(2023.1.30更新)
今回は平成31年前期試験の問13を確認し、出題された「ストレングス」について見ていきます。


問13 ストレングス
 
次の文は、ストレングスに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 利用者のストレングスを把握することができれば、利用者の抱えている問題状況を把握しないで支援計画を立案することができる。
B 利用者の生活経験やそれによって得た知識は、その人の身に着けた能力の一部であり、ストレングスとして評価する。
C 利用者の ADL(日常生活動作)の自立度や認知的能力は、ストレングスとして評価する。
D 利用者の近隣住民同士の助け合いは、ストレングスとして評価する。

(組み合わせ)
   A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ×

「ストレングス」とは強みという意味で、能力などの個人のストレングスと、地域の人間関係などの環境のストレングスがあります。
強みと言っても力の強さではなく、その人の長所です。
ストレングスモデルとは、この強みを土台として、これを生かして解決していこうとする援助方法です。

ストレングスについては、この平成31年前期以外にも令和元年後期、平成30年前期、平成29年後期、平成26年再、平成25年の「社会福祉」に出題されています。
今後の出題可能性も高いですね。

一つ一つ見ていきます。
 
A 利用者のストレングスを把握することができれば、利用者の抱えている問題状況を把握しないで支援計画を立案することができる。

→×
「利用者の抱えている問題状況を把握しないで」という部分が誤りであることはわかりやすいですね。
援助者の強みを把握していても、問題状況を把握しなければ適切な支援計画を立てられません。


B 利用者の生活経験やそれによって得た知識は、その人の身に着けた能力の一部であり、ストレングスとして評価する。

→◯
ストレングスとは強みですから、これまで得た知識やスキルなどはストレングスといえます。
 

C 利用者の ADL(日常生活動作)の自立度や認知的能力は、ストレングスとして評価する。

→◯
自立度や認知的能力とは、今することができる能力ということです。
例えば「隣近所なら外出できる」ということは、利用者の強みとして評価します。

D 利用者の近隣住民同士の助け合いは、ストレングスとして評価する。

→◯
BやCは個人のストレングスで、Dは環境のストレングスです。
近隣住民などの社会資源はストレングスといえます。


以上、「ストレングス」に関する過去問解説でした。
「これはストレングスかどうか」という内容が出題された場合は、明らかに利用者にとってプラス(強み)と思われるものはストレングスととらえる、と考えるとよさそうですね。

次回に続きます。