前回は「社会福祉」における障害者福祉に関した根拠法のテストを載せました。
いかがでしたでしょうか?
全30問といつもより多くなっていますので大変だとは思いますが、何が何の法律に定められているかを完璧にしたいですね。

テストの中で一つ質問をいただき、確かに分かりにくいのでそちらをピックアップしたいと思います。
(コメントをいただくと嬉しいです。どんなことでも大歓迎です!)

■「児童福祉法」では、保育所等に通う障害者に対する虐待の防止について規定している。

という問題です。
これは「児童福祉法」ではなく、正しくは「障害者虐待防止法」です。
この問題は、平成28年後期試験の問15(「障害者虐待防止法」についての記述)のCをもとにして作りました。

C (「障害者虐待防止法」では)保育所等に通う障害者に対する虐待の防止についても定めている。

正しい文章ですね。
「障害者虐待防止法」第30条に定められています。
 保育所等の長は、保育所等の職員その他の関係者に対する障害及び障害者に関する理解を深めるための研修の実施及び普及啓発、保育所等に通う障害者に対する虐待に関する相談に係る体制の整備、保育所等に通う障害者に対する虐待に対処するための措置その他の当該保育所等に通う障害者に対する虐待を防止するため必要な措置を講ずるものとする。

さて、これらの問題文の「保育所等に通う障害者」という部分が気になりますね。
保育所等に通うのだから障害者ではなく障害児ではないのか?と不思議に思いますね。

この部分が障害児ではなく障害者としている理由は、「障害者虐待防止法」の定義する障害者には障害児が含まれているからです。

「障害者虐待防止法」第2条では、この法律の「障害者」は「障害者基本法」に規定する障害者であるとしています。
その「障害者基本法」では、障害者の定義を「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」としています。
このように年齢の区別はないため、障害者には18歳未満の方や65歳以上の方も含まれます。

「障害者虐待防止法」の障害者の定義も同じになりますので、年齢の区別がないことから障害者に障害児も含まれます。
障害児の定義は設けられていません。
よって、「保育所等に通う障害者」という表記になっているということです。


さて、この問題も含めて、障害者虐待の発生場所が学校、保育所等、病院における場合、その虐待防止については「障害者虐待防止法」に定められています。

①学校に就学している障害者への虐待防止(第29条)
②保育所等に通う障害者への虐待防止(第30条)
③医療機関を利用する障害者への虐待防止(第31条)

①や②は「児童虐待防止法」と間違えやすいので要注意です。
「児童虐待防止法」では定められていません。

18歳未満の児童の虐待防止については、「障害者虐待防止法」と「児童虐待防止法」のどちらにも定められており、双方でカバーし合いながら適用されることになります。

それを表にまとめてあったのが、市町村・都道府県における障害者虐待防止と対応の手引き(厚生労働省)の8ページです。
これはとても分かりやすかったです。


最後に、保育士試験ではなく、精神保健福祉士の過去問を一つ紹介します。
 
■「児童虐待防止法」(2000年(平成12年))では、小学校や中学校の長に、教職員、児童、生徒に対して、就学する障害児に対する虐待を防止するための必要な措置を講ずることを義務づけている。

→×
これはどこが誤りかというと、「児童虐待防止法」ではなく「障害者虐待防止法」ですね。
就学関係の虐待防止は、「障害者虐待防止法」にのみ定められていることをおさえます。
また細かい部分ですが、問題文の「障害児」は正しくは「障害者」ですね!


明日はお休みします。
次回も障害者福祉に関するテストの予定です。