令和3年前期試験「社会福祉」の問題を一つ一つ解説しています。
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今回は問15の「グループワークの過程」についてです。


問15  グループワークの過程
 
次の文のうち、グループワークの過程に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 準備期とは、利用者がグループに溶け込むために利用者同士の接触、交流をうながす働きかけをし、相互作用を活性化していく時期である。
B 開始期とは、グループの目的を明確にし、具体的な援助計画を立て、その支援ができる環境を整える時期である。
C 作業期とは、グループの主体的な展開を重視し、利用者と少し距離を保ちながら側面的に援助していく時期である。
D 終結期とは、利用者自身、自らが自己の目標を評価し、同時に支援者の行う援助を振り返って評価する時期である。

(組み合わせ)
   A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

意外(?)なところでグループワーク(集団援助技術)の問題が出題されました。
この分野はあまり出ておらず、これまで平成30年前期、平成29年前期、そして平成23年再試験と出題されており、これらの過去問はこの記事にまとめています。



グループワークの展開過程は、主に「準備期」「開始期」「作業期」「終結期」という4つで構成されており、それぞれの段階をおさえて違いを明確にします。
 
グループワークの展開過程

ア 準備期(第1回の会合を始めるまでの時期)

イ 開始期(第1回の会合から,グループの目標に沿ってメンバーが相互作用を始めるまでの時期)

ウ 作業期(メンバーが相互に作用しながら,個人とグループの目標に向かって取り組む時期)

エ 終結期(グループが終結するまでの時期)

アの準備期は,グループの開始に向けて支援者がさまざまなことを計画し,調整していく時期である。
 イの開始期は,グループのメンバーがお互いに関わり合えるよう,メンバーとの信頼関係をつくり,メンバーの参加を支援していく時期である。
 ウの作業期に入ると,メンバー同士の相互作用が活発になってくる。親密さや団結力が増すなどが現れることもあるが,一方で,メンバー間の葛藤が表面化することもある。葛藤を経験し,対処し,乗り越えてこそ,グループの力が発揮される。一方,支援者や特定のメンバーへの反発などが表面化することもある。これも葛藤への対処と同様,経験して乗り越えていく。
 エの終結期は,グループの終結に向けて,メンバーがグループ体験について振り返り,両価的な感情(悲しい気持ちと今後への期待の気持ちなど)を表に出し合い,グループ終結後への移行に向けての準備をする時期である。



一つずつ見ていきます。

A 準備期とは、利用者がグループに溶け込むために利用者同士の接触、交流をうながす働きかけをし、相互作用を活性化していく時期である。

→×
準備期において利用者同士の接触はありません。
準備期とは支援者が計画を立てたり環境を整えるなどして、グループが動き始める前段階のことです。


B 開始期とは、グループの目的を明確にし、具体的な援助計画を立て、その支援ができる環境を整える時期である。

→×
これが準備期ですね。
開始期とはグループのメンバーが初めて会って、相互作用を始める前の段階です。


C 作業期とは、グループの主体的な展開を重視し、利用者と少し距離を保ちながら側面的に援助していく時期である。

→◯
正しい内容です。 
メンバー同士の相互作用が活発になり、相互援助システムが形成されていきます。
ワーカーは媒介者となってグループのコミュニケーションを促進します。

D 終結期とは、利用者自身、自らが自己の目標を評価し、同時に支援者の行う援助を振り返って評価する時期である。

→〇
正しい内容です。
振り返り、評価をする段階です。
メンバーの態度や役割、グループで得られた成果などを利用者自身が振り返り、また援助者は具体的な援助行動を振り返ります。

最後に、グループワークの展開過程に関した社会福祉士の過去問を紹介します。


関連過去問
 
グループワークに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 . 最終目標は、まとまりのあるグループを作ることである。
2 . メンバー自身やグループ内の葛藤は、回避することが必要である。
3 . 開始期では、メンバー間の相互援助システムの形成が促進される。
4 . メンバー個々の問題を解決する主体は、ワーカーである。
5 . プログラム活動は、グループワークの援助方法の一つである。


1 × グループを通して、個人やグループの問題を解決し、メンバーそれぞれが成長することです。
2 × 葛藤を回避せずに経験し、解決していくことが必要となります。
3 × メンバー間の相互援助システムが形成されるのは「作業期」です。
4 × 問題解決の主体はメンバーです。
5 ◯ 正しい内容です。


次は問16の「福祉サービス第三者評価事業」の解説です。