令和3年前期試験「社会福祉」の問題を一つ一つ解説しています。
今回は問20の「障害福祉サービス」についてです。


問20 障害福祉サービス
 
次のうち、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に定められている障害福祉サービスとして、不適切なものを一つ選びなさい。

1 就労継続支援
2 自立生活援助
3 共同生活援助
4 訪問リハビリテーション
5 療養介護

今回試験では問8でも「障害者総合支援法」の「障害福祉サービス」が出題されており、選択肢に「居宅介護、同行援護、就労移行支援、短期入所」が出されていましたね。

問20は「障害者総合支援法」の「障害福祉サービス」の中に「介護保険法」の「居宅サービス」が混ざっていた問題で、少し難しかったですね。

障害者総合支援法」第5条第1項では障害福祉サービスを以下のように定めています。
「この法律において「障害福祉サービス」とは、居宅介護重度訪問介護同行援護行動援護療養介護生活介護短期入所重度障害者等包括支援施設入所支援自立訓練就労移行支援就労継続支援就労定着支援自立生活援助及び共同生活援助をいい・・・(略)」

そして、第5条第2項から第17項は、それぞれの障害福祉サービスについての規定となります。

障害福祉サービスとは、個々の障害のある人々の障害程度や勘案すべき事項(社会活動や介護者、居住等の状況)を踏まえ、個別に支給決定が行われるものです。
介護の支援を受ける場合には「介護給付」、訓練等の支援を受ける場合は「訓練等給付」に位置付けられています。(参照 厚生労働省 障害福祉サービスについて

問題の選択肢の中で、 
4 訪問リハビリテーション  は、「障害者総合支援法」第5条第1項の中に含まれていませんので、これが答えとなります。
この訪問リハビリテーションは「介護保険法」に規定されている「居宅サービス」の1つです。
居宅サービスとは、自宅で生活する人を対象とした介護保険の介護サービスです。

介護保険法」第8条第1項
「この法律において「居宅サービス」とは、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与及び特定福祉用具販売をいい、「居宅サービス事業」とは、居宅サービスを行う事業をいう。」
これらの「介護保険法」に規定された居宅サービスについて深く問われることはないと思いますが、念のため名称はおさえておきたいですね。

最後に、関連過去問として社会福祉士国家試験の問題を紹介します。



関連過去問
 
「障害者総合支援法」の障害福祉サービスに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 生活介護とは、医療を必要とし、常時介護を要する障害者に、機能訓練、看護、医学的管理の下における介護等を行うサービスである。

2 行動援護とは、外出時の移動中の介護を除き、重度障害者の居宅において、入浴、排せつ、食事等の介護等を行うサービスである。

3 自立生活援助とは、一人暮らし等の障害者が居宅で自立した生活を送れるよう、定期的な巡回訪問や随時通報による相談に応じ、助言等を行うサービスである。

4 就労移行支援とは、通常の事業所の雇用が困難な障害者に、就労の機会を提供し、必要な訓練などを行うサービスである。

5 就労継続支援とは、就労を希望し、通常の事業所の雇用が可能な障害者に、就労のために必要な訓練などを行うサービスである。



1 × 「療養介護」の説明です。

2 × 外出時の移動中の介護も含まれます。

3 〇  正しい内容です。

4 × 「就労継続支援」の説明です。

5 × 「就労移行支援」の説明です。


これで令和3年前期「社会福祉」のすべての問題を解説しました。