令和3年前期試験「社会福祉」の問題を一つ一つ解説しています。
今回は問6の「母子及び父子並びに寡婦福祉法」についてです。


問6   母子及び父子並びに寡婦福祉法
 
次の文のうち、「母子及び父子並びに寡婦福祉法」に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 母子家庭及び父子家庭において、児童が、その置かれている環境にかかわらず、心身ともに健やかに育成されるために必要な諸条件が保障される。
B 母子家庭の母及び父子家庭の父の、健康で文化的な生活が保障される。
C 母子家庭の母及び父子家庭の父並びに寡婦は、自ら進んでその自立を図り、家庭生活及び職業生活の安定と向上に努めなければならない。
D 福祉事務所は、母子家庭、父子家庭及び寡婦の福祉に関する相談に応じ、必要な調査および指導を行う。
(組み合わせ)
   A B C D
1 ○ ○ ○ ○
2 ○ × × ○
3 × ○ ○ ×
4 × × ○ ×
5 × × × ○

母子及び父子並びに寡婦福祉法」の中でも、これまで問われたことのないような条文が出ました。
これらはすべて正しい文章です。
今回の出題を機会に、どのようなことが規定されている法律なのか、条文を読んでおきたいですね。


1つずつ該当する条文を確認します。


A 母子家庭及び父子家庭において、児童が、その置かれている環境にかかわらず、心身ともに健やかに育成されるために必要な諸条件が保障される。

→◯
第2条の「基本理念」です。
第1項「全て母子家庭等には、児童が、その置かれている環境にかかわらず、心身ともに健やかに育成されるために必要な諸条件と、その母子家庭の母及び父子家庭の父の健康で文化的な生活とが保障されるものとする。」
 
第2項「寡婦には、母子家庭の母及び父子家庭の父に準じて健康で文化的な生活が保障されるものとする。」

B 母子家庭の母及び父子家庭の父の、健康で文化的な生活が保障される。 

→◯
Aと同じく、第2条の基本理念です。


C 母子家庭の母及び父子家庭の父並びに寡婦は、自ら進んでその自立を図り、家庭生活及び職業生活の安定と向上に努めなければならない。

→◯
第4条の「自立への努力」です。
「母子家庭の母及び父子家庭の父並びに寡婦は、自ら進んでその自立を図り、家庭生活及び職業生活の安定と向上に努めなければならない。」


D 福祉事務所は、母子家庭、父子家庭及び寡婦の福祉に関する相談に応じ、必要な調査および指導を行う。


→◯
第9条の「福祉事務所」です。
「福祉事務所は、この法律の施行に関し、主として次の業務を行うものとする。
 母子家庭等及び寡婦の福祉に関し、母子家庭等及び寡婦並びに母子・父子福祉団体の実情その他必要な実情の把握に努めること。
 母子家庭等及び寡婦の福祉に関する相談に応じ、必要な調査及び指導を行うこと、並びにこれらに付随する業務を行うこと。」


過去に「母子及び父子並びに寡婦福祉法」のどのような条文が出題されたかを紹介します。


関連過去問
 
「母子及び父子並びに寡婦福祉法」の第1条には、「母子家庭等及び寡婦に対し、その生活の安定と向上のために必要な措置を講じ、もつて母子家庭等及び寡婦の福祉を図ること」が、定められている。
(平成31年前期) 

◯ 正しい記述です。

 
「母子及び父子並びに寡婦福祉法」における「寡婦」とは、65 歳未満の者である。(令和2年後期)

× 寡婦の定義(第6条第4項)に年齢の規定はありません。



次は問7の「生活保護制度」の解説です。