(2022.7.23更新)
神奈川県平成31年試験「社会的養護」の解説をしています。
今回は問5を解説します。
問題はこちら


問5  児童養護施設運営指針
 
次の文は、「児童養護施設運営指針」(平成24年3月 厚生労働省)の一部である。 ( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
・ 子どもの存在そのものを認め、子どもが表出する感情や言動をしっかり( A )、子どもを理解する。
・ 基本的欲求の充足が、子どもと共に日常生活を構築することを通してなされるよう養育・支援する。
・ 子どもの力を信じて( B )という姿勢を大切にし、子どもが自ら判断し行動することを保障する。
・ ( C )に応じた学びや遊びの場を保障する。
・ 秩序ある生活を通して、( D )を確立するとともに、社会常識及び社会規範、様々な生活技術が習得できるよう養育・支援する。

(組み合わせ)
         A           B          C                 D
1 区別して 指導する 年齢        基本的生活習慣
2 受け止め見守る   年齢         学習態度
3 受け止め 見守る    発達段階 基本的生活習慣
4 受け止め 指導する 発達段階 学習態度
5 区別して  見守る    年齢         基本的生活習慣

「児童養護施設運営指針」 第II部各論1 養育・支援 「(1)養育・支援の基本」(10ページ)からの出題でした。
「(1) 養育・支援の基本」は5つあります。
①子どもの存在そのものを認め、子どもが表出する感情や言動をしっかり受け止め、子どもを理解する。
②基本的欲求の充足が、子どもと共に日常生活を構築することを通してなされるよう養育・支援する。
③子どもの力を信じて見守るという姿勢を大切にし、子どもが自ら判断し行動することを保障する。
④発達段階に応じた学びや遊びの場を保障する。
⑤秩序ある生活を通して、基本的生活習慣を確立するとともに、社会常識及び社会規範、様々な生活技術が習得できるよう養育・支援する。

この内容を知らなくても、前後の言葉から国語力で解ける問題でした。

答えは3です。
答え
・ 子どもの存在そのものを認め、子どもが表出する感情や言動をしっかり( A 受け止め)、子どもを理解する。
・ 基本的欲求の充足が、子どもと共に日常生活を構築することを通してなされるよう養育・支援する。
・ 子どもの力を信じて( B 見守る )という姿勢を大切にし、子どもが自ら判断し行動することを保障する。
・ ( C 発達段階 )に応じた学びや遊びの場を保障する。
・ 秩序ある生活を通して、( D 基本的生活習慣 )を確立するとともに、社会常識及び社会規範、様々な生活技術が習得できるよう養育・支援する。

【考え方】
A 子どもが表す感情や言動をしっかりと理解(受容)するという意味の受け止めが入ります。
さらに運営指針では「子どもが表出する感情や言動のみを取り上げるのではなく、理由や背景を理解する。」としています。

B  「子どもの力を信じて」という内容につながる言葉として、なりゆきを気をつけながら見るという見守るが入ります。
子どもの可能性を信じて見守っているという職員の姿勢を子どもが感じることで、子どもは主体的に問題を解決していく力をつけていくことができます。

C 「④発達段階に応じた学びや遊びの場を保障する。」としています。
さらに「年齢や発達段階に応じた図書や、玩具などの遊具、遊びの場を用意する。」という説明文もあり、年齢と発達段階のどちらでも意味が通じるので、ここは少し難しいですね。
ただCがわからなくても正答を選ぶことができます。

D 基本的生活習慣とは、食事、排せつ、衣類の着脱、身体の清潔、睡眠などの生活に必要な活動です。
これらは穏やかで秩序ある生活を通して確立することができます。
他にも、社会常識・規範の習得、様々な生活技術の習得が自然な形で身につくよう支援していくとしています。
また、学習態度や学習習慣を身につけるというような説明は運営指針にありません。


次回は問6を確認します。