「社会福祉」の科目における「社会福祉協議会」に関した問題解説を続けています。
今回は15回目です。

社会福祉協議会に関する問題の出題一覧は下の表です。
今回はこの表にはないのですが、平成30年前期試験の問17を解説します。
問題文に社会福祉協議会は出てきていませんが、内容面は社会福祉協議会に関係があるため、この問題も追加で解説したいと思います。

平成31年前期

4、問17

平成30年後期

17、問18

平成29年後期

6

平成28年後期

9、問14

平成28年前期

18

平成27年地域

20

平成26年再

15

平成26

16、問17、問18、問19


【神奈川県】

平成30年  

17         

平成29

6、問8     






平成30年前期試験 問17
 
次の文は、福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A サービスの利用料は、原則として利用者が負担する。
B 利用者が申請することは可能である。
C 利用者は、原則として 65 歳以上の者である。
D 実施主体は、本事業の実施状況を運営適正化委員会に定期的に報告することとされている。

(組み合わせ)  
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○

前回解説していますように、日常生活自立支援事業とは「認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等のうち判断能力が不十分な方が地域において自立した生活が送れるよう、利用者との契約に基づき、福祉サービスの利用援助等を行うもの」(厚生労働省)です。
つまり、自分一人で判断するには不安があるという方を対象として、契約や支払いなどをお手伝いするものでしたね。

また、日常生活自立支援事業の実施主体は、都道府県社会福祉協議会または指定都市社会福祉協議会です。
ただし、事業の一部を、市区町村社会福祉協議会等に委託できることもポイントでした。

この問題ではもう少し細かいところが問われています。
特にDは難しく、どこから出されたのかな?と調べたところ、「日常生活自立支援事業実施要領」に定められている内容でした。
この要領は厚生労働省からは見つけられず、全国社会福祉協議会のホームページで見つけることができました。(探し方が悪いのか?なかなか苦戦しました。)


AからDは、

厚生労働省の日常生活自立支援事業の解説ページ
■全国社会福祉協議会の日常生活自立支援事業なるほど質問箱
■全国社会福祉協議会の日常生活自立支援事業の今後の展開に向けての99ページから掲載されている「日常生活自立支援事業実施要領」

この3つをもとに解説します。


A サービスの利用料は、原則として利用者が負担する。

→◯

「原則として」とは、決まりごとの中で例外も含めるという表現です。
このような表現の場合は、正しい文章であることが多いです。

日常生活自立支援事業なるほど質問箱の5ページ目には、「相談や支援計画の作成にかかる費用は無料です。福祉サービス利用手続き、金銭管理などのサービスを利用する際は料金がかかります。 ※生活保護を受けている方は、利用料を国と都道府県・指定都市が助成します。」とあります。

問題文の通り、利用料は原則として利用者負担であり、例外として生活保護を受けている方は無料ということですね。

 

B 利用者が申請することは可能である。

→◯

厚生労働省では申請(相談)は利用希望者が行うとしています。
また、 日常生活自立支援事業なるほど質問箱の5ページ目に「本人以外でも、家族など身近な方、行政 の窓口、地域包括支援センター、民生委員、介護支援専門員や在宅福祉サービス事業者などを通じてのお問い合せにも対応します。」としています。 
申請窓口は市町村の社会福祉協議会等になります。


C 利用者は、原則として 65 歳以上の者である。

→×

対象者(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等のうち判断能力が不十分な方)の年齢制限はありません。

※対象者については、「日常生活自立支援事業実施要領」に載っています。
(実施要領は全国社会福祉協議会の日常生活自立支援事業の今後の展開に向けての99ページから掲載)

本事業の対象者は、次のいずれにも該当する者とする。

(ア)判断能力が不十分な者(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等であって、日常生活を営むのに必要なサービスを利用するための情報の入手、理解、判断、意思表示を本人のみでは適切に行うことが困難な者をいう。)であること。

(イ)本事業の契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる者であること。



D 実施主体は、本事業の実施状況を運営適正化委員会に定期的に報告することとされている。

→◯

まず、日常生活自立支援事業の実施主体は、都道府県社会福祉協議会または指定都市社会福祉協議会でしたね。

「契約内容や本人の判断能力等の確認を行う「契約締結審査会」及び適性な運営を確保するための監督を行う第三者的機関である「運営適正化委員会」を設置する」としています。(厚生労働省

これは平成29年前期試験の問19にも出題されています。
「福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)を適正に実施するために、契約締結審査会と運営適正化委員会が設けられている。」→正しい内容です。

運営適正化委員会への定期的な報告については、「日常生活自立支援事業実施要領」に定められています。


実施主体は、社会福祉法第83条に基づき設置される運営適正化委員会に対し、4の(1)に規定する事業の実施状況(契約締結審査会による審査を含む。)について定期的に報告するほか、当該実施状況に関して運営適正化委員会が行う調査に協力するとともに、運営適正化委員会から勧告を受けたときは、これを尊重すること。」

問17の解説は以上です。

これまで保育士試験に出題された日常生活自立支援事業に関する問題のほとんどが、この「日常生活自立支援事業実施要領」に定められている内容です。
6ページから成り立つ短いものなので、一度読んでおくと良さそうですね。

次回は社会福祉協議会の学習ポイントまとめです。