的としない団体ですね。
活動するための財源は、寄付金、共同募金の配分金、自治体からの補助金や委託金などとなり、これらによって成り立ちます。



3 「社会福祉協議会」は、社会福祉を目的とする事業の企画及び実施や社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助などを行っている。


→〇

この「社会福祉協議会」を市町村社会福祉協議会ととらえると、「社会福祉法」に定められています。
都道府県社会福祉協議会ととらえると×になるのですが、それは深読みにも感じます。

「社会福祉法」第109条第1項(市町村社会福祉協議会)第1号と第2号の内容ですね。

一 社会福祉を目的とする事業の企画及び実施
二 社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助
三 社会福祉を目的とする事業に関する調査、普及、宣伝、連絡、調整及び助成
四 前三号に掲げる事業のほか、社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るために必要な事業


すでに解説している平成29年後期試験では、このうち第2号が出題されていましたね。



4 「赤い羽根共同募金運動」は、毎年10月1日から翌年3月31日までの間実施される。


→これが微妙?

赤い羽根共同募金
ホームページにて、「共同募金運動の期間は10月1日から翌年3月31日までの6か月間で、全国一斉に行われます。」としています。
このように記載されていますので問題文も合っているように思えますが、問題文の「毎年」という部分が誤りと考えます。

共同募金は「社会福祉法」に定められており、その実施期間については「社会福祉法施行規則」第35条に「共同募金の実施期間は、厚生労働省告示で定める。」としています。

つまり、その年の期間は厚生労働省告示で定めるということです。

例えば、令和元年度の共同募金の期間は、共同募金ホームページにて、「令和元年度における共同募金の実施期間を令和元年10月1日から令和2年3月31日までと定めた」としています。

10月1日から翌年3月31日までが基本になりそうですが、このように厚生労働省告示で期間を定めるため、毎年(=過去も含めてどの年も?)10月1日から翌年3月31日とはなっていないということでしょうか。



5 社会福祉協議会が窓口となっている「ボランティア活動保険」は、地域住民のあらゆるボランティア活動を保障する。

→×

ボランティア活動保険とは、ボランティア活動中の死亡やケガ、賠償責任を補償する保険です。
この保険があらゆるボランティア活動を対象とするものではないことはイメージできるのではないしょうか。
ボランティア活動保険(ホームページ)では、対象とならないボランティア活動をあげています。
例えば、学校の管理下における先生や生徒のボランティア活動は対象外ですね。

内容とは関係がありませんが、「保障」「補償」の区別は難しいですね。


問17の解説は以上です。
次回に続きます。