引き続き、「社会福祉」における障害者福祉に関した過去問(つまり障害者に関係している問題)をピックアップしていきます。

今回は、平成28年後期試験を見ていきます。
問2、9、10、15、18、19の一部に、障害者に関した内容が出題されていました。
すでに解説済みの問題もありますが、ここでは障害者関連の文章のみをピックアップして一問一答形式にしています。
学習の穴がないかも改めてご確認ください。


問2  相談支援と相談機関の組み合わせ
 
C 障害児療育等相談支援

ア 児童発達支援センター
イ 福祉事務所
ウ 地域子育て支援拠点
エ 母子・父子福祉センターどちらも正しい文章です。

ア~エから結びつける問題で、Cと結びつくのはアです。

児童発達支援センターは「児童福祉法」に定められている児童福祉施設であり、通所施設であることや、福祉型と医療型があることが特徴です。
主な役割として、療育等の相談を受けたり、療育を提供したりしています。

問9 社会福祉の実施機関
 
A 市町村は、知的障害者更生相談所を設置しなければならない。

→×
市町村ではなく、正しくは都道府県です。
「知的障害者福祉法」では、都道府県に知的障害者更生相談所を設けなければいけないことを定めています。
第12条 都道府県は、知的障害者更生相談所を設けなければならない。

また、身体障害者更生相談所も同様に、都道府県に設置義務があります。
これは少し古いですが平成24年試験に出題されています。

全国に更生相談所はどれくらいあるのかな?と調べたところ、平成元年版 障害者白書(内閣府)の中に書いてありました。

①身体障害者更生相談所(2019年4月現在で全国77か所)

②知的障害者更生相談所(2019年4月現在で全国86か所)

③精神保健福祉センター(各都道府県・指定都市に設置)

ちなみに「障害者白書」は毎年6月に報告されているもので、今のところ平成元年版が最新版です。



問10 「障害者総合支援法」に基づく自立支援給付制度
 
A 自立支援医療は、障害児も給付対象である。
B 障害支援区分の認定は、市町村が行う。
D 地域移行支援の給付対象は、入院している精神障害者に限られる。

A→〇
自立支援医療とは、「心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度」です。自立支援医療制度の概要(厚生労働省)

「障害者総合支援法」が障害児も対象にしていることがポイントですね。
自立支援医療に関しても、対象を「障害者等」としており、障害児も含まれます。

B→〇
障害支援区分の認定は市町村が行うことを「障害者総合支援法」に定めています。

D→×
「地域移行支援」とは「障害者総合支援法」第5条第20項に定められており、障害者支援施設等に入所、精神科病院に入院している精神障害者が、地域生活へ移行(復帰)しようとする際の支援です。
つまり、入院している精神障害者に限られているのではなく、施設に入所している精神障害者も対象ということです。

問15 「障害者虐待防止法」についての記述
 
A 障害者を雇用する者から虐待を受けた障害者は、その旨を都道府県に届け出ることができる。
C 保育所等に通う障害者に対する虐待の防止についても定めている。
D 市町村は、養護者による虐待を受けている障害者について、一時的に保護することができる。

これらはすべて正しい記述です。
この問題は少し難しいですね。
それぞれに関わる条文のみを紹介します。

A「障害者虐待防止法」第22条第2項に定められています。
使用者による障害者虐待を受けた障害者は、その旨を市町村又は都道府県に届け出ることができる。
市町村または都道府県と定められており、問題文の「都道府県」は正しいということになります。

C「障害者虐待防止法」第30条に定められています。
 保育所等の長は、保育所等の職員その他の関係者に対する障害及び障害者に関する理解を深めるための研修の実施及び普及啓発、保育所等に通う障害者に対する虐待に関する相談に係る体制の整備、保育所等に通う障害者に対する虐待に対処するための措置その他の当該保育所等に通う障害者に対する虐待を防止するため必要な措置を講ずるものとする


D「障害者虐待防止法」第9条第2項に定められています。
 市町村は、第七条第一項の規定による通報又は前項に規定する届出があった場合には、当該通報又は届出に係る障害者に対する養護者による障害者虐待の防止及び当該障害者の保護が図られるよう、養護者による障害者虐待により生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認められる障害者を一時的に保護するため迅速に(略)措置を講ずるものとする。


問18 制定年並び替え
 
A 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)
B 「発達障害者支援法」
C 「児童虐待の防止等に関する法律」(児童虐待防止法)
D 「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(障害者虐待防止法)
E 「障害者基本法」

1 A→B→D→C→E
2 B→E→A→C→D
3 C→D→E→B→A
4 D→A→C→E→B
5 E→C→B→D→A

Cは障害は関係ありませんがこれも含めて解説します。

ポイントはEの「障害者基本法」です。
「障害者基本法」という名称で制定されたのではなく、1970年制定の「心身障害者対策基本法」を1993年に「障害者基本法」と改題しました。
よって「障害者基本法」の制定年は1970年とも1993年とも答えられるため、不適切問題のような気もしますね。
どちらにしても、この問題では最も古い法律となります。
A~Dが2000年以降に制定された比較的新しい法律であることが分かれば一発で答えを選ぶことができます。

こちらの解説もご覧ください。



問19 児童福祉施設が行う情報提供
 
D 福祉型障害児入所施設において、入所支援計画の作成に当たる際に、入所給付決定保護者及び障害児に対して説明を行い、文書によりその同意を得た。

正しい文章です。
これは、「児童福祉法に基づく指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関する基準」という「児童福祉法」に基づいて、指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関した基準を定めたものから出題されています。


この基準は、①総則(第1条~3条)②指定福祉型障害児入所施設(第4~51条)③指定医療型障害児入所施設(第52~57条)という構成です。

Dの文章は第21条第6項に定められています。

 児童発達支援管理責任者は、入所支援計画の作成に当たっては、入所給付決定保護者及び障害児に対し、当該入所支援計画について説明し、文書によりその同意を得なければならない。



次回に続きます。