(2022.7.23更新)
神奈川県平成31年試験「社会的養護」の解説をしています。
今回は問9を解説します。
問題はこちら


問9   被措置児童等虐待対応
 
次の文は、被措置児童虐待対応に関する記述である。虐待防止の対応として不適切な記述を一つ選びなさい。

1 体罰等の起こりやすい状況や場面について、研修や話し合いを行い、体罰等を伴わない援助技術を職員に習得させる。
2 暴力、人格的辱め、心理的虐待などの不適切なかかわりの防止について、具体的な例を示し、職員に徹底する。
3 子どもが自分自身を守るための知識、具体的な方法について学習する機会を設ける。
4 子ども間の暴力等は、職員は一切介入せず子ども同士で解決させる。
5 被措置児童等虐待の事実が明らかになった場合、都道府県市の指導に従い、施設内で検証し、第三者の意見を聞くなど、施設運営の改善を行い、再発防止に努める。

4の「一切介入せず」というところが誤りであることがわかりやすいですね。
「全く~ない」「すべて」などという言葉は誤りの傾向にあります。
内容から考えても、施設等で起こる子ども間の暴力について職員が全く関わらないということはありえないですよね。

この問題は「児童養護施設運営指針
」20~21ページ「被措置児童等虐待対応」から出題されていました。
しかし、4が誤りであることはわかりやすかったので、この運営指針を読み込んでいなくても解ける問題でしたね。

1、2、3、5は「運営指針」21ページの記述通りです。
4
については、正しくは「子ども間の暴力等を放置することも不適切なかかわりであり、防止する。」という記述となっています。

また、「運営指針」では子ども間の暴力等について、14ページ(行動上の問題及び問題状況への対応)でも以下のように述べられています。
職員が介入し、適切な対応ができる体制を整えるという内容になっています。

・子ども間の暴力、いじめ、差別などが施設内で生じないようにするための予防策や、発生してしまった場合に、問題克服へ向けた取組を施設全体で行う。
・施設内での重要なルールとして「暴力防止」を掲げ、日頃から他者の権利を守ることの大切さを子どもと話し合う機会を持つ。
・子どもの遊びにも職員が積極的に関与するなどして子ども同士の関係性の把握に努め、いじめなどの不適切な関係に対しては適時介入する。
・生活グループの構成には、子ども同士の関係性に配慮する。
・暴力やいじめについての対応マニュアルを作成するなど、題が発覚した場合は、全職員が適切な対応ができる体制を整える


次回は問10を確認します。