引き続き、「社会福祉」における障害者福祉に関した過去問(つまり障害者に関係している問題)をピックアップしていきます。


今回は、平成27年地域限定試験を見ていきます。
問8、10、18の一部に、障害者に関した内容が出題されていました。
今回は3問だけなので少ないですが、内容は難しく感じました。


問8  障害者に対する施策
 
A 補聴器は、補装具費の支給対象となっている。
B 「障害者基本法」では、情報の利用におけるバリアフリー化が示されている。
C 手話通訳者の派遣は、市町村が実施する必須事業である。
D 「発達障害者支援法」には、障害者手帳の等級表が示されている。

ここまで勉強する必要があるのでしょうか?
このあたりまで出題されるとかなり難しくなってしまいます。

A→〇
補装具とは、例えば義肢、補聴器、車いすなどがあります。
障害者がこれらの購入や修理に要した費用を、市町村補装具費として支給します。
補装具費支給制度の概要(厚生労働省)に詳しい説明があります。

補装具費の支給については「障害者総合支援法」第76条第1項に定められています。
 市町村は、障害者又は障害児の保護者から申請があった場合において、当該申請に係る障害者等の障害の状態からみて、当該障害者等が補装具の購入、借受け又は修理を必要とする者であると認めるとき(補装具の借受けにあっては、補装具の借受けによることが適当である場合として厚生労働省令で定める場合に限る。)は、当該障害者又は障害児の保護者に対し、当該補装具の購入等に要した費用について、補装具費を支給する。ただし、当該申請に係る障害者等又はその属する世帯の他の世帯員のうち政令で定める者の所得が政令で定める基準以上であるときは、この限りでない。


B→〇
「障害者基本法」第22条は「情報の利用におけるバリアフリー化」を定めています。
これは障害者が情報を取得できないということがないように、ICTを利用しやすいようにするという施策を推進することです。

もう少し詳しいところまで勉強するとすると、情報アクセシビリティの法律上の位置づけ(内閣府)に説明があります。
「情報の利用におけるバリアフリー化に関しては、「情報を利用」「意思表示」ができるようにするため、障害者が利用しやすい電子計算機及びその関連装置その他情報通信機器の普及、電気通信及び放送の役務の利用に関する障害者の利便の増進が図られるよう「必要な施策を講じなければならない」とされていたところ、平成23年の改正に際して「情報の取得」「他人との意思疎通」もその目的に加えられた。」

さらに、この改正の際には、新たに「障害者の意思疎通を仲介する者の養成及び派遣」に関しても「必要な施策を講じなければならない」こととされた。」


C→〇
手話通訳者など意思疎通の支援を行う者の派遣や養成等を行う「意思疎通支援」制度が「障害者総合支援法」に定められています。(参照 意思疎通支援(厚生労働省))

市町村と都道府県の役割分担をはっきりとさせていることもポイントです。

例えば、手話通訳者については、市町村は手話通訳者の派遣、都道府県は手話通訳者の養成というふうに分担しています。

D→×
そもそも「発達障害者支援法」の中に障害者手帳(ここでは療育手帳として解説)の記載はありません。
療育手帳については根拠となる法律がなく、「療育手帳制度について」という通知がガイドラインになり、各都道府県知事がこの通知に基づいて実施要綱を定めています。



問10 事例
 
【事例】
F児童家庭支援センターに子を連れて母親が来所した。その母親Hさん(30 歳)は、発達障害と診断されたGちゃん(3 歳)の養育と自分の仕事との両立に悩んでいた。父親は仕事のため同行することができなかった。この来所相談に応じたのは相談員Iだった。

【設問】
次の文は、相談員Iによる初回面接時の対応である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 相談員Iは、Gちゃんの養育と仕事の両立に悩んでいるという主訴に対して、Gちゃんの養育を優先させることの大切さを助言した。

B 相談員Iは、主訴がすぐに表明されたので、女性の社会進出の権利を前提に話した後、発達障害児が利用できる制度を紹介して、ぜひ仕事を続けるように助言した。

C 相談員Iは、主訴を聞いた後で、Gちゃんの発達の遅れを診断するために母子をプレイルームに案内して、Gちゃんの遊ぶ様子を観察しながら、Gちゃんの成育歴を丁寧に質問した。

D 相談員Iは、主訴を聞いた後で、母親Hさんの心情について表出を促し、その後、家族関係の状況を質問した。

いかがでしょうか。
この問題はD以外は×となります。

母親Hさんが養育と仕事の両立に悩んでいる(仕事を辞めたいなどとは言っていない)ことに対して、AとBでは相談員自身の考えを述べています。
相談に対する姿勢として、受容的な対応や意向を尊重することがあげられますが、AとBはそれに反しています。
また、発達の診断は児童家庭支援センターの業務ではありません。


問18 法律と用語の組み合わせ
 
C 「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(障害者虐待防止法)」

ア 居宅介護支援事業所
イ 配偶者暴力相談支援センター 
ウ 母子福祉センター
エ 市町村障害者虐待防止センター 
オ 児童相談所 
カ 地域包括支援センター 
キ 養護老人ホーム 
ク 地域活動支援センター 
ケ 児童発達支援センター 
コ 青少年相談支援センター

答えはエですね。
「障害者虐待防止法」では、市町村ごとに「市町村障害者虐待防止センター」の設置を定めており、虐待の通報や届け出を受理したり、相談への指導や助言を行ったりしています。


次回に続きます。
(明日はお休み予定です。)