※(2021.1.11 追記)
この記事を書いた後に正答が公表され、下の答えと同じでした。

問題はこちら
令和2年後期試験につきまして、まず「教育原理」から解きましたので簡単に解説します。

問題構成はこのようになっており、数字は私が考えた答えです。
お気づきの点がありましたらコメントよろしくお願いいたします。

1

法律

日本国憲法 第13条

1

問2

法律

学校教育法 第22条、第29条

4

3

指針

保育所保育指針 第1章「総則」

1

4

人物

教育方法

5

5

人物

日本の人物

2

6

人物

著書の一部

4

問7

日本の学校制度

5

問8

用語

カリキュラム

3

問9

人物

生涯学習

4

10

法律

いじめ防止対策推進法 第3条

4


通知や答申からの出題もなく、法律(指針含む)と人物あわせて8問という問題構成でした。
基本事項や過去問に基づく内容が多く、勉強しているところから出題されたものも多かったのではないかなと思います。




問1 「日本国憲法」

すべて国民は、( A  個人)として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、( B 公共の福祉 )に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

「日本国憲法」第13条は、最近では「教育原理」平成27年試験、「社会福祉」平成30年後期、平成30年神奈川県に出題されています。
これまでの出題で穴になる部分はほとんど共通しています。


問2 「学校教育法」

第22条は令和2年神奈川県、平成30年前期、平成29年前期、平成27年地域限定とよく出ています。

第22 条 幼稚園は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、幼児の健やかな成長のために適当な( A  環境 )を与えて、その心身の発達を( B 助長 )することを目的とする。

また第29条の出題はこれまでありませんでした。
しかしAとBの組み合わせだけで答えがわかるようになっていましたね。

第29 条 小学校は、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを ( C 施す )ことを目的とする。



問3 保育所保育指針

「教育原理」で保育所保育指針から出題されるのは珍しいです。
保育所保育指針の文章ではなく、第1章「総則」のうちの「4 幼児教育を行う施設として共有すべき事項」という部分がまとめられて出題されました。

平成 29(2017)年の改正では、保育所は「( A 幼児教育 )を行う施設」として新たに明示され、共有すべき事項として「育みたい資質・能力」が示された。その内容として、「保育所においては、生涯にわたる生きる力の基礎を培うため、資質・能力を( B 一体的 )に育むよう努めるものとする」とされた。


問4  人物問題 

生徒集団の中から優秀な生徒を助教(モニター)として任用し、助教が教師の指示を他の生徒に伝えるという方法」という説明から、ベル・ランカスター法(助教法)と結び付けられますね。
ベル・ランカスター法とは、イギリスのアンドリュー・ベルとジョセフ・ランカスターが創案したもので、人物名が教育方法の名称となっています。

助教法は久しぶりの出題で、平成23年と平成25年に出題がありました。
このうち平成25年試験は今回の試験問題と同じような文章です。
人物問題は法改正の影響を受けませんので、古い過去問も勉強に使えます。


問5 人物問題 

A 貝原益軒 
B 澤柳政太郎

それぞれの人物のキーワードを見つけることができますね。
明治時代には初等教育に関係した教育家が少なく、その中に文部大臣の森有礼や文部次官の澤柳政太郎がいました。
そこで澤柳政太郎と森有礼が選択肢に並んだと考えられます。


問6 人物問題  

A 教育学は、子どもの発達の昨日にではなく、明日に目を向けなければならない。その時にのみ、それは発達の最近接領域にいま横たわっている発達過程を教授の過程において現実によび起こすことができる。 

発達の最近接領域といえばヴィゴツキーですね。
『思考と言語』の一部です。
ヴィゴツキーは主に「保育の心理学」に出てくる人物ですが、「教育原理」でも平成27年、平成29年神奈川県、令和2年神奈川県と時々出題されています。

B どの教科でも、知的性格をそのままにたもって、発達のどの段階のどの子どもにも効果的に教えることができる。

ブルーナーの『教育の過程』の一部です。
平成25年、平成30年前期にも同じ内容が出題されています。

この問題のようにヴィゴツキーとブルーナーが一緒に出される問題は多いです。
こちらも参考にされてください。


問7  日本の学校制度

落ち着いて読むと全て×ということがわかりますね。

A 「日本国憲法」「教育基本法」は1947年に施行されました。
B  日本の義務教育は9年ですね。
C「学校教育法」第1条です。学校に保育所は含まれません。


問8 カリキュラム

「無意図的に」という部分から、潜在的カリキュラム(隠れたカリキュラムとも言います)とわかります。
潜在的カリキュラムとは意図しないまま仲間や教師から教えられ、環境によって自然と身につくものです。

文部科学省ホームページより「隠れたカリキュラムの例」

「いじめ」を許さない態度を身に付けるためには、「いじめはよくない」という知的理解だけでは不十分である。実際に、「いじめ」を許さない雰囲気が浸透する学校・学級で生活することを通じて、児童生徒ははじめて「いじめ」を許さない人権感覚を身に付けることができるのである。だからこそ、教職員一体となっての組織づくり、場の雰囲気づくりが重要である。

選択肢にある顕在的カリキュラムとは、潜在的カリキュラムに対して意図的な一般的なカリキュラムを指します。

問9 人物

生涯学習に関する人物は主に二人で、ラングランとハッチンスですが、今回はノールズも出題されました。

A「生涯にわたって統合された教育」はラングランですね。
平成30年神奈川県、平成26年再試験に同様の問題が出題されています。
 
B「学習社会」はハッチンスですね。
著書『学習社会論』で、成人にも教育が必要と述べました。

C「ペダゴジー」(pedagogy)、「アンドラゴジー」(andragogy)はノールズです。
おそらく初登場の人物ですが、A、BがわかればCがわからなくても答えが出ます。


問10 いじめ防止対策推進法

第3条の基本理念が出題されました。
Aのみ誤りで、「学校内では」ではなく「学校の内外を問わず」が正しい表記です。

「いじめ防止対策推進法」は平成27年、平成28年前期、平成28年後期と3年連続されてしばらく出ていませんでしたが、久しぶりに出されました。
過去の出題条文をまとめます。

平成27年は第2条(いじめの定義)
平成28年前期は第15条(学校におけるいじめの防止)
平成28年後期は第8条(学校と学校の教職員の責務)


以上、「教育原理」の簡単な解説でした。
次回は「社会的養護」を解説します。